日航123便墜落事件 - 航空管制通信での「周波数変更の指示」に関して「他者ブログ」宛にコメント投稿しました(10) ― 2020年05月09日
「第9回目の記事」 から続きます。
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/05/02/9241987
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「第5回目の記事」 で述べた通り、墜落した123便の機体は、「ボーイング747SR-100型機」 です。
この機体は、日本向け 「国内線専用機の仕様」 です。
そのため、「長距離の国際線」 で用いる、遠距離通信用の 「短波 (HF) 無線機」 を搭載しているのかどうか、素人なので分かりません。
ただし、この 「第5回目の記事」 で掲げた、展示品の 「(図4) ボーイング747の操縦席 (日本航空のフライト ・ シミュレーター)」 には、搭載しています。
(図19) 「短波 (HF) 無線機」 の制御器
(出典: 自分で撮影)
※※ 当記事の各図は 「拡大図付き」 です。マウスの左クリックで、「拡大図、元の図」 に切り替えられます。
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を「二つのタブ」で同時に開き、一方のタブを「図の表示専用」にすると、非常に便利です。
「図19」 で、「橙色の枠線」 で囲んだのが、「短波 (HF) 無線機」 の制御器です。
(操縦席での設置場所は、文末で述べます)。
図の通り、「HF-1」 「HF-2」 と、2台一組になっています。
これは、2台が、別々に動作します。
(同時に、二つの周波数を受信できます)。
今まで述べた、「超短波 (VHF) 無線機」 の場合は、「1台の制御器」 が、「1台の無線機本体」 を制御します。
しかし、この 「短波 (HF) 無線機」 の場合は、「1台の制御器」 に、「2台分の制御部」 があるので、「2台の無線機本体」 を、同時に制御できます。
なお、「図19」 は、ご覧の通り、斜めから撮影しているので、良く見えません。
そこで、これも 「代用品」 として、「図19-1」 を掲げます。
(図19-1) 短波 (HF) 無線機 ・ 制御器
(出典: 日本航空の、運航乗員訓練用 「紙レーター」 を、自分で撮影。一部分引用)
(図19-1-1) 短波 (HF) 無線機 ・ 制御器の説明(1)
(出典: 日本航空の、運航乗員訓練用 「紙レーター」 を、自分で撮影。追記)
「図19-1-1」 で、「緑色の縦線」は、「HF-1」 の部分と、「HF-2」 の部分とを、分けるために追記しました。
両者は、それぞれ別々に動作すると、上述しました。
「周波数表示」 および、「周波数設定スイッチ」 も、言うまでもなく、「HF-1」 と、「HF-2」 で、別々に動作 (操作) します。
「周波数設定スイッチ」 のツマミが、「大小2個一組」、合計4個あります。
「左側の大小2個一組」 が、小数点より上の2桁を、それぞれ制御するものと思います。
「右側の大小2個一組」 が、小数点より下の3桁を、それぞれ制御するものと思います。
おそらくは、「右側」 で大きいツマミが 「小数点より下1桁目」 を制御し、小さいツマミが 「小数点より下2 ~ 3桁目」 を一緒に制御するのではないかと、勝手に想像しています。
(ただし、本当のところは、素人なので、良く分かりません)。
(図19-1-2) 短波 (HF) 無線機 ・ 制御器の説明(2)
(出典: 日本航空の、運航乗員訓練用 「紙レーター」 を、自分で撮影。追記)
「動作切り替えスイッチ」 は、以下の動きをします。
「OFF」 は、無線機本体の 「電源を切る」 ものと思います。
「AM / USB / LSB」 は、送受信する 「電波形式」 の切り替えです。
「AM」 は、昔からある 「中波のAMラジオ放送」 と、まったく同じ 「電波形式」 です。
そのため、一般に市販している、ありふれた 「短波放送用のラジオ受信機」 で、周波数を合わせることができれば、そのまま聞こえます。
(かなり昔は、「AM方式」 だけでしたが)。
(おそらく、緊急時など、特に必要な場合には、「AM方式」 も使えるようにしてあるのだろうと思います)。
(受信はできても、送信はできないと思います)。
「USB / LSB」 は、特殊な 「SSB (エス・エス・ビー)」 という電波形式です。
(実際の航空無線では、こちらが通常の方式です)。
「もごもご、もがもが」 言うような、まったく内容を聞き取れない音声に聞こえてしまいます。
「USB」 は、「上側 (アッパー) のSSB」 という意味です。
「LSB」 は、「下側 (ローワー) のSSB」 という意味です。
