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(新・新版) 21世紀は宇宙文明時代
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「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(4)2016年09月15日

[カテゴリ: 航空全般>その他]

第3回目の記事から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/03/8168369

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第1回目の記事で、以下の部分が説明不足なので、補足します。
かなり後の部分です。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/28/8165090
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◎ 耳と口で、管制などの航空無線を聴取し、交信もします。
◎ 副操縦士がいる場合は、副操縦士との会話(指示など)も行います。
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「機長」の他に、「副操縦士」も乗務している旅客機の場合、操縦桿を握って操縦操作をする者と、無線通信を行う者とは、それぞれ、二人で分担します。

もし、「機長」が操縦桿を握るならば、「副操縦士」が無線通信を担当します。
ただし、無線通信を副操縦士に「丸投げ」することはしません。
副操縦士の行う無線通信を、機長も常に聴取(モニター)しています。

例えば、地上の管制官から「高度7000フィートに降下せよ」との指示を受けた時、機長が、その無線交信を聞いて「承諾した」のを副操縦士が確認して、副操縦士が、管制官に対し「(了解)7000フィートに降下する」と応答します。

もし仮に、機長が、「7000ではなく、5000まで降りたい」と言えば、副操縦士は、その通り、管制官に要求します。

一方、副操縦士が操縦桿を握り、機長が無線通信を担当することも、必ずしも珍しくありません。
副操縦士も、機長と同じ「操縦免許」を持っています。
持っていないのは、単純に言えば「機長資格」だけです。

そのため、副操縦士が操縦桿を握って、操縦操作を行っても、法律面も含め、何も問題はありません。
経験の浅い副操縦士に、操縦経験を積ませるためなど、いろいろな理由で、日常的に行われています。

早い話、機長がトイレに行く時は、副操縦士に操縦を任せる以外に方法がありません。
そのために、人件費の高いパイロットを、「わざわざ二人も」乗せているのです(笑)。

なお、副操縦士の方が、若くて身体能力が高く、操縦訓練を終えてからあまり時間が経っていないので、ベテランの機長よりも、かえって操縦が上手い場合があると、言われています。

もちろん、「経験の厚み」は、ベテラン機長にかなわないのは、言うまでもありませんが。

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以下が、今回の「本題」です。

第3回目の記事で、(1)『 LUXURY FLIGHT(ラグジュアリー・フライト)』について、概要を述べました。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/03/8168369

今回は、具体的な操縦内容について述べます。

同社のホームページを見ると、いかにも「本格的な航空マニア向けの店」との印象を受けます。
http://737flight.com/

人によって印象は異なるでしょうが、少なくとも私は、最初に見た時、このような印象を受けました。
(今は、当時とは、ある程度、画面の構成が異なってはいますが)。

一般論として、まったくの未経験者の場合、フライト・シミュレータに限らず、航空に限らず、どのような分野でも、「本格的なマニア向け」との印象を持つと、「軽く扱われるのではないか?」、あるいは「見下されるのではないか?」などと感じたりして、「近寄りがたい。敷居が高い」と受け止めてしまう可能性があります。

しかしながら、この店(会社)の場合、その心配は、まったくありません。

そもそも、社長自身が、詳しいことは知りませんが、航空界の出身者ではなく、何と格闘技の出身者だそうです。
(今は、もちろん、フライト・シミュレータのプロです)。

したがって、未経験者や、ド素人を「軽く扱う」はずがありません。
「飛行機仲間が、また一人増えた」と、大歓迎してくれるのは間違いありません。

一方、素人でありながら、「知ったかぶり」をするのは、ぜひ避けるべきです。
それは、本人自身のためでもあります。

まったくの未経験者なのに、経験や知識があるかのように振る舞うと、インストラクターも、その前提でシミュレータの動かし方や、操縦法の説明・指導を行うはずです。

結果的に、必要な説明や指導を十分得られず、本人自身が「不完全燃焼のまま」、終了時間が来てしまいます。
それでは、「楽しむための」シミュレータ操縦の意味がありません。

