JAL123-事故調査報告書「ボイス・レコーダ記録」を見ると、「急減圧流は存在しない」と解釈できる(1) ― 2017年11月22日
「日本航空123便ジャンボ機」 が、昭和60年(1985年)8月12日に、いわゆる 「御巣鷹山 《おすたかやま》 」 に墜落し、『運輸省・航空事故調査委員会』(当時)が、『航空事故調査報告書』 を作成しました。
「日本航空123便墜落」 に関する 『航空事故調査報告書』は、2分冊から成っています。
これは非常に珍しいことです。
通常は、1冊だけで構成しています。
小規模な事故だと、「複数件の事故報告書」 をまとめて1冊にしてあります。
第1冊目の最後、309ページから343ページに、『別添6 CVR記録』 があります。
これが、いわゆる 「ボイス・レコーダ記録」 です。
「CVR」 とは、「コックピット・ボイス・レコーダ」 のことです。
「操縦室 音声 記録装置」 です。
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『航空事故調査報告書』 は、ダウンロードできます。
『 11. PDF(5.1MB) 310頁~386頁
別添5(残り)~別添6』
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/62-2-JA8119-11.pdf
『別添6 CVR記録』 は、この 「PDFファイル」 のページ表示で、「43ページから、最後の77ページまで」 です。
このファイルに 「たどり着く方法」 は、以下の通りです。
(1) 運輸安全委員会トップページ > 航空 > 報告書検索 > 報告書検索結果 > 概要
『◎ 概要』
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=500
▲ このページ中で、「報告書(PDF) 公表」 をクリック。
(2) 『62-2 JA8119
日本航空株式会社所属
ボーイング式747SR-100型JA8119
群馬県多野郡上野村山中
昭和60年8月12日』
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-acci/62-2-JA8119.pdf
▲ このページ中で、「ファイル一覧へ」 をクリック。
※ 「JA8119」 は、機体を識別(特定)するための 「国籍記号、および、登録記号」 です。
「JA」 が国籍記号、「8119」 が登録記号です。
いずれの航空機にも、胴体後部の両側面など、機体表面に必ず表示してあります。
(いわば、自動車のナンバーに相当します)。
(航空機メーカーが自社で定める、「機体の製造番号」 とは異なります)。
(JA8119号機の場合、製造番号:第20783号)。
(3) 『5.
62-2-JA8119
日本航空(株)所属 ボーイング 747SR-100型 JA8119 群馬県多野郡上野村』
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/bunkatsu.html#5
▲ このページ中で、前述の 「 11. PDF(5.1MB) 310頁~386頁 別添5(残り)~別添6」 をクリック。
※ ご覧の通り、非常に手間が、かかります(笑)。
※ そのため、「運輸安全委員会のホームページ画面上」 で直接見るのではなく、このファイルをダウンロードし、ご自分のパソコンなどに保存して、「A4版の用紙(横向き)に印刷して」 読むのが、相対的な意味で、一番簡単で確実です。
※ 原本の『航空事故調査報告書』 自体の印刷が、不鮮明です。
そのため、ダウンロードしたファイルは、それ以上に画質が不鮮明です。
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原本の『航空事故調査報告書』 を閲覧できます。
『航空図書館-日本航空協会』
http://www.aero.or.jp/koku_tosyokan/koku_toshokan.html
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入館手続 閲覧は無料公開制です。
入館する際カウンターで入館票に氏名・連絡先等を記入していただきます。
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このように、誰でも自由に入館、閲覧できます。
(東京都・港区新橋)
入館票の記入内容は、非常に簡単です。
コピーも自由です(有料)。
(著作権法に違反しない範囲で)。
一般図書は 「館外貸し出し」 も行っていますが、123便に限らず「事故調査報告書」 は館内での閲覧限定です。
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ここから本題です。
以前、『航空事故調査報告書』 で、「プレッシャー・リリーフ・ドア」に関する論述に基づき、「航空事故調査委員会(事故調)」 が、急減圧流の存在を知っているからこそ、それを意識的に隠していると、述べました。
(既存の記事)
『JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(1)~(19)』
2016年01月19日
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/01/19/7996032
同じこの報告書で、前述した 『別添6 CVR記録』 を見ても、やはり、「急減圧流は存在しない」 と解釈せざるを得ません。
「存在しない急減圧流を、存在した」 と思わせるための 「トリック」 をいろいろ設けているように、思えてなりません。
複数回にわたって、当記事で、この問題を探究して行きます。
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インターネットを見ると、「このCVR記録は、改竄 《かいざん》 されており、内容を検討する価値がまったくない」 との説もあります。
確かに、「改竄されている」 のは明らかと言えます。
しかし、この記録すべてが、改竄されているとは思えません。
改竄するには、それ相応の手間が必要です。
場合によっては、それなりの費用もかかるかもしれません。
事故調にとって、必要な部分は、いくらでも改竄すると思います。
一方、改竄の必要がないところは、行わないと思います。
したがって、当記事としては、「このCVR記録を原点(出発点)として」、このCVR記録を用いて、問題点の探究を行います。
この方法が、本当に正しいのか、そうではないのか、厳密には分かりません。
だからこそ、自分なりに、適切と思える方法で行うしかありません。
