JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(5) ― 2016年02月08日
(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>
「なくても良い」と判断しました。
同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/02/04/8008614
第4回目の記事で引用した文章(引用A)の最後に、「2.15.5参照」とあります。
これが、次の「引用B」で示す文章に該当(がいとう)します。
ただし、「2.15.5」は誤りで、「2.16.5」が正しい表現です。
また、「引用B」では、(1)項の部分しか、引用していません。
(2)項、以降は、第6回目以降の記事で述べます。
『航空事故調査報告書 第1冊目 P.60』を引用します。
(読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています)。
(引用B)
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2.16.5 スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドアに関する調査
(1) スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドア(以下「プレッシャ・リリーフ・ドア」という。)は、後部胴体内のスタビライザ・ジャッキ・スクリュへのアクセス・ドアであると同時に、非与圧区域である後部圧力隔壁より後方の後部胴体内が何らかの原因(*1)で加圧され、一定の圧力に達すると開いて加圧空気を機外に放出し、構造部材の破壊を防ぐ機能も有している。
(*1)加圧の原因としては、APU高圧空気ダクト及び後部圧力隔壁の破損等が考えら
れる。
プレッシャ・リリーフ・ドアは、面積0.485平方メートルを有し、前方がヒンジ、後方が(2)のラッチの外側へ開くドアである。
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(引用、以上)
※「プレッシャ・リリーフ・ドア」の正式名称は、上記のとおり、「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドア」です。
「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ」を点検するために、整備士が出入りするためのドアです。
そのためのドアを、急減圧流を機外に放出するための「プレッシャ・リリーフ・ドア」として、兼用しています。
※「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ」は、図1に示す部分だと思います。
※「スタビライザ」とは、一言で言えば、水平尾翼のことです。
図1 スタビライザ・ジャッキ・スクリュ
(出典: 『航空情報2月号臨時増刊 №329 エアバス・ジャンボ』 酣燈社、を引用・編集)
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を 「二つのタブ」 で同時に開き、一方のタブを 「図の表示専用」 にすると、非常に便利です。
※この図は、ボーイング747型機ですが、123便の機体(JA8119)ではありません
※「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ」は、水平尾翼の「取付角」を変化させるための機構です。
図2~図4のように、水平尾翼は、上下に「首を振る」ように作ってあります。
「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ」の「ねじ軸」を、ぐるぐる回転させて、水平尾翼を、上下に「押したり、引いたりして」角度を変える構造になっているものと思います。
「回転させる」のは、恐らく電動モーターだと思いますが、ひょっとすると、油圧駆動のモーターかもしれません。
図2 水平尾翼の「取付角」変化(水平時)
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 付図-7 尾翼ステーション図』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・編集)
図3 水平尾翼の「取付角」変化(上向き時)
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 付図-7 尾翼ステーション図』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・編集)
図4 水平尾翼の「取付角」変化(下向き時)
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 付図-7 尾翼ステーション図』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・編集)
※図2~4は、あくまでも「概念図」です。
水平尾翼の回転軸が、どこにあるか分らないので、「正確な首振り状況」は、描けません。
※「取付角」を変化させる操作は、水平尾翼に関する「操縦操作」の一環として、パイロットが操縦席で行います。
通常は、操縦桿についているスイッチ(トリム・スイッチ)で、操作します。
※この操作の目的は、一言で言えば、「機体の、上下方向のバランスを取るため」です。
※747ジャンボ機に限らず、大型のジェット機などでは、当り前に行っています。
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(分析B)
冒頭の、「引用B」にトリックはありません。
ただし、次の部分は、後のトリックに関わってきます。
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(*1)加圧の原因としては、APU高圧空気ダクト及び後部圧力隔壁の破損等が考えら
れる。
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これに関しては、今後、何回目かの記事で述べます。
なお、「引用B」で、一番最後の部分は、日本語としてあいまいで、分りづらい表現です。
トリックでは、ありません。
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…… 前方がヒンジ、後方が(2)のラッチの外側へ開くドアである。
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これについては、次回の「引用C」と、またがっているので、次回の記事で述べます。
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<長文のため、第6回目に続きます>
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