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JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(18)2016年08月24日

[カテゴリ: JAL123便>事故報告書]

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(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>

「なくても良い」と判断しました。

同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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※ 第17回目の記事から、続きます。
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/08/18/8154635


『航空事故調査報告書』第1冊目、106ページ(運輸省航空事故調査委員会)を引用します。
前回の「引用P」と同じ項目です。

(読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています)。

(引用Q)
---------------------------------------------------------------------------------
(1) プレッシャ・リリーフ・ドア

このドアは墜落現場付近で発見された。

(中略)

このドアが開口したとしても、

その開口面積は後部圧力隔壁推定開口部からの流出空気を機外に放出するに十分な面積ではなく、

尾部胴体内の圧力は急激に上昇したと推定される。
---------------------------------------------------------------------------------
(引用Q、以上)


(分析Q)(トリック13)

「引用Q」の、下から3行目を見て下さい。
---------------------------------------------------------------------------------
このドアが開口したとしても、
---------------------------------------------------------------------------------
とあります。

これは、本来ならば、「このドアが開口したが」、あるいは「このドアが開口したにもかかわらず」等々の表現をするべきです。

「ドアが開口した」という状態を、明示するべきです。

そうでないと、論理のつじつまが合いません。

「引用Q」の、下から2行目を見て下さい。
---------------------------------------------------------------------------------
その開口面積は

後部圧力隔壁 推定開口部からの流出空気を

機外に放出するに十分な面積ではなく、
---------------------------------------------------------------------------------
と、明記してあります。

事故調は、「プレッシャ・リリーフ・ドア」の開口面積が少ない(不足している)と、断言しています。

「プレッシャ・リリーフ・ドア」の開口面積が不足している、と断言出来るのは、いったい、どういう時か?

言うまでもなく、「プレッシャ・リリーフ・ドア」が全開した時です。

この時、初めて、「開口面積が不足している」と断言(判別)できます。

ドアが、もし閉じているならば、「開口面積が、多いとも少ないとも」言える(判別できる)はずがありません。

したがって、引用Q「下から3行目」は、本来ならば、「このドアが開口した」と断言するのが当然です。

にもかかわらず、「このドアが開口したとしても」という、仮定形の表現をしています。

明らかに矛盾します。

なぜこの矛盾が生じたのか?

言うまでもなく、「プレッシャ・リリーフ・ドア」は閉じている、からです。

「開いていない」からです。

閉じている「プレッシャ・リリーフ・ドア」を、「開いている」と言明したら、大変な「大ウソ」をつくことになります。

事故調は、そこまでのウソをつくことが出来なかったと解釈できます。

かといって、「閉じていた」とは、口が裂けても決して言えません。
それを言ったら、事故調みずから、「急減圧がなかった」と白状することになります。
「後部圧力隔壁」は、急減圧流が生じるほど壊れてはいなかったと、白状することになります。

絶対に言えません。

そのため、苦しまぎれに、「このドアが開口したとしても」という、仮定形の表現で、必死になって「ごまかした」わけです。

この部分に限らず、今まで何度も述べたように、事故調は、閉じている「プレッシャ・リリーフ・ドア」を、「開いていた」と思わせるために、いくつものトリックを仕掛けてきました。

これも、その一つです。

----------

「このドアが開口したとしても」の表現を、逆の面から見れば、「実際には、開口していないが、もし仮に、開口していた場合であっても」と、事故調自身が、言おうとしているとも解釈できます。

この意味を言外に込めて、事故調が、「このドアが開口したとしても」と表現したのなら、「ある意味、立派」とも言えます。
しかし、実際は、そうではないと、思えてなりませんが。


(分析Q、に対する結論)(トリック13、に対する結論)

(1)「引用Q」で、本来ならば、「このドアが開口した」と言明する必要がある。

(2)しかし、「このドアが開口したとしても」と、仮定形の表現をしているのは、ドアが閉じていたのを「ごまかす」ため。

(3)それは、「急減圧流が存在しない」ことを隠すため。

(4)事故調は、急減圧流が存在しないと、明確に認識している。

-----------------------------------

私は航空には素人ですが、電子技術者として、かつて長年、電子機器の分野で実務に携わってきました。
そのため、事故調の者たちが、人々をだますために、どのような文章表現にしようかと、トリック一つ一つについて四苦八苦している様子が、手に取るように伝わってきます。
彼らの、必死ではあるが、「こっけいな姿」が、目に浮かぶ思いがします。

------------------------

<長文のため、第19回目に続きます>


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JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(17)2016年08月18日

[カテゴリ: JAL123便>事故報告書]

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(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>

