【続編】 日本政府やマスコミによる「不当な、すり替え表現」が、いろいろあります(続編1) ― 2020年08月01日
このたび、2回の連続で、「以下の記事」 を掲げました。
(A: 連載の記事)
『日本政府やマスコミによる「不当な、すり替え表現」が、いろいろあります(1)(2・最終回)』
2020年07月18日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/07/18/9269442
2020年07月25日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/07/25/9271711
これらの記事で、2件ほど、補足することにしました。
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(B: 第1回目の記事)
『日本政府やマスコミによる「不当な、すり替え表現」が、いろいろあります(1)』
2020年07月18日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/07/18/9269442
「14-A ~ C」 で、「真珠湾 ・ 奇襲攻撃」 は、「奇襲ではない」 と述べました。
>日本が、「米国に負けてあげるため」 に、意識的に始めた戦争です。
とも述べました。
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以下の 「図書」 を見ると、それが、はっきりと浮かび上がってきます。
(明確な証拠ではありません)。
(逆の意味での、状況証拠と言えます)。
(C: 図書)
奥菜秀次 ・ 著 『陰謀論の罠 「9.11テロ自作自演」 説はこうして捏造された』 (光文社)
同書の著者は、「9.11テロ事件の陰謀説に対する、否定論者」 です。
同書のずっと後に、「真珠湾 ・ 奇襲攻撃」 についても触れています。
その一部を引用します。
(C-1: 引用) 208 ~ 215ページ
※ 「原文にはない改行」 を加えています。
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Column
真珠湾の証言:
前田武氏インタビュー
本論からはややそれるが、ここに、筆者が前田武氏をインタビューした内容を、要約して掲載する。
(中略)
では、まず前田武氏の経歴を簡単にまとめて紹介する。
前田氏は1921年生まれ。
1941年9月に、空母 「加賀」 搭乗員となり、12月の真珠湾攻撃に参加した。
(中略)
■ なぜ第3次攻撃は中止に?
通常、歴史家の間では、真珠湾攻撃の第1波 (第1陣) 攻撃と、その後に発進した第2波 (第2陣) 攻撃を総称して ”第1次攻撃” と呼んでいる。
しかし、前田氏ら実働部隊員の間では第1波攻撃を ”第1次攻撃”、第2波攻撃を ”第2次攻撃” と呼んでおり、われわれの言う ”第2次攻撃” を ”第3次攻撃” と呼んでいた。
ここでは前田氏の発言通り、 ”第3次攻撃” と呼ぶことにする。
奥菜: 歴史をふり返ると、なぜ、第3次攻撃をしなかったのかということが、大きな疑問とされていますが?
前田: 第3次攻撃中止の知らせを聞いたときは、「こんなバカな話があるか」 と思いました。
(中略)
あのとき、真珠湾の石油タンクとドッグを破壊していれば、歴史は変わりました。
攻撃後、アメリカ側が真珠湾に備蓄してあった石油の総量を450万バレルと発表したのを聞き、日本側の予想より多かったのには驚かされました。
攻撃には15から16機、25機もあれば十分でした。
真珠湾の石油タンクは密接してつくってあり、容易に攻撃できました。
ドッグを250キロ爆弾で攻撃していたら、ハワイ基地自体が半年間は使用できなくなっていたでしょう。
そうすれば、アメリカの防衛ラインは大幅に後退し、ミッドウェーの敗北どころか、海戦自体がなかったでしょう。
(真珠湾) 攻撃で大破した艦船をドッグで修理できないし、艦船や飛行機を動かす燃料もないのですから。
戦後私は、アメリカ側の人たちから ”どうして日本は第3次攻撃をしなかったのか?” と幾度も質問されました。
彼らも再攻撃はあるものと思っていたのです。
(中略)
前田: (中略) 参議院選挙に出ていた源田実さんに会い、第3次攻撃なしの決定の理由の説明を求めたとき、彼はひたすら沈黙するだけでした。
源田さんが優れた航空参謀だというのは創作ですよ。
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(C-1: 引用。以上)
(注) この 「C: 図書 (光文社ペーパーバックス) 」 は、非常に 「くせのある作り」 をしています。
その一つが、文中で 「著者が、重要と思える単語や、言い回し」 には、必ず、そのすぐ後に 「英語」 を併記しています。
例えば、
◎ …… 要約 summarize して掲載する。
◎ …… 貴重な証言 valuable evidence なのでお許し願いたい。
◎ …… 真珠湾攻撃 attack on Pearl Harbor に参加した。
などです。
これは、「光文社ペーパーバックス」 全体に共通した方式と、同書が明示しています。
上記 「C-1: 引用文中」 にも、この併記表現があり、非常に読みづらいので、やむなく 「英語の部分」 は、省略しました。
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この 「C-1: 引用」 を見れば、「真珠湾 ・ 奇襲攻撃」 は、「米国に負けてあげるため」 に行ったと、明らかに分かります。
「C-1: 引用」 の一部を、再引用します。
(C-2: 引用)
