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「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(5)2016年09月24日

[カテゴリ: 航空全般>その他]

第4回目の記事から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/15/8190590

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第4回目の記事に関して、次の記事中で、下記の補足を述べました。

『【連絡事項】 15日の記事、『「FS」ならば …… (4)』で、修正が1件あります』
2016年09月17日
---------------------------------------------------------------------------------
いずれにせよ、旋回する際、機体が左右に傾く角度と、操縦桿を回す角度は、同じではありません。
その両者は、単純な比例関係には、なっていません。

(中略)

第5回目の記事で、これに関連して、「操縦」と、「運転」の違いについても、述べる予定です。
---------------------------------------------------------------------------------

上記の「前者」について、まず述べます。

例えば、「右旋回」する場合、「機体を右側に傾ける」必要があります。
(左旋回ならば、言うまでもなく、その逆に、機体を左に傾けます)。

『「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(4)』
2016年09月15日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/15/8190590

この記事で、「(図4)操縦座席まわりの写真」に示す、「操縦輪」を、原則として両手で握って右側に回します。
そうすると、機体が、水平状態から、右側に傾き始めます。

ここで大事(やっかい)なのは、操縦輪を回すと、「それ以上に」機体が傾いて行くという点です。
===================================================
<修正>

上記、「ここで大事(やっかい)なのは、……」の部分を、次のように「修正」します。

「ここで大事なのは、やっかいなのは、……」

(修正後の全文)
「ここで大事なのは、やっかいなのは、操縦輪を回すと、「それ以上に」機体が傾いて行くという点です。」

(修正理由)
原文では「(やっかい)」が、大事の「ふりがな」のように、見えてしまいます。
しかし、「ふりがな」ではありません。
そこで、まぎらわしくないように、修正しました。

< この項、追記 H28 / 2016-12-31 >
===================================================

もし仮に、操縦輪を「右に10度傾けた(回した)」とします。
そうすると、機体が、右に、例えば「10度なり、15度なりの角度だけ傾き、その角度をずっと保持する」ならば、話は簡単とも言えます。

ところが、操縦輪を「右に10度傾け」、その角度のまま保持していても、機体の傾きは、一定の角度を保持するのではなく、「どんどん傾きが増加」して行きます。

機体が水平の状態から、少しずつ傾き始めます。
1度、…… 2度、…… 3度、…… 傾く角度が「徐々に増加」して行きます。
さらに、5度となり、10度となり、20度となり、30度となり、…… どんどん機体の傾く角度が、「情け容赦(ようしゃ)なく」増大して行きます。

どこまで増大するかというと、単純に言えば、機体の側から見て「行きたいところまで、好き勝手に」増大して行きます。

最後には、機体がひっくり返るなり、急激に機首が下がり急降下するなり、「めちゃくちゃな状態」になってしまいます。

上記のように、「(もし仮に)操縦輪を、右に10度傾け、その角度のまま保持している」にもかかわらずです。

これでは飛行が成り立ちません。

そこで、「当て舵(あてかじ)」を行います。

自動車の「当て舵」と同じかもしれません。
あるいは、異なるかもしれません。
(車の免許がないので、良く分かりません)。

飛行機の「当て舵」は、ここでは、上記の「限りなく増大する」機体の傾きを止める操作を指します。

右旋回するために、もし仮に、「機体の傾きを20度にする」とします。

その場合、機体の傾きが、徐々に増大し、20度近くになった時、20度ちょうどになるように、操縦輪を、今までとは「反対側の、左側」に少しだけ回します。

そうやって、機体が右に傾き続ける動きを「抑え込み」ます。

要するに、機体が「右に傾き続ける動き」に対して、操縦輪を左に少し回し、左に機体を傾かせるかのようにして、抑え込み、機体の傾きを、望みの「一定な角度」に合せるわけです。

この「当て舵」を加えるタイミングが適切であれば、機体の傾く角度を、望みの角度に「一発で合せられる」わけです。

一方、タイミングが悪いと、「やっかいなこと」になります。

「当て舵」が早過ぎたら、機体の傾きが、20度より少なくなってしまいます。
それを補うために、操縦輪を、今度は、右に少し回さなければなりません。
そして、今度は、そのための「当て舵」を、再度加える必要があります。