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「ボイス・レコーダ装置、および、操縦室の音声システム」について、第2回目以降、どこかの時点で、「図を交えて説明する」 予定です。
念のため、お知らせしておきます。
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(問題点A) 「客室乗務員の音声」 が、ある場合と、ない場合が存在する。
「客室乗務員と操縦室との通話」は、CVR記録によれば、2回行われています。
ただし、第2回目は、細かく見ると、「3回、あるいは4回、断続的に通話している」 と、解釈できます。
(図1) CVR記録311ページ(拡大図付)
(出典:『航空事故調査報告書』 第1分冊を引用、追記)
(F/E) 航空機関士(フライト・エンジニア)。
(STW) 客室乗務員(スチュワーデス)。
「図1」 は、第1回目の通話です。
これを見ると、「客室乗務員が、航空機関士、および、副操縦士の2名と通話している」 と分かります。
一方、次の 「図2」 では、「客室乗務員は、航空機関士の1名だけと通話」 しています。
それ自体は、問題ありません。
問題なのは、第1回目では、「客室乗務員の音声も録音されて」 います。
ところが、第2回目では、「客室乗務員の音声は録音されていません」。
これも、一見、問題ないように見えます。
操縦室内にある 「音声システム」 の操作の違いにより、この差が生じるからです。
だからこそ、「それを口実に」 利用して、第2回目の通話では、わざと「客室乗務員の音声は録音されていない」 ように見せかけた、可能性があり得ます。
第1回目の通話内容は、「乗客がトイレに行きたいと言っているが、差し支えないか?」 という客室乗務員からの問合せだと言われています。
通常ならば、そのような問合せを、客室乗務員がわざわざ行いません。
そもそも、乗客自体が、そのような問合せを、客室乗務員に行いません。
この時は、「シートベルト着用サインが出ていた可能性」 があります。
(これが、大きな留意点だとの説もあります)。
それはともかくとして、トイレの件ならば、「客室乗務員の音声が録音されていても」 事故調にとって何も不都合がないので、「客室乗務員の音声も、CVR記録に収録した」 と解釈できます。
一方、第2回目の通話で、「客室乗務員の音声が存在しない」 のは、事故調にとって、「存在しては都合が悪い」 からだと解釈できます。
「客室乗務員」 は、「急減圧流が発生したと、一言も発言していない可能性」 があります。
もしそうならば、「客室乗務員の音声」 を何としても、隠す必要があります。
隠さなければ、「急減圧流が存在しなかった」 と、バレてしまいます。
この点について、今後(第2回目以降)の記事で、詳しく述べて行きます。
(図2) CVR記録317ページ(拡大図付)
(出典:『航空事故調査報告書』 第1分冊を引用、追記)
「図2」 で、「緑色の枠」 部分は、「航空機関士が、客室乗務員に対して話したのか、それとも操縦室内(機長・副操縦士)に向かって話したのか」、判然としません。
そのため、「赤枠」 とは異なる、「緑色の枠」 で表示しました。
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だいぶ更新が遅れたので、少しでも更新の日時を早くするため、「意識的に、話を短く切り上げ」 ました。
ご了承願います。
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以下、長文のため、第2回目に続きます。
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当記事(第1回目)の先頭に戻る >>
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/11/22/8732511
第2回目に進む >>
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/12/02/8739015
JAL123-CVR記録「オールエンジン」に対する諸説について ― 2015年12月23日
<当記事の要点>
・ボイス・レコーダー記録で、航空機関士の「オールエンジン」発言に関して述べる。
・「オールエンジン」を「オレンジや」と解釈するのは、前後の流れに合わず不自然。
・二者択一ならば、「ボディギア」の可能性が極めて高い。
・ただし、事故調査報告書の「CVR記録の内容がすべて正しい」とは断言できない。
・事故調が内容を大幅に「改ざん」したならば、「オレンジや」説が成立する可能性も、ないとは言えない。
・日本の航空事故調査機関は今まで、再三、「ウソ報告書」をでっち上げてきた。
・いずれ、この問題も述べる予定。ただし、いつになるかは完全に未定。
<記事本文>
日本航空123便墜落の事故調査報告書に、「CVR(コクピット・ボイス・レコーダー)記録」があります。
その中で、18時24分48秒、および同55秒に、航空機関士が、「オールエンジン・・・」と発言したことになっています。
同時に、「オールエンジン」の部分は判読不確実、「・・・」の部分は判読不能と明記してあります。
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真相を探究する人たちが、この部分について、いろいろ主張しているのは、多くの人々が知っているかと思います。
その中で、「ボディギア」説と、「オレンジや」説が、主要な説に見えます。
私自身が、自分で聴いた範囲では、「ボランギア」と聞こえます。
一方、「オレンジや」と思って聴くと、そのようにも聞こえます。
しかしながら、「オレンジや」では、前後の話の流れにまったく合いません。
「ボディギア」と「オレンジや」の二者択一だけで考えるならば、「ボディギア」の可能性が、非常に高いと言えます。
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「オレンジや」説が成立しないと思える理由。
事故報告書の「CVR記録」を見る限りでは、以下のようになっています(「判読不確実」部分の表示は省略)。
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CAP=機長
COP=副操縦士
F/E=航空機関士
18時24分38秒 (? )・・・
同 39秒 (CAP)なんか爆発したぞ
同 42秒 (CAP)スコーク77
同 43秒 (COP)ギアドア (CAP)ギアみて ギア
同 44秒 (F/E)えっ (CAP)ギアみてギア
同 46秒 (CAP)エンジン?
