JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(7) ― 2016年03月01日
(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>
「なくても良い」と判断しました。
同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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※第6回目の記事から、続きます。
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/02/25/8028792
「航空事故調査報告書 第1冊目 P.61」で、次の部分を引用します。
(読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています)。
『2.16.5 スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドアに関する調査』
(引用D)
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(3) プレッシャ・リリーフ・ドアは、地上において開状態に固定するためのスティ・ブレース(連結棒)がプレッシャ・リリーフ・ドア側の取付部で破損し、スティ・ブレースと切り離されていた。
ヒンジ付近のプレッシャ・リリーフ・ドア外板の端に、プレッシャ・リリーフ・ドアが開方向へオーバ・スウィングしたことにより発生したものとみられる変形があった。
その他プレッシャ・リリーフ・ドアに損傷はなかった(写真-25~29参照)。
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(引用、以上)
図1 スティ・ブレース(連結棒)
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 写真-25 プレッシャ・リリーフ・ドア(地上で開状態)』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・抜粋編集)
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を 「二つのタブ」 で同時に開き、一方のタブを 「図の表示専用」 にすると、非常に便利です。
※「スティ・ブレース(連結棒)」は、図1に示す、棒状のものです。
※機首方向は、図の左側です。
(引用D-1)(引用Dで、2行目以降)
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ヒンジ付近のプレッシャ・リリーフ・ドア外板の端に、プレッシャ・リリーフ・ドアが開方向へオーバ・スウィングしたことにより発生したものとみられる変形があった。
その他プレッシャ・リリーフ・ドアに損傷はなかった(写真-25~29参照)。
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(引用、以上)
※「オーバ・スウィング」の意味が良く分りませんが、おそらく、ドアを「開き過ぎた」という意味ではないかと思います。
以下の図2、図3は、引用D-1で、事故調が主張する、「オーバ・スウィングしたことにより発生したものとみられる変形」を写した写真です。
図2 左側ドア・ヒンジ部、外板の変形
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 写真-28 プレッシャ・リリーフ・ドア左側ドア・ヒンジ部外板の変形』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・抜粋編集)
※図2で、写真下側の「太矢印」で指しているのが「変形部」です。
※図2で、「ヒンジ?(橙色文字)」で指しているのが、おそらく「ヒンジ」だと思います。
図3 右側ドア・ヒンジ部、外板の変形
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 写真-29 プレッシャ・リリーフ・ドア右側ドア・ヒンジ部外板の変形』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・抜粋編集)
※図3で、写真下側の「太矢印」で指しているのが「変形部」です。
※図3で、「ヒンジ?(橙色文字)」で指しているのが、おそらく「ヒンジ」だと思います。
※図2、図3は、いずれも、次の図4で、矢印の方向から見た写真だと思います。
図4 「プレッシャ・リリーフ・ドア」内側
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 写真-27 プレッシャ・リリーフ・ドア(内側)』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・抜粋編集)
図5 「プレッシャ・リリーフ・ドア」内側の「ヒンジ部」拡大図
※写真が非常に不鮮明なので、良く分りませんが、おそらく、丸印で示した物が「ヒンジ」だと思います(断言は出来ませんが)。
※「ヒンジ」とは、「蝶番(ちょうばん。ちょうつがい)」のことです。
※ただし、図2、図3、図5で見る限りでは、ありふれた(典型的な)蝶番とは、構造が異なるようです。
(目的が「蝶番」であることに、変わりありませんが)。
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(分析D)(トリック3) ※ 「トリックあり」を、「トリック3」に変更 2016-4-22
「引用D-1」で、1行目が、次の部分です。
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ヒンジ付近のプレッシャ・リリーフ・ドア外板の端に、プレッシャ・リリーフ・ドアが開方向へオーバ・スウィングしたことにより発生したものとみられる変形があった。
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(引用、以上)
これを見ると、大半の人々は、「やっぱり、急減圧流で、ドアが開いたのは間違いない」と思うはずです。
そこにトリックがあります。
このドアは、第5回目の記事で述べたように、本来の名称は「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドア」です。
JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(5)
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/02/08/8011670
地上で、整備士が、このドアを開けて、胴体後部に入り、内部の点検・整備をするためのドア(出入り口)です。
「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドア」の名称に、言葉どおり素直に従えば、「スタビライザ・ジャッキ・スクリュ」を点検・整備するための出入り口(ドア)、と言えます。
つまり、このドアが開くのは、少なくとも「二つの場合がある」ということです。
(場合A) 機体が地上にあり、整備士が、点検・整備のために、手動で開ける。
(場合B) 機体が飛行中に、急減圧流などの圧力により、自動的に開く。
「場合A」 「場合B」いずれであっても、このドアが、「開方向へオーバ・スウィングすれば」、それによる変形が、いくら生じても不思議ではありません。
「この変形が存在する」ことと、「急減圧流で、自動的に開く」こととは、イコールではありません。
「場合A」により、「この変形が生じても」、ちっとも不思議ではありません。
「この変形が存在する以上、急減圧流で開いたのは明らか」と断定するのは、早過ぎます。
「場合A」で開いた可能性がある。
「場合B」で開いた可能性もある。
「変形している」だけでは、どちらの場合であるか、判断できないはずです。
別の視点で考えると、墜落した日本航空123便の場合、もし、この変形が「非常に新しい」ものであれば、「場合B」で開いた可能性が十分あり得ます。
一方、もし、この変形が「非常に古い」ものであれば、「場合B」で開いた可能性は、事実上ないと言えます。
実際には、今までの記事で述べたように、「事故調が主張する急減圧流は生じていない」ので、この変形は、地上で「整備士が出入りするために、ドアを開けた際に生じた変形」と解釈せざるを得ません。
あるいは、ボーイング社が、同機の製造時に、「プレッシャ・リリーフ・ドア」が、急減圧流により「自動的に開く動作試験をした時」に生じた変形の可能性もあります。
だからこそ、事故報告書では、この変形が、「場合A」 「場合B」のどちらであるか、さらには、上記の「動作試験」が原因であるか、まったく言及していません。
「場合B」ではないからこそ、意識的に伏せて、どちらとも明記せず、読み手が「やっぱり、急減圧流で、ドアが開いたのは間違いない」と、思い込むように仕向けたわけです。
おそらく大多数の人々は、事故調の思惑どおり(トリックによって)、そのように思い込んでいるはずです。
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<長文のため、第8回目に続きます>
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