JAL123-急減圧流は存在しないと「事故調は認識している」(3) ― 2016年02月01日
(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>
「なくても良い」と判断しました。
同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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日本航空123便が墜落したのは、昭和60年(1985年)8月12日です。
その翌年に、「タイ国際航空620便」が、123便同様に、「後部圧力隔壁が破壊される」事故を起こしました。
昭和61年(1986年)10月26日です。
これは、「事故」と言うよりも、むしろ「事件」と言えます。
マニラ発、大阪(伊丹)行き、620便エアバスA300-600型(国籍・登録記号HS-TAE)が四国・土佐湾上空を飛行中に、日本人乗客の暴力団員が最後部左側トイレで手榴弾を爆発させ(注1)、「後部圧力隔壁が破壊され、急減圧流が発生しました」。
そのため、「エクイップメント・コンパートメント・アクセス・ドア(注2)」が、合成樹脂製のドアごと飛散して開口し、急減圧流を機外に放出しました。
このドアは全部で4枚あり、ジャンボ機の「プレッシャ・リリーフ・ドア」に相当します。
「ドアごと飛散して開口した」のは、4枚中、1枚(胴体左側)だけです。
ドア開口面積は約1㎡です(当時の読売新聞記事による)。
図1 このドアが飛散した、胴体尾部の様子(下から見上げた写真)
(出典: 『朝日新聞 昭和61年(1986年)10月27日、朝刊』 を引用・編集)
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を 「二つのタブ」 で同時に開き、一方のタブを 「図の表示専用」 にすると、非常に便利です。
※左斜め下方向が「機首の方向」を示す。右斜め上が「胴体尾端の部分」を示す。
※開口したドアの、すぐ右側にもドアがあり、これは閉じている。
※開口したドアよりも、後方の黒い部分(2カ所)が、残り2枚のドアかもしれない。これも閉じている。
図2 開口したドア部分の拡大写真
(出典: 『朝日新聞 昭和61年(1986年)10月27日、夕刊』 を引用・編集)
※図1、2は、いずれも新聞の写真をコピーし、さらにスキャナで読み取ったので、かなり不鮮明です。
夜間に撮影したらしく、新聞の写真自体が不鮮明です。
「タイ国際航空620便」は、123便とは異なり、垂直尾翼などの破壊・飛散や操縦不能に陥ることなく、大阪・伊丹空港の滑走路32Lへ緊急着陸しました。
3系統ある油圧システムのうち、2系統の油量がなくなり動作不能となったが、1系統は動作しており、操縦は可能でした。
ただし、非常に操縦しづらかったのは、間違いないと思いますが。
乗客233名、乗員14名の計247名のうち、乗客106名が重軽傷、客室乗員3名が重傷を負いました。
死亡者は、ありませんでした。
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「後部圧力隔壁が破壊され、急減圧流が発生した」にもかかわらず、「垂直尾翼などが破壊・飛散」することもなく、「操縦不能に陥ることもなかった」のは、決して「偶然ではありません」。
元々、そのためにこそ「プレッシャ・リリーフ・ドア」が存在するのです。
ただし、A300型機の場合は、前述のとおり、「エクイップメント・コンパートメント・アクセス・ドア」という名称です。
このA300型機では、前述のように、4枚あるドアの内、1枚が開口したので、急減圧流を機外に放出し、機体が大きな破壊を生じるのを防いでいます。
もし仮に、123便も「プレッシャ・リリーフ・ドア」が開いたならば、同様に、急減圧流を機外に放出し、垂直尾翼などが大きく破壊するのを防いでいたはずです。
操縦不能に陥るほどの、致命的な大破壊を起こしたという、事故調の主張は、明らかに不自然と言わざるを得ません。
図らずも、この「タイ国際航空620便」が、それを証明していると言えます。
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(注1)乗客である暴力団員が、なぜ後部トイレで手榴弾を爆発させたのか、当時の新聞記事を見る限りでは不明です。
トイレ内で、手榴弾を誤って爆発させたのか、自殺でも図ろうとしたのか、あるいは機体を爆破しようとしたのか、そこまで具体的に書いた記事が見当りません。
なぜ、記事がないのか、非常に不可解です。
意識的に伏せる圧力が、働いたのか?
それとも、マスコミがこの出来事に興味を失っただけなのか?
また、暴力団員の旅行先である、フィリピンかどこかで手榴弾を入手し、日本に持ち込もうとしたのは明らかですが、この経緯についても、具体的な記事が見当りません。
記憶している限りでは、テレビでも、これらに関する放送を見かけませんでした。
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(注2)「エクイップメント・コンパートメント・アクセス・ドア」の日本語訳は、見当たりません。
恐らく、機体尾部にある、「さまざまな装置類の点検用のドア」というような意味ではないかと思います。
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<長文のため、第4回目に続きます>
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