「USB / LSB」 のどちらかに正しく合わせると、「もごもご、もがもが」 音ではなく、正常な音声が聞こえます。
これ以上は、かなり専門的になるので、ここでは触れません。
もちろん、航空分野の専門性ではなく、電気に関する、無線通信分野としての専門性です。
もしご興味があれば、インターネットで検索してみて下さい。
「USB / LSB」 表示のすぐ右上に、「TUNE (チューン)」 と表示してある 「橙ランプ」 があります。
これの目的は、よく分かりません。
ひょっとすると、「USB / LSB」 のいずれかに、「正しく同調できた時」 に、この 「橙ランプが点灯する」 のかもしれません。
(断言はできません)。
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パイロットは、「航空機の操縦免許」 の他に、「航空無線通信士」 の免許も必要です。
そのため、「SSBとは何か?」 についても、良く知っていると思います。
「航空機関士」 も、この免許がないと、無線通信ができないので、所有しています。
一方、大手航空会社ではなく、例えば、プロペラ軽飛行機のパイロットや、アマチュア ・ パイロット (自家用操縦士) などは、「航空無線通信士」 よりも簡単な、「航空特殊無線技士」 の免許で間に合います。
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(図19-1-3) 短波 (HF) 無線機 ・ 制御器の説明(3)
(出典: 日本航空の、運航乗員訓練用 「紙レーター」 を、自分で撮影。追記)
「図19-1-3」 で、「スケルチ (雑音消去)」 ツマミ (SQ) について述べます。
これは、受信時に、「余計な雑音が聞こえないよう」 に、調節するツマミです。
「短波 (HF) 無線」 は、受信時に、かなり強い雑音が聞こえる場合が、少なくありません。
そのため、この 「スケルチ (雑音消去) ツマミ (SQ)」 で、自分で聞きやすいように、手動で調節します。
ただし、雑音を消しすぎると、目的の電波も、音声が消えてしまう (または、弱くなってしまう) 場合もあるので、その加減を、自分で判断する必要があります。
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なお、「超短波 (VHF) の無線機」 にも、この 「スケルチ (雑音消去)」 が付いています。
ただし、受信機内部で、「自動的に」 行います。
そのため、人間が手動で調節する必要がないので、「超短波 (VHF) 無線機の制御器」 には、「スケルチ (SQ) ツマミ」 は、ありません。
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(注)
「周波数表示」
「周波数設定スイッチ」
「動作切り替えスイッチ」
これらの名称は、説明のために、勝手に表現しました。
あいにく、「正式な名称」 は、分かりません。
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冒頭に掲示した 「(図19) 短波 (HF) 無線機の制御器」 の設置場所を示したのが、下の 「図20」 です。
(図20) 「短波 (HF) 無線機 ・ 制御器」 の設置場所
(出典: 自分で撮影)
「図20」 で、「頭上パネル」 と表示してある右下、「緑色の楕円」 部分が、「短波 (HF) 無線機 ・ 制御器」 です。
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長文のため、「第11回目」 に続きます。
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(パソコンの場合、「リンクを新しいタブで開く」 の方法を用いると好都合です)。
(スマホの場合は、あいにく方法が分かりません)。
『★連載記事 連動URL一覧表★ タイトル『日航123便墜落事件 - 航空管制通信での「周波数変更の指示」に関して「他者ブログ」宛にコメント投稿しました(1) ~ (24最終回)』』
2020年11月05日
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/11/05/9313516
「サイトマップ」 もご利用頂けます。
『ホームページにあるのと同じ目的の「サイトマップ」』
2015年12月18日
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2015/12/18/7953004
お手数をかけて大変申し訳ありませんが、どうかご了承願います。
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