「当て舵」が遅いと、機体の傾きが、20度より多くなってしまいます。
それを補うために、操縦輪を、また、左に少し回さなければなりません。
そして、今度は、そのための「当て舵」を、再度加える必要があります。

これらの「補正が適切」ならば、これで「一件落着」です。

もし、これらの「補正が不適切」ならば、さらに「補正が必要」となります。

そして、もし、これらの「再補正が不適切」ならば、さらに「再・再補正が必要」となります。

そして、もし、これらの「再・再補正が不適切」ならば、さらに「再・再・再補正が必要」となります。

それはとりもなおさず、操縦輪を必死になって「何回も、何回も、右に、左にと操作している」にもかかわらず、いつまで経っても「必要とする機体の傾き角度が得られず」、ふらふら飛行し続ける状態に陥ります。

「当て舵」のタイミングに限らず、「当て舵」の分量(どれだけ、反対方向に操縦輪を回すか)も、適切か、不適切かで、同じような問題が生じます。

いずれも、私自身が行う「お遊びシミュレータ操縦」で、よくあるパターンです(笑)。

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「操縦」と、「運転」の違いについて述べます。

例えば、「工業用ロボット」で、人間が手で「制御盤のレバー」を動かすと、それに応じて「ロボット・アーム」が動くとします。

この時、「制御盤のレバー」と、「ロボット・アーム」の動きが、以下の関係にあるとします。
-------------------------------------------------------------
「制御盤のレバー」を動かす角度    「ロボット・アーム」の動く角度
-------------------------------------------------------------
     0度                       0度
    10度                      10度
    20度                      20度
    50度                      50度
   100度                     100度
-------------------------------------------------------------

これを見ると、明らかに両者は「正比例」の関係にあります。

このように、「人間が手などを使って、対象物を制御するために動かす物」の操作量と、「制御対象物」の動作量が、「比例関係」にある時、その操作を「運転」と呼びます。

(「自動で動くべき工業用ロボットを、人間が手動で操作して、どうするんだ!!」という、ツッコミが生じそうですが(笑)、これは、あくまでも説明のための、例え話です)。

一方、前述した、飛行機の「操縦輪の操作角度」と、「機体の左右の傾き角度」のように、「単純な比例関係にない」場合、その操作を「操縦」と呼びます。

したがって、飛行機の操縦は、「操縦」であって、「運転」ではありません。
「運転」と呼んだら、正しい日本語の表現ではなくなります。

一方、自動車や電車の運転は、「運転」であって、「操縦」ではないはずです。

「ではないはず」と、あいまいな言い方をしたのは、私は、自動車も電車も、運転について、具体的な正確なことは分からないからです。
前述のように、自動車の免許すらありません。

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飛行機の操縦が、「操縦」であって、「運転」ではない原因は、おそらく、人間にはまったくつかみ所のない、「空気の中に浮いている」ためだと思います。

第1回目の記事で述べたように、飛行機は、「目に見えない地面」の上に成り立っています。
『「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(1)』
2016年08月28日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/28/8165090

もし仮に、自動車や電車と同様に、「目に見える地面」の上に成り立っていたならば、飛行機の操縦も、操作性が比例関係となり、「操縦」ではなく、「運転」と呼ばれていた可能性があります。

もちろん、「目に見える地面」の上に成り立つ飛行機では、空を飛べないので、「話になりません」が。

船の場合は、昔から「操船」と呼ばれてきました。
船を操るから「操船」です。

しかし、一方、水の上に成り立つ船は、自動車や電車と、飛行機の「中間的存在」とも言えます。
水は「目に見えます」、一方、空気と同様に流動体であり、人間にとっては、やはり「つかみ所のない」物体でもあります。

そのため、運転でもなければ、操縦でもない、「操船」という言葉が生まれた、とも解釈できます。
(「操船」という言葉が生まれた時には、まだ「操縦」の言葉が存在しなかったかもしれませんが)。

近ごろ、インターネット上はもとより、新聞記事などでも、電車の運転を「操縦」と表現しているのを散見します。

当然、これは不適切な表現です。
しかし、社会の大多数は、そもそも、操縦と運転の違いを、いちいち意識していないはずです。

そのため、やがて、電車はもとより、自動車も運転ではなく、操縦と表現する時代がやってくるかもしれません。
特に、自動運転の車では、「自動操縦」の表現が、そのうち広まるのではないか、という気がします。

