JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(2) ― 2016年01月26日
(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>
「なくても良い」と判断しました。
同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/01/19/7996032
前回述べた「プレッシャー・リリーフ・ドア」とは、いったい何か、念のため説明します。
図1 胴体後部の「プレッシャ・リリーフ・ドア」
(出典: 『事故調査報告書 第1冊目 付図-7 尾翼ステーション図』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・編集)
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を 「二つのタブ」 で同時に開き、一方のタブを 「図の表示専用」 にすると、非常に便利です。
図2、図3は、その形状を示します。
図2 「プレッシャ・リリーフ・ドア」外側
(出典: 『事故調査報告書 第1冊目 写真-26 プレッシャ・リリーフ・ドア(外側)』 運輸省事故調査委員会、を引用・編集)
図3 「プレッシャ・リリーフ・ドア」内側
(出典: 『事故調査報告書 第1冊目 写真-27 プレッシャ・リリーフ・ドア(内側)』 運輸省事故調査委員会、を引用・編集)
図4 「プレッシャ・リリーフ・ドア」側面
(出典: 『事故調査報告書 第1冊目 写真-25 プレッシャ・リリーフ・ドア(地上で開状態)』 運輸省事故調査委員会、を引用・編集)
※図で、左側が「胴体前方(機首)」の方向です。
※図で、「圧力リリーフ・ドア」と表現しているのが、「プレッシャ・リリーフ・ドア」のことです。一杯に開いているので、真下に下がっています。
「事故調査報告書」によれば、「プレッシャ・リリーフ・ドア」の面積は0.485平方メートルです。
ただし、縦・横・厚さの各寸法は、記述が見当たりません。
図1のように、このドアは、「後部圧力隔壁」のすぐ右側(客席の外側)で、胴体下面にあります。
そのため、「後部圧力隔壁」が破壊され、「急減圧流」が生じると、その圧力によって、このドアが自動的に開き、「急減圧流」を機外に放出します。
その結果、下記、図5で、「3番目と4番目の図」は、本来ならば、成立しません。
図5 事故調が主張する機体最後部の破壊プロセス
(出典: 米田憲司著『御巣鷹の謎を追う 日航123便事故20年』 宝島社)
この図5で、「2番目の図」で、APU(補助動力装置)が、丸ごと脱落しています。
もしこれが事実ならば、「APU脱落」によって、「新たな開口部が生じた」ことになります。
図6 APU(補助動力装置)の外観図(全日空の広告ページ)
(出典: 『航空情報』 酣燈社、を一部引用。あいにく掲載号は、かなり古く不明です)
※「吸気口」は、胴体の右側面に開口しています。
※「排気口」は、図1のとおり、胴体尾部に開口しています。
※橙色の「?」は、良く分りません。
恐らく、APUで駆動される高圧空気を得るための吸気口ではないかと思いますが、断言はできません。図を見ると、胴体の左側面に開口しているものと思います。
※APU(補助動力装置)は、小型のガスタービン・エンジンです。
地上に駐機している時、油圧、電力などを得るため、APUに付属する油圧ポンプ、発電機などを駆動するためにあります。
図7 ボーイング747型機の「後部圧力隔壁図」
(出典: 『航空情報2月号臨時増刊 №329 エアバス・ジャンボ』 酣燈社、を引用・編集)
この図は、123便ではありませんが、客席の大きさ(人間の大きさ)と比較して、APUが、かなり大きなものだと分ります。
図8 APUが脱落した場合の、急減圧流の動き
(出典: 『事故調査報告書 第1冊目 付図-7 尾翼ステーション図』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・編集)
もし、前掲の図5で、事故調が主張するように、急減圧流によって、APUが脱落したならば、図8のような流れが生じます。
急減圧流の本来の排出口である「プレッシャ・リリーフ・ドア」の他に、脱落したAPU部分に大きな開口部が生じます。
この部分が、あたかも、「新しく生まれたプレッシャ・リリーフ・ドアの開口部」として作用します。
したがって、急減圧流の大半が、「プレッシャ・リリーフ・ドア」、および「脱落したAPU部分の開口部」を通って、機外に放出されます。
結果的に、この部分の圧力(後部圧力隔壁より右側の圧力)が、ますます低下します。
なおさら、「図5で、3番目の図」のような、垂直尾翼を吹き飛ばすほど強い空気流が「生じるはずがありません」。
その結果、「図5で、4番目の図」のような、垂直尾翼を破壊する現象は、起こりません。
それをごまかすために、事故調は「ドアの開口面積が小さかったので、急減圧流を放出しきれず、垂直尾翼などの破壊を招いた」と、見え透いたウソをついています。
「プレッシャ・リリーフ・ドア」の開口部どころか、「脱落したAPU部分の開口部」まで生じているのです。
「ドアの開口面積が小さい」どころか、それより「はるかに大きな開口部が存在した」ことになります。
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<長文のため、第3回目に続きます>
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