インターネットで「生かじりの知識」を仕入れ、インストラクターに対して、「あんたの教え方は間違っている」と、怒り出した客がいたそうです。

何とも「痛そう」な、出来事です(笑)。

航空機の操縦方法は、「ただ一種類しかない」わけではありません。
その時の条件によって、微妙に異なります。

あくまでも例えばの話ですが、「条件A」の場合、飛行速度は200ノットであり、「条件B」の場合は、220ノットになる、このような「微妙な違い」が、いろいろあり得ます。

ところが、この飛行の場合、速度は200ノットに決まっていると、勝手に思い込んでいると、「220ノットだと言われた時」、上記のように、怒り出すはめになるわけです。

私自身、当ブログでも、知らず知らずのうちに「知ったかぶり」に陥るかもしれません。
自戒すべし、と思っています。

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この店には、第3回目の記事で述べたように、2種類のシミュレータがあります。

◎ ボーイング737-800(比較的小さな、双発ジェット旅客機)
◎ ビーチクラフトG58バロン(小型、双発プロペラ機)

同社のホームページで、『ギャラリー』に、その写真がいろいろあります。
http://737flight.com/gallery.html

撮影の許可をもらって、自分で撮影した写真があるので、以下、説明のためにそれを掲示します。

ただし、「カメラぶれ」のため、不鮮明で見づらく、申し訳ありませんが、がまんして下さい。
計器を写すには、ストロボが使えないので、シャッター・スピードが低速になってしまいます。
非常に古いデジカメなので、「手ぶれ防止機能」がありません。

今回の記事では、ボーイング737-800型シミュレータの写真を掲げます

ボーイング737-800シミュレータ操縦室正面の写真

(図1)ボーイング737-800シミュレータ操縦室正面の写真


「本格的シミュレータ」そのものです。
よくよく見ると、実機には、あり得ない部分があります(笑)。
しかし、実際の操縦に入ると、操縦室内の照明を落とすので、まったく見えず気になりません。

この機体に限らず、飛行機(固定翼機)では、左側が「機長席」で、右側が「副操縦士席」です。

(ヘリコプターの場合、機長席が「右側」で、副操縦士席は「左側」です)。
(小型ヘリコプターでは、副操縦士席が「存在せず、客席になっている場合」も少なくありません)。

「左・右側エンジン・レバー」について。
ボーイング737は双発機なので、「エンジン・レバー」は、左右2本あります。
機長ならば、右手の全体で、両方を握って、同時に操作します。
手前に引けば、エンジン出力が低下し、前方(機首の方向)に押し出せば、増加します。

エンジン故障で1発停止した場合などは、そのレバーは一番手前に戻し、生きている側だけを操作するのは、言うまでもありません。
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<訂正>

「図1」の写真で、「左・右側エンジン・レバー」となっているのを、「パワー・レバー」と訂正しました。

上記の説明文で、『 「左・右側エンジン・レバー」について。』以降の文章を、以下のように訂正します。
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「パワー・レバー」について。
エンジンを制御するためのレバーです。
ボーイング737は双発機なので、「パワー・レバー」は、左右2本あります。

(これ以降の文章は、変更ありません)。
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「訂正理由」は、お手数ですが、次の記事をご参照願います。

『【連絡事項】 9月15日の記事、『「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(4)』で、1件訂正します』
2016年09月22日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/22/8197052

訂正内容が、分かりづらくて、申し訳ありません。

<この項、追記。H28 / 2016-9-22>
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このレバーの背面に、エンジン逆噴射用の「リバース・レバー」があります。
着陸時、滑走路に接地した後、このレバーを引き起こすように引くと、エンジンの噴射を、本来の後方ではなく、エンジン側面の開口部から、前方に向かって「逆噴射」します。
本来の噴射口は、自動的に「ふた」で、ふさがれます。
機体の滑走速度が低下する、ブレーキ効果があるのは言うまでもありません。

