「新幹線のぞみ34号、台車破損(テロ攻撃未遂事件)」に関する「運輸安全委員会」調査報告書は真相を隠している(2) ― 2019年08月29日
「第1回目の記事」 から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2019/08/17/9142163
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前回 (第1回目) 記事の 「末尾」 で、以下の通り述べました。
>「運輸安全委員会」 の原点は、上述の通り、「臨時編成の航空事故調査団」 と言えます。
さらに、その 「少し前」 に、以下の通り述べました。
>ところが、この 「常設委員会方式」 の調査報告書に対しても、批判が生じました。
>それが、言うまでもなく、「日本航空123便ジャンボ機墜落」 事故 (事件) の調査報告書です。
このように、「運輸安全委員会」 の前身組織は、「123便墜落」 に限らず、さまざまな航空大事故で 「信用できない」 事故報告書を乱発してきました。
それは、もちろん、事故や事件の真相を 「巧妙に隠すため」 です。
彼らは、「真相隠し」 に 「多大な実績がある」 と言えます(笑)。
その 「子孫」 が、現在の 「運輸安全委員会」 です。
したがって、「運輸安全委員会」 も、必要とあれば 「真相隠し」 をいくら行っても、ちっとも不思議ではありません。
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「運輸安全委員会」 の前身である、「航空事故調査団」 や、その後、生まれた、「運輸省 航空事故調査委員会」 が行ってきた 「真相隠し」 について、複数述べておきます。
(1) 全日空 ・ ボーイング727型機。東京湾 ・ 墜落。
(昭和41年 (1966年) 2月4日)
(事故の状況)
夜間、「羽田空港」 に着陸のため、千葉県側から進入中に消息を断った。
捜索した結果、東京湾に墜落していたと判明。
(当時は、今と異なり、「レーダー管制」 は充実していない)。
(事故報告書)
原因: 不明。
(当時は、「フライト ・ レコーダー」 も、「ボイス ・ レコーダー」 もない)。
(真相の可能性)
エンジンを機体側に取り付ける 「コーン ・ ボルト」 が、1本破断し、エンジンが 「振動あるいは、脱落などの異常を起した」 可能性がある。
(ボーイング727型機の場合、エンジン1基に付き、「コーン ・ ボルト」 は3本)。
(真相隠しの背景)
「事故調査団」 の故 ・ 木村秀政 団長は、ボーイング727型機を日本に導入した主導者であり、当初から 「事故調査結果は、原因不明にさせられる」 と言われていた。
(2) カナダ太平洋航空 ・ ダグラスDC-8型機。羽田空港 ・ 着陸失敗。
(昭和41年 (1966年) 3月4日)
(事故の状況)
濃霧の中を 「羽田空港」 に着陸のため 「滑走路に向けて最終進入中」 に、高度が低下して進入灯に接触、滑走路上で大破炎上した。
◎ 濃霧で視界不良のため、「GCAによるレーダー管制 (注) 」 を受けて、着陸進入をしていた。
◎ 「高度低下」 に気付いた管制官が 「高度を上げるよう指示した」 のに対し、パイロットは 「ライト ・ ダウン」 と答えた。
◎ 管制官は、「進入灯の光が霧で散乱し、まぶしく感じるので暗くしてくれ」 と言われたと受け止めた。
◎ そのため、「GCAレーダー室」 から 「管制塔」 に電話連絡するため、短時間レーダー画面から目を離した。
(進入灯など、滑走路の灯火を制御するのは、「管制塔」 で行う)。
◎ その間、管制官は、高度低下を把握できなかった。
◎ 管制官が、レーダー画面に目を戻した時には、間に合わなかった。
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(注) 「GCAによるレーダー管制」 とは。
現在は、「計器着陸方式 (ILS) 」 を用いて、着陸時の 「正しい進入コース」 が、機体側の計器に、自動的に連続して表示される。
「ILS」 が生まれる前の昔は、「GCAによるレーダー管制」 が、行われていた。
(パイロットにとっては、GCAよりも、ILSの方が、はるかに操縦しやすい)。