「なくても良い」と判断しました。

同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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※ 第16回目の記事から、続きます。
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/07/30/8142253


前回の「引用N」と同じ、『航空事故調査報告書』第1冊目、60ページ(運輸省航空事故調査委員会)を引用します。
(読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています)。

(引用O)(ゼロではなく、英文字です)
---------------------------------------------------------------------------------
2.16.5 スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドアに関する調査

(1) スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドア
(以下「プレッシャ・リリーフ・ドア」という。)は、

後部胴体内のスタビライザ・ジャッキ・スクリュへのアクセス・ドアであると同時に、

非与圧区域である後部圧力隔壁より後方の後部胴体内が

何らかの原因(*1)で加圧され、

一定の圧力に達すると開いて加圧空気を機外に放出し、

構造部材の破壊を防ぐ機能も有している。

(*1)加圧の原因としては、APU高圧空気ダクト及び後部圧力隔壁の破損等が考えられる。
---------------------------------------------------------------------------------
(引用O、以上)


前回は、これと同じ「引用N」に基づき、「APU高圧空気ダクトの破損」に関して述べました。

今回は、「後部圧力隔壁」が破損する原因について、述べます。


(分析O)(トリック12)

事故調は、「修理ミス」により、飛行中に「後部圧力隔壁」が破損した、と主張しています。

換言すれば、「後部圧力隔壁の破損」は、「修理ミス」以外に、あり得ないかのように、主張しています。

実際には、これ以外にも、いろいろ原因は考えられます。

(原因例1) 設計不良、製造不良による破損
(原因例2) 「修理ミス」以外の整備不良による破損
(原因例3) 後部トイレ火災の拡大延焼などによる破損
(原因例4) テロ、ハイジャックなどの爆破による破損
(原因例5) 航空会社や社会全体に対する恨みによる爆破による破損
(原因例6) 乗客の不当行為による破損
(原因例7) 他機との接触や衝突などの外力による破損
(原因例8) 異常に激しい乱気流などの外力による破損
(原因例9) その他による破損


(原因例1~2) 「設計、製造不良、「修理ミス」以外の整備不良」、これは説明の必要はないと思います。

(原因例3) 
「後部トイレ火災の拡大延焼」が、必ず「後部圧力隔壁の破損」を引き起こすわけではありませんが、理屈の上での可能性はあり得ます。

(原因例4) 「テロ、ハイジャックなどの爆破」では、意図的に爆破する場合と、誤って爆破してしまう場合の両方があります。

(原因例5)
「航空会社や社会全体に対する恨みによる爆破」は、ハイジャック対策などで空港警備が行われており、一個人レベルでは、実行が難しいかもしれません。
しかし、あくまでも理屈上の可能性としては、考慮する必要があります。
一方、組織的な犯行ならば、あり得ると言えます。

(原因例6) 「乗客の不当行為」の典型例は、第3回目の記事で述べた、乗客が密かに持ち込んだ手榴弾(しゅりゅうだん)が爆発して、「後部圧力隔壁」を破壊した事例です。

『JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(3)』
2016年02月01日
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/02/01/8006969

これ以外にも、保険金目的、自殺目的などで、意識的に爆破させる可能性も考えられます。
ただし、「原因例5」 同様、個人レベルでは実行困難かもしれませんが。

(原因例7) 「他機との接触や衝突」をしてしまったら、墜落するので、「後部圧力隔壁」を破損するも、しないも関係ないと、思われるかもしれません。
確かに、「墜落したら」その通りです。
しかし、必ず墜落すると、決まっているわけではありません。
機体が損傷しながらも、緊急着陸出来ても、ちっとも不思議ではありません。
どちらに転ぶかは、その時の状況次第です。

(原因例8) 「異常に激しい乱気流などの外力」を受けた場合、激しく機体がゆれて、搭乗者は大騒ぎになります。
やがて、機体のゆれが治まれば、結果的に「何事もなかったかのように」飛行を続けられます。
場合によっては、負傷者が生じることもありますが。

一方、設計上の耐荷重を超える、もっと強烈な乱気流などによる外力の場合は、機体が損傷する可能性もあります。
例えば、積乱雲の中には、「絶対に入ってはいけない」と言われています。
この中は、台風よりもすさまじい乱気流(上昇気流と下降気流)が渦巻いています。
外側から見ると「もくもくと、わき上がるような感じ」の形になっているのは、そのためだろうと思います。
大型のジャンボ機でさえも、激しく振り回され、最悪の場合、空中分解する恐れがあります。