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あのとき、真珠湾の石油タンクとドッグを破壊していれば、歴史は変わりました。
(中略)
真珠湾の石油タンクは密接してつくってあり、容易に攻撃できました。
ドッグを250キロ爆弾で攻撃していたら、ハワイ基地自体が半年間は使用できなくなっていたでしょう。
そうすれば、アメリカの防衛ラインは大幅に後退し、ミッドウェーの敗北どころか、海戦自体がなかったでしょう。
(真珠湾) 攻撃で大破した艦船をドッグで修理できないし、艦船や飛行機を動かす燃料もないのですから。
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(C-2: 引用。以上)
この 「C-2: 引用」 を見れば、逆に、「第3次攻撃をしたら、どうなっていたか?」 はっきり分かります。
米国海軍が、西太平洋の領域で、日本海軍と 「半年間、戦争できなくなって」 しまいます。
(極論すれば)。
「C-1: 引用」 の一部を、再度、引用します。
(C-3: 引用)
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前田: (中略) 参議院選挙に出ていた源田実さんに会い、第3次攻撃なしの決定の理由の説明を求めたとき、彼はひたすら沈黙するだけでした。
源田さんが優れた航空参謀だというのは創作ですよ。
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(C-3: 引用。以上)
「C-3: 引用」 を見ると、戦争当時、航空参謀の源田実氏も、「意図的に第3次攻撃を取りやめた理由」 を良く知っていると、分かります。
「良く知っている」 からこそ、沈黙し、「真相を、ひたすら隠す」 しか、方法がないわけです。
同氏を含め、海軍の上層部は、「初めから、密かに、第3次攻撃を行わない計画だった」 のは明らかです。
>源田さんが優れた航空参謀だというのは創作ですよ。
前田氏の受け止め方は、まったく逆です。
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当時の日本軍に限らず、「軍事攻撃」 には、大別して、少なくとも2種類あります。
(A) 戦術攻撃
(B) 戦略攻撃
上記、「C-1: 引用」 で見れば、前田氏の言う 「第1次攻撃、第2次攻撃」 が、(A) の 「戦術攻撃」 です。
そして、「第3次攻撃」 が、(B) の 「戦略攻撃」 に相当します。
米軍の、あまりにも有名な 「ボーイングB-29爆撃機」 が、日本全土の都市を爆撃 (空襲) したのも、「戦略攻撃 (戦略爆撃)」 です。
同じ軍事攻撃でも、「戦術攻撃と戦略攻撃」 では、意味が大きく異なります。
「(A) 戦術攻撃」 は、敵の軍用機、戦車、軍艦、前線基地など、「相手の軍事力を直接叩く」 ための攻撃です。
一方、「(B) 戦略攻撃」 は、敵国の首都や都市、工業地帯、鉄道網や港湾施設など、「軍事力そのものではなく、相手の国力を叩く」 ための攻撃です。
(結果的に (場合によっては、意図的に) 、非戦闘員 (一般市民) も、(多数が) 巻き込まれることになります)。
(必要ならば、司令部など、軍事力の主要部も攻撃対象になります)。
当然ながら、「(A) 戦術攻撃 / (B) 戦略攻撃」 は、二者択一ではなく、必要に応じて、それぞれ自由に選択し、自由に行います。
したがって、同一日に、別々の目標に対して、それぞれ、戦術攻撃と、戦略攻撃を、別々に行っても不思議ではありません。
日本軍の真珠湾攻撃が、その典型例と言えます。
日本軍や日本の国力からすれば、日本からはるか遠い場所にある、真珠湾を何回も攻撃する能力はありません。
一度で、決着をつけるしかありません。
そのため、軍事的に見れば、「第1次攻撃、第2次攻撃」 に引き続き、「第3次攻撃」 も行って当然と言えます。
「C-1: 引用」 の一部を、さらに引用します。
(C-4: 引用)
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戦後私は、アメリカ側の人たちから ”どうして日本は第3次攻撃をしなかったのか?” と幾度も質問されました。
彼らも再攻撃はあるものと思っていたのです。
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(C-4: 引用。以上)
まさに、「C-4: 引用」 の通りです。
この 「C-4: 引用」 で、「アメリカ側の人たち」 とは、この文面からすると、「真珠湾で、奇襲攻撃を受けて、日本軍と直接戦った軍人たち」 そのものと思えてなりません。
日本軍の 「真珠湾 ・ 奇襲攻撃」 は、強大な米国に対して、劣勢な日本が、「本気で戦いを挑んだように見せかけ、その実、米国に負けて差し上げるため」 に行った、完全な猿芝居 《さるしばい》 です。
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冒頭の、「C: 図書」 とは別に、「第3次攻撃」 を行わなかった理由を見ると、さらに明らかです。
真珠湾内に、停泊しているはずの 「米空母 (複数)」 が、まったく存在していませんでした。
そのため、日本の攻撃部隊は、「米空母 (複数)」 の現在位置を、まったく把握できませんでした。
これでは、いつ、どこから、「米空母の攻撃を受けるか分からない」 ので、危険を回避するため、「第3次攻撃」 を中止して、日本の攻撃部隊 (空母を中心とする艦隊) は、ハワイから撤退した、と言われています。
一見もっともらしいですが、これも、見え透いた猿芝居です。