「ギア・レバー」について。
「ギア・レバー」は、着陸脚(ランディング・ギア)を出し入れするレバーです。
いったん、レバーを手前に引いてから、レバーを上げたり、下げたりします。
レバーを下げれば「着陸脚(車輪)」が出ます。上げれば「引き込み」ます。
レバーを手前に引くのは、操作していない時に、誤ってレバーに体が触れても、誤作動しないようにするためです。

「フラップ・レバー」について。
「フラップ・レバー」は、主翼後方にある「フラップ(下げ翼)」を、出し入れするレバーです。
通常は、機長の指示を受けて、副操縦士が操作します。

「フラップ(下げ翼)」を出すと、実質的に主翼の面積が増加します。
上空を高速で巡航中は、主翼の面積は少ない方が好ましく、一方、離陸や着陸時は飛行速度が遅いので、出来るだけ主翼の面積は大きい方が好ましい、この矛盾を解消するための方法が、「フラップ(下げ翼)」です。

そのため、離陸上昇中に所定の速度に達すれば、出していたフラップを完全に引き込みます。
着陸時は、速度の低下に合せて、フラップの出す角度を、10度、20度、30度、といったように、増加させます。
最終進入段階では、最大までフラップを下げます。
離陸時は、着陸時ほどは出しません。

「スピード・ブレーキ・レバー」について。
「スピード・ブレーキ・レバー」は、主翼上面にある、横長の「スポイラー(抵抗板)」を、出し入れするためのレバーです。
通常は、機長が操作します。

「フライト・スポイラー」と、「グランド・スポイラー」の2種類あります。
「フライト・スポイラー」は、飛行中にも使用出来ます。
飛行中の降下速度が早過ぎないように、速度調整する時などに用います。
一方、「グランド・スポイラー」は、機体が滑走路に接地した後に動作します。
接地後の、滑走速度を低下させる、ブレーキです。
この時、「フライト・スポイラー」も、同時に動作します。

飛行中か、滑走路に接地後かの自動的判断は、「着陸脚」に取り付けてあるセンサーを用います。
接地後である(飛行中ではない)と、自動的に判断すれば、「フライト・スポイラー」と、「グランド・スポイラー」の両方が、自動的に立ち上がります。

「操縦桿」について。
「操縦桿」は、基本的には、両手で握ります。
エンジン・レバーなどを操作する時は、片手だけで握ります。
前後、左右(黒色のハンドル部分を回転させる)に動かします。
「ハンドル部分」は、自動車と異なり、何回転もしません。
通常は、例えば、30度ぐらい回す程度です。
=================================
<修正>

上記の最終行で、「30度ぐらい」を、「10度ぐらい」に修正します。

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修正理由は、お手数で申し訳ありませんが、次の記事をご参照願います。

『【連絡事項】 15日の記事、『「FS」ならば …… (4)』で、修正が1件あります』
2016年09月17日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/17/8192986

<この項、追記 H28 / 2016-9-17>

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「頭上パネル」について。
「頭上パネル」には、エンジン始動スイッチの他、燃料制御部、油圧制御部、与圧空調制御部などのスイッチや表示灯などがあります。
「ボイスレコーダー」用の、天井マイクもあります。


計器表示や窓の外の映像を含めた写真

(図2)計器表示や窓の外の映像を含めた写真

図1では、撮影にストロボを用いたので、計器の表示などが、まったく見えません。
そこで、ストロボを用いず撮影したのが、図2です。

窓の外で、道路のように見えるのが、言うまでもなく滑走路です。

滑走路の左外側に、「赤い丸」のように見えるものが4個並んでいます。
これは、「着陸進入の角度」を示すための、指示灯です。
「着陸進入中」に上空から見ると、赤色、または白色に見えます。
「白、白、赤、赤」に見えたら、正常な進入角度です。
「白、白、白、白」に見えたら、高度が高めです。
「赤、赤、赤、赤」に見えたら、高度が低めです。そのまま進入したら、最後には「墜落」しかねません。