(原因例9) 「その他」は、何が当てはまるか、素人なので分かりません。念のため記しました。

----------

このように、事故調の主張する「修理ミス」以外に、いろいろと可能性があります。

これを踏まえて考えると、おのずから明らかです。

第15回目、および第16回目の記事で述べたように、世界中すべてのボーイング747型機を飛行停止して、「プレッシャ・リリーフ・ドア」の緊急改修を直ちに行う必要があります。

『JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(15)』
2016年06月18日
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/06/18/8114558


『JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(16)』
2016年07月30日
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/07/30/8142253


念のため、あらためて、以下を引用します。

『航空事故調査報告書』第1冊目、106ページ(運輸省航空事故調査委員会)
(読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています)。

(引用P)
---------------------------------------------------------------------------------
(1) プレッシャ・リリーフ・ドア

(中略)

このドアが開口したとしても、

その開口面積は後部圧力隔壁推定開口部からの流出空気を機外に放出するに十分な面積ではなく、

尾部胴体内の圧力は急激に上昇したと推定される。
---------------------------------------------------------------------------------
(引用P、以上)


この「引用P」で、下3行目~下2行目を見て下さい。
---------------------------------------------------------------------------------
このドアが開口したとしても、

その開口面積は

後部圧力隔壁推定開口部からの流出空気を

機外に放出するに十分な面積ではなく、
---------------------------------------------------------------------------------

このように、事故調が言明しています。

「後部圧力隔壁が壊れて」急減圧流が生じ、「プレッシャ・リリーフ・ドア」が開いても、その開口面積が不足しており、急減圧流を機外に放出しきれない。
(結果的に、機体に致命的な破壊が生じる)。

このように、事故調が言明しているのです。

ところが、「修理ミス」以外にも、飛行中に「後部圧力隔壁が壊れる可能性」が、上述のように、いろいろあります。

したがって、事故調の「言明」に基づけば、なおさら、直ちに、世界中すべてのボーイング747型機を飛行停止して、「プレッシャ・リリーフ・ドア」の緊急改修を行う必要があるのは、当然です。

ところが、第15回目で述べたように、実際には行っていません。


(分析O、に対する結論)(トリック12、に対する結論)


(1)事故調は、「修理ミス」以外に、「後部圧力隔壁」が壊れる原因が存在しないかのように見せかけた。

(2)本来ならば、世界中すべてのボーイング747型機の、「プレッシャ・リリーフ・ドア」を直ちに緊急改修する必要がある。

(3)これを行っていないのは、その必要がないため。

(4)それはとりもなおさず、「急減圧流が存在しない」ため。

(5)事故調は、急減圧流が存在しないと「認識している」。

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<長文のため、第18回目に続きます>


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JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(16)2016年07月30日

[カテゴリ: JAL123便>事故報告書]

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(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>

「なくても良い」と判断しました。

同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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※ 第15回目の記事から、続きます。
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/06/18/8114558


大変お待たせして、申し訳ありませんでした。
やっと、第16回目の記事が出来ました。
時間が空きすぎて、自分自身、書くべき内容を忘れてしまいそうです(笑)。


※ 前回は、文章を途中で切り上げたので、当記事で、「第15回目の記事」をそのまま再掲しておきます。

----------

[第15回目の記事(再掲)]

前回(第14回目)と同様に、日本航空123便墜落に関し、以下を引用します。

『航空事故調査報告書』第1冊目、106ページ(運輸省航空事故調査委員会)
(読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています)。

(引用M)
---------------------------------------------------------------------------------
(1) プレッシャ・リリーフ・ドア

このドアは墜落現場付近で発見された。

事故初期においてこのドアが開いたかどうかを知るための分解調査、試験等を行ったが、これを明らかにすることはできなかった(2.15.5参照)(注1)

しかし、このドアは差圧 1.0~1.5 psi で開口するように設計されており、

またドアの損壊状態からも開口した可能性が高いと推定される。

このドアが開口したとしても、

その開口面積は後部圧力隔壁推定開口部からの流出空気を機外に放出するに十分な面積ではなく、

尾部胴体内の圧力は急激に上昇したと推定される。
---------------------------------------------------------------------------------
(引用M、以上)

※ 「引用L」は、前回の記事同様、番号の順序を合わせるため、「使用せず欠番」とします。

(注1)「2.15.5参照」は、「2.16.5参照」の誤りです。「2.15.5」の項番は存在しません。


(分析M)(トリック11)

「引用M」で、下から3行分を見て下さい。

(引用M-1)
---------------------------------------------------------------------------------
このドアが開口したとしても、

その開口面積は

後部圧力隔壁 推定開口部からの流出空気を機外に放出するに十分な面積ではなく、

尾部胴体内の圧力は急激に上昇したと推定される。
---------------------------------------------------------------------------------
(引用M-1、以上)