(自衛隊を含め、軍隊では、今でも (場合により) GCAが使われている。GCAにも長所がある)。
管制官が、「2種類のレーダー画面」 を見ながら、無線電話の音声で、パイロットに 「機体が、正しい進入コース上にあるかどうか」 を伝える。
( 「2種類のレーダー画面」 とは、機体の 「水平方向位置」、および 「上下方向位置」 を、それぞれ表示するレーダー画面)。
パイロットは、管制官からの音声指示を聞いて、自機が、正しい進入コースに乗っているか、それとも、ずれているかを知り、それに応じて機体を操る。
そのため、管制官は、機体が滑走路に接地する直前 (所定の位置) まで、パイロットに対して指示し続ける。
機体が 「所定の位置」 に達すると、GCAによるレーダー管制任務が終了する。
後は、パイロットが目視で、最終的に、滑走路に接地するための操縦操作を行う。
もし、この時、滑走路が良く見えなければ、直ちに 「ゴー ・ アラウンド = 着陸復行 (着陸やり直し) 」 を行う。
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(事故報告書)
原因: パイロットの操縦ミス。
(真相の可能性)
管制ミスの可能性が強い。
パイロットは、「 Right Down (ライト ・ ダウン) = (正しい降下をしている) 」 と言ったはず。
一方、管制官は、「 Light Down (ライト ・ ダウン) = (進入灯を暗くしてくれ) 」 と聞き取ってしまった。
パイロットは 「正しい降下をしている」 と思い込み、そのまま高度の低下を続けたので、上述の通り、事故に至った。
なお、紛らわしい言い方をしたパイロットにも、原因の一端があるとも言える。
※ なぜパイロットが 「 Right Down (ライト ・ ダウン) = (正しい降下をしている) 」 と言ったのかは、文章が、これ以上長くなるのを防ぐため、省略します。
(真相隠しの背景)
「外国のパイロット (外国の航空会社)」 と、「日本の管制官 (運輸省 = 当時)」 の対立となれば、「日本の事故調査機関」 としては、当然 「後者の肩を持つ」 のは、目に見えている。
(3) 全日空 ・ 国産YS-11型機。松山空港沖 ・ 墜落。
(昭和41年 (1966年) 11月13日)
(事故の状況)
四国の 「松山空港」 に着陸のため滑走路にいったん接地したが、「着陸やり直し」 のため再上昇した。
上昇左旋回中に機首が下がり、回復できず海上に墜落した。
(悪天候ではない。接地点が、ずれた (行き過ぎた) ので、「着陸やり直し」 をした模様)。
(事故報告書)
原因: 不明。
(真相の可能性)
「左側プロペラの1枚が飛散した」 可能性がある。
左プロペラ羽根4枚の内、1枚だけが、他の残骸から大きく離れた位置に水没していた。
(真相隠しの背景)
「YS-11型機」 は国産旅客機のため、機体の不具合を何とか隠して、航空業界や運輸省 (当時) を 「かばい立てした」 可能性がある。
※ 「YS-11型機」 の製造メーカー: 日本航空機製造。
(4) 全日空ボーイング727型機、および航空自衛隊ノースアメリカンF-86F戦闘機。岩手県 ・ 空中接触 ・ 墜落。
(昭和46年 (1971年) 7月30日)
(事故の状況)
「岩手県 ・ 雫石 《しずくいし》」 上空で、全日空機が、訓練飛行中の自衛隊機に後方から接触し、両機とも墜落した。
(当時、この空域は、レーダー管制を行っていない)。
( 「全日空機」 にボイス ・ レコーダーはない。フライト ・ レコーダーは、アナログ式 (当時は旧式ではない) がある)。
( 「自衛隊機」 には、いずれもない)。
◎ 「全日空機」 は、千歳発、羽田行き。接触時は、南に向かって直進飛行中。
◎ 「自衛隊機 (訓練生機) 」 は、訓練のため、2機一組で、編隊長機 (教官機) に追従して、左右に旋回を繰り返していた。接触時は、東から南に向かって左旋回飛行中。
◎ 「全日空機」 は全員死亡。「自衛隊機 (訓練生) 」 はパラシュートで脱出して助かった。
(事故報告書)
原因: 両機とも、接触により、機体が破壊され、操縦不能となり、墜落した。
◎ 「事故報告書」 にある、「両機の飛行経路図 (2件) 」 を見ると、いずれも、「自衛隊機」 の後方から、「全日空機」 が接近し、「追突する形で接触」 したのは明らか。