「米空母の位置が分からないので、いつ、どこから、攻撃を受けるか分からない」 ならば、全艦が、それぞれ、360度全方位を、もちろん上空も含め、24時間、監視し続ければ、それですむことです。
同時に、複数の艦上偵察機を、全方位にわたって発進させ、米空母を索敵 《さくてき》 し続けるのも、言うまでもありません。
どこの国の軍隊も、「敵と戦う」 のが仕事です。
日本海軍に限らず、「敵空母の現在位置が分からず、いつ、どこから、攻撃を受けるか分からない」 ので、自分たちにとって必要な攻撃を取りやめ、「逃げ出して」 いたら、軍隊として成り立ちません。
それは、日本軍も 「百も承知」 です。
したがって、この時の司令官たちは 「腰抜けだ」 という、当時から現代まで続く批判は、まったく外れています。
「米国に負けるために、意図的に、事前の台本どおり、逃げ出して差し上げた」 のです。
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「宣戦布告が遅れた」 のも、日本側が、意識的に行った 「猿芝居」 です。
「奇襲攻撃」 なので、あまり早くから 「宣戦布告を行う」 わけに行きません。
かといって、「奇襲攻撃」 が始まってから行ったのでは、「汚い、ひきょうな不意打ち攻撃」 になってしまいます。
したがって、「奇襲攻撃」 の直前に、間違いなく、確実に 「宣戦布告を行う」 必要があります。
(理想的には、30分前ぐらいが、一番良いのではないかと思いますが)。
日本政府や、日本軍に、それが分からないはずがありません。
例えば、「鉄道のダイヤが、世界一正確だ」 というのが、日本人の国民性です。
日本政府や、日本軍も、同じ日本人です。
「奇襲攻撃」 の直前に、間違いなく、確実に 「宣戦布告を行う」 必要がある以上、「何が何でも、間違いなくこれを達成しなければいけない」 と、関係者全員が、この 「極度に厳しい時間制限」 を、徹底的に厳守しようとするのは、目に見えています。
このような観点からすれば、「日本政府や、日本軍にとって、宣戦布告が遅れるのは、本来ならば、絶対にあり得ない」 と言えます。
宣戦布告文が 「非常に長文だった」 のも、意識的に行ったのは、明らかです。
「何の理由があって、米国と戦争するのか」、それを、「宣戦布告文で、長々と説明する必要性」 は、まったくありません。
「宣戦布告文」 は、相手と戦争する意思を、その相手に対して 「開戦前に明確に伝える」 のが目的です。
まさに、「汚い、ひきょうな不意打ち」 になるのを、防ぐためです。
基本的には、「何年、何月、何日、貴国と戦争を開始する」、これさえ伝えれば、それで十分なはずです。
あくまでも単純に言えば、「B5判の用紙が1枚あれば、間に合う文章量」 です。
(かつて、日本では、A4判ではなく、B5判の用紙を使うのが、当たり前でした(笑))。
「宣戦布告文が極端に長い」 のも、それを理由の一つとして、「宣戦布告が遅れるように、意図的に仕向けた」 のは明らかです。
「宣戦布告が遅れるように、意図的に仕向けた」 のは、米国民を 「怒らせる」 のが目的です。
当時、米国では、第1次世界大戦に疲弊 《ひへい》 し、「他国の戦争に、自分たちは、もう加担したくない」 との強い思いがありました。
そのため、米国政府としては、日本と戦争するために、「米国民を意識的に怒らせる必要」 がありました。
「不意打ち攻撃を平然と行う、汚い、ひきょうなジャップをやっつけろ」 と、米国民を、一斉に怒らせるわけです。
(ご存じの通り、「ジャップ」 とは、日本人および日系人に対する、英語の蔑称 《べっしょう》 です)。
「911テロ事件」 の時と、姿形は異なっていても、パターンは同じです。
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蛇足ながら、もし仮に、日本が、米国に対して、どうしても 「開戦の理由を、詳しく伝えたい」 ならば、後日、速やかに 「開戦の詳細な理由書」 を作成し、米国に手渡せば、それで目的は達成できます。
「宣戦布告文」 の中に、「その詳細な理由」 を、極端な長文にしてまで、無理やり、盛り込む必要性、必然性は、まったくありません。
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「奇襲攻撃ではない、やらせ芝居」 の理由は、他にもありますが、切りがないので、ここまでとします。
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長文のため、「第2回目」 に続きます。
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当記事(第1回目)の先頭に戻る >>
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/08/01/9274319
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/08/07/9276316
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『日本政府やマスコミによる「不当な、すり替え表現」が、いろいろあります(1)』
2020年07月18日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/07/18/9269442
『日本政府やマスコミによる「不当な、すり替え表現」が、いろいろあります(2・最終回)』
2020年07月25日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/07/25/9271711
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