岩手県の高齢者施設「楽ん楽ん」9名溺死(台風10号)は非常に奇妙。常務理事・所長ともに「ウソをついている」可能性が濃厚(6) ― 2016年10月19日
第5回目の記事から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2016/10/15/8230158
※ 引用の出典はすべて「東京新聞の記事」なので、その明示は省略し、以下、掲載された記事の「日付」だけを、出典に明示します。
※ 引用文は、読みやすくするため、原文にはない改行を多数加えています。
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第5回目の記事で、「引用P」の中に、以下の記述があります。
(引用Pの一部)「9月2日・朝刊」を、再度引用します。
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ホームを襲った水の流れについては、予想外の方向から来たと説明した。
施設南側にある川が氾濫し、押し寄せると考えていたが、被害当時は、反対の北西側から流れ込んだという。
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(引用Pの一部。引用、以上)
(不自然26)
この引用文を見ると、洪水の濁流が、南側からではなく、予想外の北西側から、施設に押し寄せてきた状況を、理事が「目撃していた」と解釈できます。
しかし、この発言は納得できません。
なぜならば、この時、理事は「この場所に、いなかったはず」だからです。
この場所にいない者が、「目撃できるはずがありません」。
第1回目の記事で、「引用B」を、次のように掲げました。
(引用B)「同じ9月2日・朝刊」で、別の記事を引用します。
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佐藤常務理事は午後五時ごろ、避難について相談しようと町役場を訪問。
五時半ごろ、ホーム周辺に戻ると、道路の冠水が始まった。
施設の車を高台に移動させ、ホーム周辺に戻った六時ごろには、水が胸の高さまで上昇していた。
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(引用B、以上)
「引用B」を見る限りでは、理事が、車を高台に避難させ、6時ごろ施設に戻った時には、すでに「水が胸の高さまで上昇していた」と言明しています。
ところが、ここまで冠水していれば、川も施設も道路も、すべて、等しく水没しているはずです。
すべて、水に満たされているはずです。
そのため、「濁流が、どの方向から流れてきたか」、ほとんど、あるいはまったく「判別が付かない状況」になっているはずです。
濁流が流れて来る方向を判別できるのは、濁流が「流れ込んできている最中」です。
その時、理事は、「車を高台に避難させている最中」です。
理事は、「施設から離れた場所にいる」状態です。
したがって、施設に向かって濁流が流れ込んでくる様子を、「目撃できる」はずがありません。
(不自然27)
上記の「引用B」で、以下の記述があります。
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五時半ごろ、ホーム周辺に戻ると、道路の冠水が始まった。
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(引用Bの一部。引用、以上)
この時、理事は、道路の冠水を見て、濁流の方向が、「予想していた南側からではなく、予想外の北西側から流れ込んできた」と、認識したとも解釈できます。
もし仮にそうならば、この時点で、水没の危険性を考慮しなければ、「つじつまが合いません」。
前述した「引用Pの一部」を見る限り、「濁流が南側から流れ込んでくるならば、危険性はない」と、理事は事前に判断していたと解釈できます。
換言すれば、「南ではなく、北西側から流れ込んでくれば、危険性がある」と、理事自身が言明していることになります。
したがって、もし仮に、5時半ごろに、道路の冠水を見て、予想外の北西側から濁流が押し寄せてきていると、理事が目撃したならば、「予想外のことが起きた。これは大変だ。すぐに入居者たちを避難させよう」と理事が思わなければ、明らかに矛盾します。
ところが、実際には、車を高台に避難させる行動を優先して、入居者の避難を「後回しにしていた」わけです。
明らかに不自然です。
理事は、「ウソをついている」としか、思えません。
(不自然28)
前述の、「引用B」で、理事は、「ホーム周辺に戻った六時ごろには、水が胸の高さまで上昇していた」と述べています。
この時、理事は、「いったい、どの場所にいた」のか?
第5回目の記事に掲げた、図1(写真)を、再度引用します。
(図1)施設と川との関係写真
出典『東京新聞 平成28年(2016年)9月1日朝刊』
図1を見ると、川、施設、道路、いずれもが、「海抜高度は、ほぼ同じ」と思えます。
その状況下で、「水が胸の高さまで上昇していた」わけです。
ということは、道路も、おおよそ「水が胸の高さまで上昇していた」はずだと、断言できます。
そんな状態の道路に、「理事が近づける」とは、とても思えません。
道路から、もっと離れた場所、「水没していない場所」にいたのは明らかです。
この施設の近くで、施設が、「水が胸の高さまで上昇していた」と判別できる、「安全な場所」が、果たしてあるのか?
「図1」を見る限りでは、そのような「都合の良い場所」があるとは思えません。
なぜならば、施設の建物から、少し離れると、他の建物や樹木などによって、視界が妨げられ、施設の水没状況を明確に判別できないと、思えてならないからです。
しいて言えば、道路よりも右側に、緑に覆われた高台があります。
この中に、人が通れる狭い山道があるのかもしれません。
それならば、その場所に立って、上から施設を見下ろすことも可能と言えます。
しかし、台風が押し寄せ、おそらく土砂降りの雨が降っていたであろう時に、足下の悪い山道へ、「わざわざ入って行く」とは思えません。
横方向から撮影した写真を、図2として引用します。
(図2)施設を中心とする周囲の状況写真
出典『東京新聞 平成28年(2016年)9月8日夕刊』
図2を見ると、図1の下側、つまり、施設の右方向(東方向)も、海抜高度は、施設とほぼ同じと思えます。
この地域も、おおよそ「水が胸の高さまで上昇していた」、つまり、人が近づけないほど水没していたはずです。
東京新聞の記事を見る限り、理事が、どの場所から、どのようにして、施設が、「水が胸の高さまで上昇していた」と判別したのか、まったく記述がありません。
6時頃に、理事が施設に戻った時、いったいどの場所から、どのようにして施設の水没状況を明確に目撃、判別したのか、「納得できない」、としか言いようがありません。
さらには、「水が胸の高さまで上昇していた」と言明しているが、その水深は、いったいどのようにして判断したのか?
いくら何でも、理事が、みずから水の中に入り、自分の体を「物差し」に使って、水深を測ったとは、とても思えません。
離れた安全な場所から、「目分量で推測した」としか思えません。
ところが、上述のように、「図1および図2」を見る限りでは、そのような「都合の良い場所」が見当たりません。
「離れた安全な場所」とは、いったい、どこなのか?
理事は、「本当に、この時目撃したのか?」、疑問と言わざるを得ません。
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『【続編】 岩手県の高齢者施設「楽ん楽ん」9名溺死(台風10号)は非常に奇妙。常務理事・所長ともに「ウソをついている」可能性が濃厚』
2020年09月12日
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