◎ ところが、「事故報告書」 の文章を見ると、「どちらが、どちらに対して接触 (追突) したのか」 まったく触れていない。
(ただ単に、「両機が接触した」 、という意味の記述しかない)。
(真相の可能性)
「事故報告書」 を見ると、「全日空機」 が、「自衛隊機」 に対して 「追突する形で接触」 したのを巧妙に隠し、あたかも、「自衛隊機」 が、「全日空機」 に対して 「ぶつかった」 かのように、見せかけているのは、明らか。
両者の飛行速度は、「全日空機」 の方が、「自衛隊機」 よりも早い。
「全日空機」 ボーイング727型機: 約487ノット (約902km/h)。
「自衛隊機」 ノースアメリカンF-86F戦闘機: 約433~457ノット (約802~846km/h)。
( 「戦闘機」 の方が早い感じがするが、古い時代の機体なので、実際には、「それよりは新しいボーイング機」 の方が、速度が速い)。
速度の遅い「自衛隊機」 が、速度の速い「全日空機」 に対して、「追突する形で接触」 するのは、物理的に不可能なはず。
なお、一説によれば、「全日空機」 が、所定の飛行コースを逸脱し、自衛隊の訓練空域に侵入していたと言われている。
(この説に従えば、「自衛隊機」 は、訓練空域から 「逸脱していない」 ことになる)。
また、「全日空機」 の運航乗員全員 (?) が、操縦席で昼食を取っていて、「自衛隊機」 の存在に気付かなかったと言われている。
(注) これらの説については、素人なので真偽は分りません。
ただし、事故の状況などから見て、「全日空機」 が、「自衛隊機」 の存在に気付かず、「追突する形で接触してしまった」 のは、明らかと思っています。
(真相隠しの背景)
「全日空機」 対 「自衛隊機」 ならば、「運輸省」 対 「防衛庁」 (いずれも当時) の対立に他ならない。
それならば、運輸省の下部機関である 「事故調査機関」 は、「運輸省」 の肩を持つのは、当然と言える。
(5) 南西航空ボーイング737型機。石垣空港 ・ 着陸失敗。
(昭和57年 (1982年) 8月26日)
(事故の状況)
着陸時に、滑走路をオーバー ・ ランして大破し、爆発炎上した。
(事故報告書)
原因: パイロットの操縦ミス。
(真相の可能性)
操縦ミスではなく、スポイラーおよびスラスト ・ リバーサー (注) の不具合が原因。
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(注) 「スポイラー」 とは、飛行機の速度を低下させるために、主翼上面に立ち上げる、横長の 「いわばブレーキ板」 のこと。
機長席のすぐ右側に、この操作レバー (スピード ・ ブレーキ ・ レバー) があり、機長が右手で操作する。
「スラスト ・ リバーサー」 とは、着陸後の減速用に 「エンジンの逆噴射」 を行う装置。
その操作レバーが、パワー ・ レバー (エンジン ・ レバー) のすぐ向こう側 (機首側) に、エンジンの数だけ設けてある。
この操作レバーは、機長席と副操縦士席との間にあり、機長、副操縦士の両者とも操作できる。
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内部のリベット変形により、スポイラー (スピード ・ ブレーキ ・ レバー) を操作できなかった。
さらに、スラスト ・ リバーサー ・ レバーが引っかかって、正常な操作ができなかった。
「事故報告書」 は、これらの 「機械的な不具合」 を認めながら、それでもなお、「スポイラーおよびスラスト ・ リバーサーの不具合は、機体側に原因があるのか、操作ミスが原因か明らかにできなかった」 と強弁している。
(真相隠しの背景)
何がなんでも 「パイロット ・ ミス」 に仕立て上げ、航空会社や運輸省 (当時) を 「かばい立て」 している。
(6) 日本近距離航空 ・ 国産YS-11型機。中標津 《なかしべつ》 空港 ・ 墜落。
(昭和58年 (1983年) 3月11日)
(事故の状況)
北海道の 「中標津 《なかしべつ》 空港」 で、着陸のため 「最終進入コース」 に乗った時、急に機体が右に傾き、機首が下がり、回復できず滑走路手前に墜落、大破した。