もしそうなれば、日本語の使い方の「劣化」と言えます。
好ましいとは、とても思えません。

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以下、当記事の本題です。


第3回目の記事で紹介した、(1)『 LUXURY FLIGHT(ラグジュアリー・フライト)』にある、ビーチクラフトG58バロン(小型、双発プロペラ機)のシミュレータ操縦について述べます。
http://737flight.com/

同社ホームページの、『ギャラリー』に、その写真が少しあります。
http://737flight.com/gallery.html

さらに、私が写した写真を掲示します。
第4回目の記事に掲げた写真と異なり、「カメラぶれ」ではなく、「ピントが甘い」ので、やはり不鮮明で申し訳ありませんが、ご了承願います。


ビーチクラフトG58バロンのシミュレータ操縦装置

(図1)ビーチクラフトG58バロンのシミュレータ操縦装置
===================================================
<修正>

「図1」の写真を、2点修正のため、差し替えました。

詳細は、お手数ですが、「第10回目の記事」を、ご参照願います。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/07/15/8621121

< この項、追記 H29 / 2017-7-15 >
===================================================

これも、「本格的な」シミュレータです。

しかし、一方では、 第4回目の記事で述べた、ボーイング737-800のシミュレータと比べる限りでは、格落ちすると言えます。

元々は、ボーイング737-800のシミュレータが1台ありました。
それから、後になって、このビーチクラフトG58バロンのシミュレータが増えました。

そのため、設置場所が思うように行かず、いろいろと制約があるのではないかと、勝手に想像しています。

ボーイング737-800のシミュレータは、独立した部屋の中にあります。
入り口のドアを閉じれば、完全な「自分だけの世界」になります。

一方、ビーチクラフトG58バロンのシミュレータは、独立した部屋の中ではありません。
通路に、直接、面しています。

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「操縦席」について。
機長席は、やはり左側にあります。
副操縦士席は、ありません。
そのため、右席には操縦桿がありません。

その代わり、この店ならではの独特な「インストラクター席」になっています。
この座席は、固定してなく、キャスターで自由に動けるようになっています。
そのため、この写真には、写っていません。

このシミュレータではなく、実機ならば、「普通の副操縦士席」があります。
ただし、小型機なので、実機でも、特に理由がない限り、「いちいち副操縦士を乗せる」ことはありません。
また、小型機では、大型機と異なり、通常の場合、副操縦士席には、機長席と同様の計器が、一式そろってはいません。
機長席の計器を、副操縦士は「共用」することになります。

このシミュレータでは、機長の座席は、レバーで前後2段にだけ動きます。
出入りする時は、手前一杯に引きます。
操縦時の定位置は、前方に移動させた位置です。
高さの調節は出来ません。

「正面窓のディスプレイ」について。(正式名称ではありません)
ボーイング737-800シミュレータの場合は、正面窓だけではなく、左右の窓からも外の風景画像が見えます。
このビーチクラフトG58バロンでは、正面窓の部分だけにしかディスプレイがありません。

「プライマリ・フライト・ディスプレイ」について。
これは、図2で説明します。

「マルチ・ファンクション・ディスプレイ」について。
ディスプレイの左側に、エンジンや燃料、オイル関係の計器が、縦に並んでいます。
双発機なので、左右・各2組あります。
そのすぐ右側の青い大きな部分は、地図の表示部ですが、このシミュレータ装置では、動作しません。
インストラクター席には、現在位置も含め、地図表示のディスプレイがあります。

「スロットル・レバー」
「プロペラ・ピッチ・レバー」
「ミクスチャ・レバー」について。
いずれも、エンジン部の制御レバーです。
双発機なので、それぞれ2本ずつあります。
3種類のレバーは、それぞれ色分けして、容易に見分けがつくようにしてあります。
また、握り部分の形状も、3種類それぞれ微妙に変えてあります。
右手で、通常は、それぞれ2本同時に握って操作します。

「スロットル・レバー」は、エンジンの出力を制御します。
「プロペラ・ピッチ・レバー」は、プロペラの角度(ピッチ)を制御します。
飛行状態に応じた、最適の角度に調節します。
「ミクスチャ・レバー」は、エンジンに供給する、燃料の混合比(空気と燃料の比率)を調節します。