同 47秒 (COP)スコーク77
同 48秒 (F/E)オールエンジン(注・1回目の発言)
同 51秒 (COP)これみてくださいよ
同 53秒 (F/E)えっ
同 55秒 (F/E)オールエンジン(注・2回目の発言)
同 57秒 (COP)ハイドロプレッシャみませんか?
同 59秒 (CAP)なんか爆発したよ
18時25分04秒 (F/E)ギア ファイブオフ
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※機長=キャプテン
※副操縦士=コ・パイロット
※航空機関士=フライト・エンジニア
※「ギア」とは、着陸脚のことです。
※「ギアドア」とは、着陸脚を収納した時、収納部をふさぐためのドアのことです。
※「ハイドロプレッシャ」とは、油圧装置(油圧系統)を動かすための「作動油の圧力」のことです。
機長が、「なんか爆発したぞ」発言に次いで、「ギアみて ギア」と指示しています。
これは、副操縦士と航空機関士どちらに対して指示したのか、素人なので分りませんが、その直後に、航空機関士が「えっ」と聞き返していること、また、機長が何のために「ギアみて ギア」と指示しているかを考えると、おそらく「航空機関士に対する指示」と思います。
航空機関士に対する指示ならば、航空機関士は、「操縦室の前面にある操縦装置や計器盤」か、自席にある「航空機関士の操作盤」を見る必要があります。
1回目の発言で、もし、航空機関士が「オレンジや」と発言したならば、窓の外を見ていることになります。
「窓の外」にある「何らかの飛行物体」が「オレンジ色だ」と発言したことになります。
「オレンジや」説を唱える人たちは、要するに、このように考えているはずです。
上記のように、機長が、航空機関士に対し、「ギアに関する、計器類を見ろ」と指示しているにもかかわらず、それを無視して、窓の外を見て、飛行物体が「オレンジ色だ」と答えるのは、あまりにも不自然です。
答えになっていません。
このような観点からすると、「オレンジや」と聞こえても、それは実情に合わない解釈(聴き取り方)と、言わざるを得ません。
だからこそ、機長も副操縦士も「オレンジ色」に関して、何も反応していないわけです。
2回目の発言でも、それは同じです。
それどころか、副操縦士が「ハイドロプレッシャみませんか?(油圧がどうなっているか調べて下さい)」と、航空機関士に対して、うながしています。
油圧に関する計器や操作スイッチなどは、航空機関士席の操作盤にあります。
パイロット席正面の計器盤にも油圧に関する計器がありますが、それは最小限の数しかありません。
油圧系統を操作するのは、航空機関士の仕事だからです。
2回目の発言の後、航空機関士自身が、「ギア ファイブオフ」と答えています。
「5本のギア(着陸脚)いずれも、異常なし」と返事をしているものと思います。
これから見ても、航空機関士自身、窓の外を見る無意味な行動をすることなく、「本来の任務を遂行している」と解釈できます。
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ただし、事故調査報告書の「CVR記録が正しい」とは断言できません。
どこに、どんな「虚偽」があっても不思議ではありません。
日本の航空事故調査機関は、今までにも、何度となく「ウソ報告書をでっち上げる」素晴らしい実績を誇(ほこ)っています。
あくまでも極論ですが、航空機関士が本当に「オレンジや」と発言し、それ以外の前後の部分が「すべて事故調による捏造(ねつぞう)」の可能性も、絶対にないとは言い切れません。
事故調査報告書の「CVR記録は、(判読不確実の部分を除けば)すべてが正しい」と頭から決めつけることは、避ける必要があります。
「正しくても不思議ではない。一方、『改ざん』していても不思議ではない」と、常に念頭に置きながら読む必要があります。
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上記の、航空事故調査機関の「ウソ報告書でっち上げ」に関して、いずれは述べる予定ですが、いつになるか、現時点ではまったく未定です。
かなりの件数があります。
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