※「後部圧力隔壁 推定開口部」とは、事故調が主張する「修理ミス」が原因で、飛行中に「後部圧力隔壁」が壊れて生じた「開口部」のことです。

※「後部圧力隔壁 推定開口部からの流出空気」とは、一連の当記事で述べている「急減圧流」のことです。

※「機外に放出するに十分な面積ではなく」とは、このドア(プレッシャ・リリーフ・ドア)では、開口面積が小さくて、「急減圧流」を機体の外に放出しきれない、ことを意味します。

※「尾部胴体内の圧力は急激に上昇した」とは、この強い圧力によって、「垂直尾翼」や、「APU(補助動力装置)(注2)」などを、短時間で吹き飛ばした、ことを意味します。

----------

(注2)「APU(補助動力装置)」については、下記、第2回目の記事で、図6を参照して下さい。

『JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(2)』
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/01/26/8001429

----------

事故調査報告書で、「引用M-1」の記述が、もし事実ならば、「大変な事態」が生じます。

日本航空が所有する、すべてのボーイング747型機はもとより、世界中すべてのボーイング747型機を「ただちに飛行停止」しなければなりません。

なぜならば、「プレッシャ・リリーフ・ドア」を、ただちに「緊急改修する」必要があるからです。

「プレッシャ・リリーフ・ドア」が開口しても、「開口面積が不足」しており、123便同様に、垂直尾翼やAPU(補助動力装置)が吹き飛び、油圧系統が4系統ともだめになり、操縦不能で、最終的には「墜落」する危険性があるからです。

123便の機体に限らず、世界中すべてのボーイング747型機について、これが当てはまります。

----------

冷静に、客観的に、良く考えてみて下さい。

「プレッシャ・リリーフ・ドアの開口面積が不足」しているのは、墜落した日本航空123便が使用していた「ボーイング747SR-100型機(国籍・登録記号 JA8119号機)」、これ1機だけではありません。

同じ構造をしている、「世界中のボーイング747型機」すべてが、「開口面積が不足」していることになるのです。

もし仮に、墜落した、日本航空123便の「ボーイング747型機」これ1機だけが、「開口面積不足」ならば、他の機体は開口面積不足ではないので、「緊急改修」は不要です。

しかし、そのようなことは、当然ながら「あり得ません」。

「ボーイング747型機」全機が、123便の機体と同じに、「開口面積が不足」していることになります。

これらすべての機体でも、123便同様に、「プレッシャ・リリーフ・ドア」の開口面積不足で、最後は、墜落する危険性がある、ことになります。

それならば、「全機緊急改修」するのは当然です。

----------

「緊急改修」とは、言うまでもなく、「プレッシャ・リリーフ・ドア」の開口面積を、必要な大きさに「拡大」することです。

その方法は、少なくとも2種類あります。
(方法1)「プレッシャ・リリーフ・ドア」を、新たに「追加(一つ、または二つ以上)」する。
(方法2)既存ドアの、面積自体を増やすように、ドアを大きくする。

実際に、このような「緊急改修」を行ったのか?

少なくとも、素人に過ぎない私は、「緊急改修」を行ったという「ニュース」に、まったく触れていません。

新聞、テレビ、航空雑誌、インターネット情報、等々、いずれでも、このようなニュースを、まったく見かけていません。

その限りにおいて、「緊急改修」は存在していないと、解釈せざるを得ません。

-----------------------------------

「第15回目の記事(再掲)」は、以上です。

-----------------------------------

これ以降の文章が、「本来の第16回目記事」です。


ただし、第15回目の記事と、密接な関係があるのは、言うまでもありません。

-----------------------------------

墜落した日本航空123便の機体以外は、そもそも「緊急改修の必要がない」と、思うかもしれません。

なぜならば、これ以外の機体では、「後部圧力隔壁に、事故調の主張する『修理ミス』が存在しない」からです。

ところが、そうではありません。
「修理ミス」がある、ない、の問題ではありません。

事故調が主張する、「『修理ミス』により、圧力隔壁が破壊され、急減圧流が生じた」場合、以外にも、急減圧流に相当する「強く激しい空気流」が生じる可能性があります。

その一つは、事故調自身が、事故調査報告書の中で、はっきり認めています。

『航空事故調査報告書』第1冊目、60ページ(運輸省航空事故調査委員会)を引用します。
(読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています)。

(引用N)
---------------------------------------------------------------------------------
2.16.5 スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドアに関する調査

(1) スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドア
(以下「プレッシャ・リリーフ・ドア」という。)は、