この写真では、機体が「地上にいる」ので、全部赤に見えています。
「墜落した」のではありません(笑)。


機長席から見た、滑走路の写真

(図3)機長席から見た、滑走路の写真

滑走路末端で、機体が動き出す前の、静止している時の写真です。
機長席に座らないと、「絶対に見えない」光景です。

パイロット気分が、いやが上にも高まる「至福の時」です。

自宅にある、「おもちゃの、パソコン・シミュレータ」では、決して味わえません。
「値段が高い」だけのことがあります。

この写真だけでは、その心境は、あるいは伝わらないかもしれませんが。

中央の白線が、滑走路の「センター・ライン」です。
その左右に、いくつかある、「白い帯状のもの」は、「接地帯」を示す標識です。
着陸する時、この「接地帯」の領域内に、主車輪を接地するように、機体を操ります。
もちろん、機体の中心線を、出来るだけ滑走路センター・ラインに合せるようにします。


操縦座席まわりの写真

(図4)操縦座席まわりの写真

この写真では、「操縦桿」と、「操縦輪」と、二つの表現をしています。

昔から、戦闘機などは、片手で握る部分も含めて「1本棒」形式でした。
そのため「操縦桿」と言います。

一方、旅客機などは、この写真のように、握る部分は、前述のように「ハンドル」形式です。
そのため、厳密には「操縦輪」と言います。
さらに、その根元の部分は、写真のように、太い「1本棒」なので、「操縦桿」と言います。
しかし、一般的には、両者を総称して「操縦桿」と表現しています。
人によっては、逆に、全体を指して「操縦輪」と言います。

なお、ヨーロッパ製のエアバス機では、操縦輪だけで、操縦桿の部分がありません。
しかも、操縦輪ではなく、戦闘機のような「1本棒」形式です。
そのため、パイロットの正面ではなく、側面の台上に取り付けてあります。
機長ならば、左手だけで操作します。

「左側 / 右側・方向舵ペダル」が、操縦桿をはさむように、その両脇奥にあります。

第2回目の記事で述べたように、靴の「かかと」を床につけて、両足を前後させて操作します。
ブレーキ(車輪のブレーキ)をかける時は、かかとを上げて、つま先でペダル上部を押します。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/31/8166416

左右のペダルは、連動しています。
右足を踏み込むと、それに反比例して、左側ペダルが、手前に「せり出して」きます。
両足で、両方のペダルの動きを加減します。

「座席移動用レール」について。
座席に出入りする時、座席を一番後(手前側)まで移動させ、さらに機体外側にも、少し移動させます。
それによって、「すき間」を作り、パイロットが出入りします。
そのためのレールです。

ボーイング737型機では、座席の移動は、レバーを動かし、手動で行います。
(例えば、ボーイング747型は、電動式です)。

着席後、自分の体に合わせて、座席の位置を調節します。

操縦席正面の窓の上部にある、「小さなハンドル」を左手で握り、右手で座席レバーを動かし、体全体で、座席を前後に動かして、座りやすい位置に固定します。
特に、方向舵ペダルに足が届くように、位置決めします。
足を前後に動かして、ペダルを十分踏み込めるか、足を手前に引いた時、座席との間隔が狭すぎないか、様子を見ます。

もし、必要ならば、高さも調節します。


航空計器の中で、一番重要な計器の写真

(図5)航空計器の中で、一番重要な計器の写真

この計器が、どこにあるのかを示したのが、図6です。

航空計器の中で、一番重要な計器の位置を示す写真

(図6)航空計器の中で、一番重要な計器の位置を示す写真

この写真のように、副操縦士席では、左右の計器配置が逆になっています。

これに限らず、「機長席」と、「副操縦士席」では、計器やレバーなどの配置が、左右逆の関係になっているものが少なくありません。
そのため、副操縦士から機長に昇格する時、逆の配置に慣れるのに多少苦労するようです。