燃料タンク側には、これとは別に「燃料コック」があり、どの燃料タンクから、エンジンに燃料を供給するか選択できます。

「左・右方向舵ペダル」
「ギア・レバー」(着陸脚のレバー)について。
これらは、第4回目の記事で述べたのと、基本的には同じです。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/15/8190590


プライマリ・フライト・ディスプレイの説明

(図2)プライマリ・フライト・ディスプレイの説明
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<修正>

「図2」の写真を、1点修正のため、差し替えました。

「図2のタイトル」も、「プライマリ・フライト・ディスプレイの説明」に修正しました。

詳細は、お手数ですが、「第10回目の記事」を、ご参照願います。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/07/15/8621121

< この項、追記 H29 / 2017-7-15 >
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「速度計」
「高度計」
「昇降計」
これらは、第4回目の記事で述べたものと、基本的には同じです。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/15/8190590


「姿勢指令指示計」は、写真が不鮮明で、分かりにくいですが、これも、第4回目の記事で述べたものと、基本的には同じです。
水色の「空」と、茶色の「地面」を表す部分が、写真の通り、ディスプレイ全体に広がっています。
「分かりやすい」とも言えます。
一方、「大げさ」とも言えます(笑)。

「水平位置指示計」は、機首の方位を示します。
方位が変わると、それに応じて、円形の「方位目盛り」が回転します。
同時に、「方位目盛り」に接する上部枠内に、デジタル数字で機首方位を表示しています。

この部分には、第4回目の記事で述べた、VORの方向や、正しいコースとのずれ、なども表示されます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/15/8190590


シミュレータ装置の外側写真

(図3)シミュレータ装置の外側写真


写真の通り、頭の近くに外枠があります。
座席に出入りする時、「頭をぶつけないよう」に注意して下さい。

普通に出入りする時は、まず、ぶつかりませんが、通常と異なる姿勢の時に、ぶつかる可能性があります。

シミュレータではなく、実機の天井の高さに合わせて、この位置に枠を設けたのではないかと、勝手に想像しています。
(正しいかどうか、分かりませんが)。
===================================================
<補足>

「図3」の写真で、「外枠」は、現在は、存在しません。

「頭をぶつける心配」は、ありません。

詳細は、お手数ですが、「第10回目の記事」を、ご参照願います。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/07/15/8621121

< この項、追記 H29 / 2017-7-15 >
===================================================

実機では、この種の小型機は、胴体の直径が小さいので、天井が、かなり低くなります。
「前かがみ」にならないと、通路も通れません。
とても「きゅうくつ」です。
座席に座れば、気になりませんが。

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このビーチクラフトG58バロンのシミュレータ操縦を行ったのは、今までで2回だけです。

第4回目の記事で述べた、ボーイング737-800は、この時の写真で明らかなように、文字通り「本格的な」シミュレータです。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/09/15/8190590

自宅にある、「貧弱な」パソコン・シミュレータとは比較にならないので、「大金を払っても」、操縦する価値があると言えます。

一方、G58バロンの場合は、自宅のシミュレータでも、「それなりの飛行」が可能です。
(もちろん「本格的」ではなく、かなり劣りますが)。
したがって、「大金を出してまで」、G58バロンの操縦をするほどでもない、と言えます。
それは、私の「経済的事情」が大きく影響しています。
経済的に「ゆとりがあれば」、気楽にどんどん、G58バロン・シミュレータの操縦も行っていたかもしれません。
自宅のシミュレータと比べて、計器目盛りも細かく、正確に読み取れます。
それだけでも、操作性がかなり違います。

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ただし、「2回だけ」と言っても、最初の1回目は、「15時間コース」を受けました。

今は、G58バロンの「飛行コース」は、大きく変わりました。
『バロンG58フライトプラン・コース』
http://737flight.com/baronflight.html

以前は、「15時間の飛行訓練コース」がありました。
離陸から、巡航、着陸まで、「一通りの操縦方法」を教えてもらえるコースです。

ただし、実機の場合、一番簡単な「自家用操縦士」の免許でも、40時間以上の訓練を受ける必要があります。
15時間では、少なすぎます。
したがって、正式な飛行訓練ではありません。