後部胴体内のスタビライザ・ジャッキ・スクリュへのアクセス・ドアであると同時に、

非与圧区域である後部圧力隔壁より後方の後部胴体内が

何らかの原因(*1)で加圧され、

一定の圧力に達すると開いて加圧空気を機外に放出し、

構造部材の破壊を防ぐ機能も有している。

(*1)加圧の原因としては、APU高圧空気ダクト及び後部圧力隔壁の破損等が考えられる。
---------------------------------------------------------------------------------
(引用N、以上)


※ 引用Nの主要部を要約すると、次の通りです。

(引用N主要部の要約)
-----------------
「後部圧力隔壁より後方の胴体内」が、通常よりも高い異常な圧力(*1)になると、「プレッシャ・リリーフ・ドア」が開き、この圧力を、機外に放出する。

その結果、機体の破壊を防ぐことが出来る。

(*1)「異常な圧力」の原因として、「APU高圧空気ダクトの破損」 「後部圧力隔壁の破損」などがある。
-----------------
(引用N主要部の要約、以上)



この「引用N主要部の要約」で、最後の行、(*1)「異常な圧力」の原因として、「APU高圧空気ダクトの破損」 「後部圧力隔壁の破損」などがある、に着目して下さい。

「後部圧力隔壁の破損」だけではなく、「APU高圧空気ダクトの破損」も、「異常な圧力」の原因になる、と言明しています。

----------

<参考>

※「APU高圧空気ダクト」とは、APUで作り出した「高圧の空気」を、主翼にある4発のエンジンに供給するためのダクトです。

この高圧空気を、エンジンに送り込み、エンジン内の圧縮機のブレード(回転翼)を回転させ、燃料を噴射し、点火して、エンジンを始動します。
エンジンが始動すれば、高圧空気の供給は停止します。

ただし、エンジン正面の空気取り入れ口から、高圧空気を送り込むわけではありません。
エンジンの補助装置として、始動用の「小型空気タービン」を高圧空気で回転させ、その動きを歯車でエンジンの回転軸に伝えます。

圧縮機のブレード(回転翼)は、この回転軸に取り付けてあります。

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正確を期するために、要約文ではなく、「引用Nの該当部分」を再度掲示します。

(引用Nの該当部分)
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(*1)加圧の原因としては、APU高圧空気ダクト及び後部圧力隔壁の破損等が考えられる。
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(引用Nの該当部分、以上)


(分析N)(トリック11)

「引用Nの該当部分」を見ても、事故調は、「APU高圧空気ダクト」の破損も、加圧の原因となり得ると、言明しています。

「後部圧力隔壁」が修理ミスで破壊される、されないとは無関係に、「APU高圧空気ダクト」の破損によっても、加圧される、つまり、「プレッシャ・リリーフ・ドア」が開く、と事故調が、みずから言明しています。

「後部圧力隔壁」に修理ミスがなく、「後部圧力隔壁」が壊れなくても、「APU高圧空気ダクト」が破損すれば、「強い圧力が発生し」、その結果、「プレッシャ・リリーフ・ドア」が開く、と事故調が、言明しているのです。

123便に使用した機体だけではなく、「世界中すべてのボーイング747型機」において、「APU高圧空気ダクト」が破損する可能性があるのは、言うまでもありません。

あくまでも、「理屈の上の可能性」です。
今すぐ、実際に破損する危険性を、抱えているという意味ではありません。

ただし、「理屈の上の可能性」であっても、可能性があるのは、明らかです。
それは、決して「否定できません」。

したがって、本来ならば、「世界中すべてのボーイング747型機」を、直ちに飛行停止し、「プレッシャ・リリーフ・ドアを緊急改修」しなければなりません。

ところが、上述のように、実際には、まったく行っていません。
事故調自身が、「行う必要がない」と、はっきり分かっているからです。


(分析M、N、に対する結論)(トリック11、に対する結論)

(1)一連の当記事で述べたように、事故調の主張する「急減圧流」は、そもそも存在しません。

(2)当然、「プレッシャ・リリーフ・ドア」は、開いていません。

(3)ところが、「急減圧流」が存在するならば、事実上、必ず「プレッシャ・リリーフ・ドア」は開きます。

(4)これらの矛盾を「ごまかすため」、「プレッシャ・リリーフ・ドア」が閉じているにもかかわらず、開いたことにして、「開口面積不足」で、圧力を逃がしきれず、垂直尾翼やAPUの破壊(脱落)を招いた、との「ウソ発言」をせざるを得なくなりました。

(5)事故調は、「急減圧流は存在しない」と、認識しているのは明らかです。

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<長文のため、第17回目に続きます>


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