図5と、図6を見比べると、「図5の右側計器の表示内容」が異なっているのに、気付くと思います。
(写真が不鮮明で、分かりにくいですが)。

これは、図5の右側計器の表示内容が、「飛行モード」によって、いろいろ変化するからです。
「自動操縦」と、「手動操縦」が、飛行モードの違いの「典型例」です。

「飛行モード」の切り替えは、パイロットが自分で、スイッチを操作して行います。
それに応じて、表示内容が、自動的に切り替わります。

さらに、この計器画面上に、「気象レーダーの画像」を重ねて表示出来ます。
(シミュレータではなく、実機の場合)。
それによって、現在地点の気象状況はもとより、例えば、100マイル先の気象状況も、容易に把握出来ます。
(100マイルは、約185キロメートル。陸マイルではなく、ノーチカル・マイル=海里です)。

VOR表示器の写真

(図7)VOR表示器の写真


図5の「右側計器表示」を抜き出したのが、この図7です。

ここでは、「VOR」を表示させるモードなので、とりあえず「VOR表示器」と表現しました。

第2回目の記事で、後半部に「昔話」を述べました。
その中で、「無線航法でのVOR(ブイ・オー・アール)」について、簡単に述べました。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/31/8166416

「VOR」とは、地上に設置してある「無線航行援助施設」の一つです。
一言で表現すれば、航空機用の「電波による灯台」の一つです。

VOR表示器写真の説明

(図8)VOR表示器写真の説明

図8は、図7に説明を加えたものです。

右上に、黄色枠で囲った「VORのデータ」があります。

写真が不鮮明ですが、以下のように表示しています。

VOR1 YOE
     CRS 150
     DME 15

「1台目のVOR受信機」が、この「VOR電波」を受信していると、示しています。

「YOE」は、このVORを識別(特定)するための「無線の名称」です。
各VORそれぞれに、個別の名称が付いています。
「VORが送信している電波」の中に、無線の名称を表す、音声のモールス信号を組み込んであります。
パイロットが、それを耳で聞いて識別出来ます。
ここでは、機上に搭載してある「VOR受信機」が自動的に識別して、この計器上に表示しています。

「CRS 150」は、方位150度の方向に、このVORがあると示しています。

方位は、北を0度(360度)、南を180度で表現します。
東ならば90度、西ならば270度になります。

「DME 15」は、15マイル先に、このVORがあると示しています。

白色の「VORの方位を示す指針」を見ると、このVORが存在する方向(方位150度)は、自機から見て、おおよそ左真横の方向にあると、示しています。

赤色の「所定のコースからのずれを示す指針」を見ると、このVORの直上を通過するためのコース(正しい飛行コース)は、「VORの方位を示す指針」(白色)を基準にして、「それよりも少し左側にある」と、示しています。

正しいコースに近づくほど、赤色指針が、この写真では、上に移動し、正しいコースに乗れば、白色指針と一直線上に並びます。

また、現在の「機首方位(機首が向いている方向)」は、231度(おおよそ南西方向)だと分かります。

なお、この計器の中央部(円の中心点)が、自機の位置を表しています。

最も重要な計器の写真

(図9)最も重要な計器の写真

図5の左側の計器です。
これが、操縦にあたって、最も重要な計器と言えます。
そのため、パイロットの真正面にあります。

各部の名称や、意味するところを示したのが、図10です。

最も重要な計器写真の説明

(図10)最も重要な計器写真の説明

これも写真が不鮮明で、申し訳ありませんが、がまんして下さい。

左上側に「速度計」と注記しました。
赤色の159から下に延びている、細長い灰色部分が、速度計です。
中央の白枠内が、現在の速度(150ノット)です。
速度の変化に応じて、白色の目盛りが上下に動きます。

右から2番目が、「高度計」です。
白枠内が、現在の高度(不鮮明ですが、2740フィート)です。
高度の変化に応じて、白色の目盛りが上下に動きます。

一番右側が、「昇降計」です。
機体が、上昇しているか、降下しているか、それとも水平に飛行しているかを示します。
これも不鮮明ですが、「毎分2900フィートの速度」で、上昇中です。
昇降計のすぐ上の数字、2900が、その値です。