しかし、「本物のベテラン・パイロット」がインストラクターなので、訓練効果は抜群と言えます。

私の場合は、「予想通りの効果があった」とも言えるし、同時に、「予想よりも効果がなかった」とも言えます。
要するに、15時間では、本当の意味での「操縦技術は、会得しきれなかった」と言えます。
同時に、「パイロットに不向きな自分」にとっては、「この程度、出来れば上等」とも言えます。

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自宅のパソコン・シミュレータで、第2回目の記事で述べたように、「太古の昔」から、操縦をしてきました。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/31/8166416

ところが、第1回目の記事で述べたように、「パイロットに不向き」なので、いまだに操縦が「下手くそ」です。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/28/8165090

そのため、自宅のパソコン・シミュレータでは、ジェット機の操縦は持てあまし、とても「まともに操縦」出来ません。

しかたがないので、小型プロペラ双発機の「ビーチクラフト350キングエア」をひたすら操縦しています。
地上の景色をながめる「遊覧飛行」には、スピードが遅く、高度の低い小型プロペラ機の方がふさわしいのも理由の一つですが。

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ところが、何年も前に、航空雑誌で、『ラグジュアリー・フライト』にボーイング737のシミュレータがあると知りました。

一度ぐらいは、行ってみたいと思い、ボーイング737の操縦を行いました。
この時のコースは、今は名称・内容が変わっていますが、「副操縦士訓練コース」を受けました。
(ただし、最初の1回だけです)。
離陸から着陸まで、一通りの操縦方法を教わろうと思いました。

ところが、実際にやってみると、「予想通り」まともに操縦出来ません。
そのため、ひたすら「水平直線飛行」の練習を、させられるはめになりました(笑)。
あらためて、ジェット旅客機の操縦は、思うように出来ないと痛感しました。

そのため、ボーイング737操縦とは別に、前述した、ビーチクラフトG58バロン「15時間の飛行訓練コース」を、思い切って受けてみることにしました。

当然、かなりの費用がかかります。
経時的に厳しいので、だいぶ迷いました。
一方、少し前に「予期せぬ臨時収入」があり、それがまだいくらか残っているので、払えば払えないこともありません。
「予期せぬ臨時収入」が、今後二度と入るはずもないので、「今が最初で、最後のチャンス」と考え、思い切ってこのコースを受けました。

結果的には、大正解「とも」言えます。

上記のように、一番最初に、ボーイング737を操縦した時は、まるっきり出来なかったのが、G58バロン「15時間コース」を受けたおかげで、はるかに「まし」になりました。

下手は、下手ですが、とにかく離陸から着陸まで、出来るようになりました。
正しく着陸出来ない時も少なくありませんが、最初の時に比べれば、相対的な意味で、はるかに「まし」です。

自宅のパソコン・シミュレータで、ボーイング737を操縦した時も、はるかに「まし」になりました。

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ジェット旅客機であるボーイング737の操縦が、プロペラ機のG58バロン操縦訓練と、関係あるのか、と言うと、「大あり」です。

シミュレータではなく、実機において、どんなパイロットでも、まずは、単発の小型プロペラ機から操縦訓練を始めます。
いきなり、ジェット旅客機で、操縦訓練を行うことは、あり得ません。

単発の小型プロペラ機で、まず操縦技術を会得(操縦免許を取得)し、それから、双発の小型プロペラ機に進み、最後にジェット旅客機の訓練を行うのが、通常のコースです。

したがって、実機ではなく、単なるシミュレータ操縦でも、プロペラ機のG58バロン操縦訓練は、無意味な行為ではありません。
本来ならば、その前に、単発の小型プロペラ機訓練を受ければ、理想的です。

----------

昨今は、航空会社で、シミュレータの性能が飛躍的に向上したので、訓練コスト・ダウンのために、実機による小型機の操縦訓練を省いて、いきなりジェット旅客機の訓練から始めよう、という声も上がってきているようです。
===================================================
<修正>

上記、「いきなりジェット旅客機の訓練……」を、次のように「修正」します。

「いきなりジェット旅客機のシミュレータ訓練……」

(修正後の全文)
「昨今は、航空会社で、シミュレータの性能が飛躍的に向上したので、訓練コスト・ダウンのために、実機による小型機の操縦訓練を省いて、いきなりジェット旅客機のシミュレータ訓練から始めよう、という声も上がってきているようです。」

