JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(10) ― 2016年04月02日
(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>
「なくても良い」と判断しました。
同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/03/22/8054981
前回の第9回目、「引用F」で最後の部分を、もう一度引用します。
読みやすくするため、原文にない改行を、それぞれに加えています。
「航空事故調査報告書 第1冊目 P.62」で、以下の項目です。
『2.16.5 スタビライザ・ジャッキ・スクリュ・アクセス・ドアに関する調査』
(引用G)
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(8) 同機の飛行中、異常事態発生前の客室と外気圧との差圧は、約 8.66 psi と推定される。
したがって、飛行中後部胴体内が客室の空気圧により加圧されたものとすると、当該ドアは開いたものと推定される。
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(引用、以上)
必要に応じて、第9回目の記事を参照して下さい。
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/03/22/8054981
(分析G)(トリック6)
上記「引用G」で、下の行では、「したがって、飛行中後部胴体内が客室の空気圧により加圧されたものとすると」と述べています。
この、「加圧されたものとすると」に注目して下さい。
本来ならば、「加圧されたので」と、「断定する表現」にしなければ、話が成り立ちません。
図1 ドアに関する、ABC3点の圧力相互関係
(出典: 『航空事故調査報告書 第1冊目 付図-7 尾翼ステーション図』 運輸省航空事故調査委員会、を引用・抜粋編集)
※※ 当記事の各図は 「拡大図付き」 です。マウスの左クリックで、「拡大図、元の図」 に切り替えられます。
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を 「二つのタブ」 で同時に開き、一方のタブを 「図の表示専用」 にすると、非常に便利です。
(B)後部胴体の内側の圧力
(C)外気圧
この2つの圧力差が、「 1.0 psi~1.5 psi」の時、プレッシャ・リリーフ・ドアが自動的に開きます。
これが、事故調(事故調査報告書)の言う「加圧された」です。
事故調は、元々、以下のように主張しています。
(1)日本航空123便の機体が、かつて、大阪・伊丹空港に着陸の際、胴体後部底面を滑走路に接触させる、いわゆる「しりもち事故」を起こした。
(2)そのため、後部圧力隔壁を損傷した。
(3)それを修理した際、「修理ミス」を起こした。
(4)その結果、「後部圧力隔壁の強度」が、低下していた。
(5)日本航空123便として飛行中に、強度低下が原因で、「後部圧力隔壁が破壊」された。
(6)そのため、「急減圧流」が生じた。
(7)この急減圧流が、機体尾部の「APU(補助動力装置)、垂直尾翼」などを極めて短時間に吹き飛ばした。
(8)それに伴い、「4重の油圧系統」が、すべて破壊された。
(9)そのため、「操縦不能に陥り」、墜落に至った。
上記(5)(6)(7)で述べたように、「後部圧力隔壁が破壊」され、「急減圧流が生じ」て、「APU、垂直尾翼」を極めて短時間に吹き飛ばしたならば、「引用G」で、下側の行は、以下のように、「断定する表現」をしなければなりません。
「……飛行中後部胴体内が客室の空気圧により加圧された『ので』」
なぜならば、「後部胴体内が、客室の空気圧(急減圧流)により加圧された」からこそ、その強烈な圧力によって、「APUや垂直尾翼」が、短時間のうちに、「吹き飛ばされた」のです。
ところが、事故調は、「加圧された『ものとすると』」という、完全な「仮定の表現」をしています。
本来ならば、上記(5)(6)(7)で、事故調自身が、「明らかに加圧された」と言明していることになります。
にもかかわらず、「加圧された『ものとすると』」という、仮定の表現を、わざわざ行うのは、明らかに矛盾しており、非常に不自然です。
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この矛盾の理由は、明らかです。
「加圧されていない」からです。
急減圧流が存在していないからこそ、「加圧されていない」のは、当然です。
それを「何とか隠す必要」があります。
そのため、「加圧された『ものとすると』」という表現で、意識的に「ごまかして」います。
「引用G」の下側の行を見て下さい。
「……後部胴体内が客室の空気圧により加圧されたものとすると、当該ドアは開いたものと推定される。」とあります。
もし仮に、「後部胴体内が、客室の空気圧により加圧された」ならば、「当該ドア(注)が開く」のは、当然です。
ドアが、そういう構造になっているからです。
これ自体は、何もトリックのない、「正論そのもの」です。
(注) 「当該ドア」とは、言うまでもなく、プレッシャ・リリーフ・ドアです。
この「正論そのもの」を利用して、巧妙に「読み手を、だまそうと」しています。
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(分析G、に対する結論)(トリック6、に対する結論)
(1)プレッシャ・リリーフ・ドアが「加圧されていない」ので、それを隠すために、「加圧された『ものとすると』」という、「仮定の表現」を意識的に行っている。
(2)「加圧されていない」のは、「急減圧流が生じていない」ため。
(3)事故調は、急減圧流が生じていないと、「認識している」。
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「引用G」に関する分析は、まだ先があるので、次の回も行います。
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<長文のため、第11回目に続きます>
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