もし、降下中ならば、指針が水平よりも、下側を指します。
水平飛行中なら、言うまでもなく、指針は中央(水平)を指しています。

この写真の中央部、正方形で、下の少しが茶色で、大半が水色になっている計器が、機体の姿勢を表示する「姿勢指令指示器」です。

機体の「左右方向の傾き」、および「上下方向の傾き」を、同時に表示しています。

「水色の部分」が、空(そら)を表しています。
「茶色の部分」が、地面を表しています。
「両者の境目」にある、「白線」が、地平線を表しています。

「機体の中心を表示」の矢印の先に、不鮮明で分かりにくいですが、小さな正方形の白枠があります。
その中心部が、この写真では、黒っぽくなっています。
ここが、「機体の中心点」を表します。
「主翼をイメージ」と表現した、左右に延びている「L型の枠線」も含めて、真後ろから見た、機体を表しています。
この部分は、固定してあり、機体姿勢がどのように変化しても動きません。
計器表示上の「基準点」です。

機体が上昇すると、水色部分にある、白い目盛り「機首の上下角を表示」が、下方向へ移動します(目盛りが、上から降りてくる感じ)。
つまり、「空を表す水色」の領域が増加します。

機体が降下すると、逆に、白い目盛り「機首の上下角を表示」が、上方向へ移動します。
つまり、「空を表す水色」の領域が減少し、「地面を表す茶色」の領域が増加します。
「地面を表す茶色」の領域にも、水色部分と同じ、「機首の上下角を表示」する白色目盛りがあります。

この写真では、機体が、かなり「空の上にいる」ことを示しています。
昇降計の表示と合せると、上昇率が毎分2900フィートで、上昇中と分かります。
さらに、機首が「上を向いている角度」が、非常に不鮮明ですが、約24度だと分かります。
「機首の上下角を表示」する、白色の目盛りから、目分量で、それを読み取ります。

同時に、「機首の上下角を表示」する、白色の目盛りが、全体的に右に傾いています。
これは、機体の「左右方向の傾き」を示しています。
傾きの角度は、約22度です。
その判別方法は、写真が不鮮明すぎるので、説明は省略しておきます。

この計器表示を見ると、機体は「左」に傾いています。

しかし、一見、機体が右側に傾いているかのように見えます。

ところが、「地面を表す茶色」を見ると、地面は、右に傾いていると、示しています。
換言すると、機体から見て、地面の「左側が持ち上がっている」ことを、示しています。

地面の「左側が持ち上がっている」ということは、機体自体は、右側ではなく、左側に傾いています。

「機体が左側に傾いている」状態を、パイロットに限らず、機内の人間が見ると、あたかも、左側の地面が「持ち上がって来ているかのように見える」のは、旅客機に乗った経験者なら、分かると思います。

「姿勢指令指示器」では、この関係が、非常に「まぎらわしい」のです。

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私は、しょっちゅう、どちらだったか分からなくなります。
この写真で言えば、機体が、右に傾いていると、つい思ってしまいます。

そのため、水平飛行に戻すつもりで、さらに左へ操縦桿を回して、かえって、左の傾きを強めてしまい、「しまった」と思うことがよくあります。

じっくり考えれば分かるのですが、瞬間的に操作をしなければいけない時は、じっくり考える余裕はありません。
理屈を知った上で、操作方法を、頭ではなく、体で覚える必要があります。
しかし、それが難しいのです、素人には(笑)。

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赤色の縦線「垂直コマンド・バー」について。
赤色の横線「水平コマンド・バー」について。