「修正理由」は、お手数ですが、「以下の記事」をご参照願います。

『【連絡事項】 昨年9月の記事『「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも……(5)』で、修正1件追加します』
2017年01月05日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/01/05/8303395

<この項、追記 H29 / 2017-1-12>

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しかし、当然ながら、反対が強く、実現するとは思えません。
ひょっとすると、外国の航空会社あたりでは、実現の方向に、じわじわ動いているかもしれませんが。

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私が受けた「G58バロン15時間コース」では、「実機の操縦免許を取るつもりはないが、なるべく『本物のパイロット訓練に近いもの』を行ってほしい」という希望を出しました。

それに合せて、訓練を行ってもらったので、「それなりに厳しい」訓練を受けたとも言えます。

飛行方位がずれていったり、高度がずれていったりすると、どんどん注意を受けました。
そのため、最初のころは、思わず弁解をしてしまいました。
例えば、「飛行方位がずれているのは、分かっているのですが、思うように出来ないのです」、といった具合です。

それに対して、「パイロットは、結果がすべてだ」と言われてしまいました。

「なるほど」と思いました。
どんな理由があっても、墜落したら「一巻の終り」です。
墜落してから、いくら弁解しても、時間は元に戻りません。
そんなことは、パイロットの役目ではありません。
目的地まで、正しく確実に飛行するのが、「パイロットの役目」です。
それが出来なければ、パイロットの意味がありません。
これは、あくまでも、実機の場合ですが。

また、インストラクターに、「やろうと思っても、思うように出来ないのは、俺が一番良く分かっている」とも言われました。
どんなベテラン・パイロットでも、最初は初心者です。
訓練生時代には、誰でも、「やろうと思っても、思うように出来ない」体験を、嫌と言うほどしてきたはずです。
それならば、わざわざ、自分がことさら弁解する必要もない、と思いました。

これらによって、その後は、どんなに思うような操縦が出来なくても、弁解はしないようにしました。

「パイロットは、結果がすべてだ」
これは、飛行機の操縦に限らず、人生すべてにおいても、言えることです。
そういう意味でも、これは「名言」です。

この名言を得られただけでも、「15時間訓練コース」を受けた価値がありました。

もちろん、一般論として、人生において、「結果がすべて」とは言えない場合も、少なくないのは当然ですが。
「一面の真理」であるのは、間違いありません。

----------

「15時間訓練コース」の最初のころは、操縦にだいぶ苦労しました。

それでも、訓練が進むにつれて、最初に比べれば、だんだん操縦が上手くなってきました。

そして、最終日に、いわば「卒業試験」とも言える、最後の飛行を行いました。
離陸上昇して、すぐに旋回し、滑走路を横目に見ながら、ぐるっと回って、離陸したのと同じ滑走路に着陸するコースを飛行します。
最後に、滑走路に向かっての着陸進入も、それなりに「こなす」ことが出来ました。
「これで、何とか着陸出来そうだな」と思いながら、滑走路末端に進入しました。

ところが、ここで「地獄」に、たたき落とされました。

滑走路末端に進入してから、降下していた機体をいったん水平にし、それから静かに滑走路に接地します。
機体を水平にするため、左手で操縦桿を少し引きます。
その時、右手で、エンジンを制御する「スロットル・レバー」を、無意識に引いてしまいました。
そんなことをするつもりは、まったくありませんでした。
勝手に、右手が動いてしまいました。
(着陸の時は、左手で操縦桿を握り、右手は「スロットル・レバー」を常に握っています)。

「しまった」と思いながら、急いで、「スロットル・レバー」を戻しました。
しかし、時すでに遅し。
それから後の操縦は、「めちゃくちゃ」になりました。
結局、滑走路に激突、炎上しました。

「火災警報ベル」が実際に鳴り響き、目の前のディスプレイ画面では、滑走路上に立ち往生した機体から煙が上っていました。
こういうところは、非常に「良く出来た、リアル」なシミュレータです(笑)。

「卒業試験」見事に不合格です。
あらためて、パイロットに不向きな人間だと痛感しました。

ただし、「卒業試験」は、あくまでも「言葉のあや」です。
合格しないと、訓練を受けたことに「ならない」わけではありません。

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この話は、さらに少し続きます。
予定外ですが、次回に持ち越すことにします。

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<以下、長文のため、第6回目に続きます>

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