乗員 ・ 乗客53名中、52名が重軽傷を負った。死者なし。
(事故報告書)
原因: パイロットの操縦ミス。
(真相の可能性)
右エンジンあるいは、右プロペラが停止した可能性が濃厚。
「最終進入コース」 で、右側のプロペラあるいはエンジンが停止したら、右側の推進力がなくなるので、機体が大きく右に傾き、機首が大きく下がるのは当然であり、高度が低すぎるため、回復できなくても 「操縦ミスではない」 。
事故調査委員会は、エンジンやプロペラの分解調査を 「事故後1年余りも放置」 し、どちらも異常がなかったと結論づけている。
(意図的に放置したのは明白)。
(真相隠しの背景)
事故報告書は、ボイス ・ レコーダー記録とフライト ・ レコーダー記録を 一部 「改竄 《ざん》」 していた。
機長が、ボイス ・ レコーダー記録に 「自分が発言した記憶のないもの」 があるため、事故調査委員会にボイス ・ レコーダーの 「生テープを聴取したい」 と求めたが、「警察の証拠物件であるため、聞かせるわけに行かない」 と拒絶した。
「改竄 《ざん》 が、ばれるのを防ぐ」 ために断ったのは明らか。
フライト ・ レコーダー記録に 「矛盾した部分がある」 と乗員組合が発見し、指摘した。
「YS-11」 は国産旅客機のため、機体の不具合を何とか隠して、航空業界や運輸省 (当時) をかばうために、パイロットの操縦ミスに仕立て上げたのは明白。
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今回の記事は、新幹線ではなく、図らずも航空機事故について述べました。
現在の 「運輸安全委員会」 が、これら多くの 「過去の真相隠し」 の上に成り立っている組織だと、良く分ると思います。
さらに、「日本航空123便ジャンボ機墜落」 に関して、同委員会が、以下の 「解説書」 を公表しています。
(B: 他者サイト)(再掲)
『運輸安全委員会』
http://www.mlit.go.jp/jtsb/index.html
『日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説[PDF 3637KB]』
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kaisetsu.pdf
ところが、これは、元々の 「事故調査報告書の真相隠し」 を追認したに過ぎません。
(日本航空123便)
『事故調査報告書 (昭和62年6月19日公表)』
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-acci/62-2-JA8119.pdf
したがって、新幹線 「のぞみ34号」 の調査報告書も、「真相隠し」 が平然と、巧妙に行われています。
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「航空事故調査報告書」 の現物は、「以下の図書館」 で、誰でも自由に閲覧できます。
「運輸安全委員会」 のサイトでも、ダウンロードできるはずです。
(ただし、1974年 (昭和49年) より前の、古いものは掲示していないようですが)。
(D: 他者サイト)
『日本航空協会』
(航空図書館)
http://www.aero.or.jp/koku_tosyokan/koku_toshokan.html
(E: 他者サイト)
『報告書検索』
(運輸安全委員会トップページ > 航空 > 報告書検索)
<運輸安全委員会>
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/index.php
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(注)
当記事の文章は、今後、多少 「書き換える可能性」 があるかもしれません。
また、連載の回により、多少 「話の順序が前後する可能性」 があるかもしれません。
ご了承願います。
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<長文のため、第3回目に続きます>
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