この写真では非常に不鮮明なので、分かりやすくするため、同じ幅の赤線を手作業で重ねてあります。

これら2本の線の交点が、「自分の機体が行くべき場所」です。

「機体の中心を表示」の中点に、上記の交点が来るように、操縦します。

「水平コマンド・バー」は、この「中点」より、少し「下」にあります。
したがって、機体を少し「降下」させます。

「垂直コマンド・バー」は、この「中点」より、ほんの少し「右」にあります。
したがって、機体を、ほんの少し「右旋回」させます。

機体の降下と、右旋回を、同時に行います。

そうすると、計器の表示上では、「水平コマンド・バー」が上に、上がってきます。
同時に、「垂直コマンド・バー」が左に、移動してきます。

正しいコースに乗れば、2本のコマンド・バーが、均一に交差し(きれいな、等間隔の十文字になる)、その交点が、「機体の中心を表示」の中点と、ぴったり一致します。

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図7から図10までの写真は、大阪・伊丹空港で、「滑走路32L」を南から北に向かって離陸し、離陸直後に、上昇しながら、左旋回中の写真です。

シミュレータの動きを一時的に止めて、撮影しました。

大阪市の南東方向に、「八尾(やお)飛行場」があります。
小型機専用の飛行場です。

しかし、この飛行場には、飛行場の位置を示すVORが設置してあります。
それが、「(図8)VOR表示器写真の説明」で述べた、「VOR(無線の名称YOE)」です。

このVOR(無線の名称YOE)を目指して、飛行中の写真です。

したがって、本来ならば、2本のコマンド・バーが、常に「機体の中心を表示」の中点と、ぴったり一致し続けるように、操縦する必要があります。

そうすれば、常に正しいコースに乗りながら、このVORの直上を通過出来ます。

ところが、私は、第1回目の記事で述べたように、「下手の横好き」です。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/28/8165090

とても、上手な操縦、正しいコースに乗り続ける操縦など、「不可能」です。
どうしても、コースから、ずれてしまいます。

そのため、図10の説明で述べたように、計器画面上で、少し右下方向に修正する必要が生じたわけです。

さらに、「(図8)VOR表示器写真の説明」で述べた、コースずれとも、食い違っています。
この食い違いも、初めから正規のコースに乗っていないのが原因ではないかと思っています(正しいかどうか分かりませんが)。

いずれにせよ、図10の説明で述べた修正量も、一定ではありません。
その時、その時で、「ふらふら」変動しています。

それでも、何とか、第1番目の目標地点「VOR(無線の名称YOE)」に到達しました。
正確な直上通過までは、出来なかったと思いますが。
(すぐ次の飛行コースに入るので、確かめている余裕はありません)。

このVOR上空で、左(東方向)に大きく変針し、次の目標地点である、「VOR(無線の名称CBE)」に向かいました。
このVORは、新しい名古屋空港(中部セントレア)内にあります。

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この時の飛行内容は、大阪・伊丹空港を離陸し、上述のように、各VORを「飛び石伝い」に経由して、東京・羽田空港へ着陸する飛行コースです。
全区間、手動操縦で、自動操縦は行いませんでした。

会員なので、飛行コースは、自由に決められます。
自分で事前に作成し、本番に臨みました。

なお、図3の写真(機長席から見た、滑走路の写真)は、大阪・伊丹空港ではなく、その前に飛行した、沖縄・下地島空港です。

「下地島空港」は、日本航空や、全日空などの、パイロット訓練用に生まれた空港です。
かつて、盛んに訓練機(ジェット旅客機そのもの)が飛び回っていました。
もちろん、乗客は乗っていません。訓練生や教官だけです。

今は、シミュレータが発達しており、実機による訓練が非常に少なくなり、飛ばなくなりました。
海上保安庁などが、わずかに訓練用として使っているようです。

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以上、航空の素人に過ぎない私が行った、「お遊びシミュレータ操縦」の内容を具体的に述べました。
本物のパイロットによる操縦ではありません。
「誤った記述」や、「不適切な記述」が、あるかも知れません。
その点、お断りしておきます。

当記事をご覧になって、皆様ご自身が「シミュレータ操縦」を行った気分に、少しでも浸(ひた)って頂けたら幸いです。

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次回は、同じ(1)『 LUXURY FLIGHT(ラグジュアリー・フライト)』にある、ビーチクラフトG58バロン(小型、双発プロペラ機)のシミュレータ操縦や、その他について述べる予定です。

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<以下、長文のため、第5回目に続きます>

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