「新幹線のぞみ34号、台車破損(テロ攻撃未遂事件)」に関する「運輸安全委員会」調査報告書は真相を隠している(3) ― 2019年09月24日
「第2回目の記事」 から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2019/08/29/9146986
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「第1回目の記事」 で、以下の通り述べました。
>■ この 「調査報告書」 は、一言で表現すれば、「真相隠しを巧妙に行っている」 と言えます。
>上記、「A: 既存の連載記事」 で述べた通り、「JR西日本」 と、台車を製造した 「川崎重工業」 は、意識的に真相を隠しています。
>「運輸安全委員会」 の 「調査報告書」 は、その真相隠しを 「追認」 しています。
(A: 既存の連載記事) (再掲)
『新幹線『のぞみ34号』の「台車破損事故」は、「脱線・転覆を企むテロ攻撃事件(未遂)」と思えてならない(1)~(14)』
2018年05月04日 ~ 2019年01月19日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2018/05/04/8844178
そのため、この問題点に対して、項目的には 「A: 既存の連載記事」 の繰り返しになる、とも言えます。
一方、「運輸安全委員会」 の 「調査報告書」 は、内容が、はるかに多く、具体的なので、それに応じて、細かく具体的に述べることができるかと思います。
ただし、説明の都合上、すでに 「A: 既存の連載記事」 で述べているので、一連の 「当連載記事」 では、「ことさら触れない」 場合もあり得ます。
必要に応じて、「A: 既存の連載記事」 も、お手数ですが、ご参照願います。
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(F: 調査報告書)
■ 『RI2019-1 鉄道重大インシデント調査報告書』
(ファイル名: RI2019-1-1-1.pdf)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-inci/RI2019-1-1.pdf
(G: 説明資料)
■ 『鉄道重大インシデント調査報告書 説明資料』
『東海道新幹線において発生した西日本旅客鉄道株式会社所属車両の鉄道重大インシデント (車両障害)』
(ファイル名: RI2019-1-1-p-1.pdf)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/p-pdf/RI2019-1-1-p.pdf
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上記の、「F: 調査報告書」 および、「G: 説明資料」 に対して、原則として 「以下の表現を行う」 ことにします。
◎ 「F: 調査報告書」 = 「F: 調査報告書 (本編)」
◎ 「G: 説明資料」 = 「G: 説明資料」 <左側と同じ>
◎ 「F: 調査報告書 (本編)」 「G: 説明資料」 両者を総称する場合 = 「FG: 調査報告書」
※ 「第1回目の記事」 で明示した通り、「FG: 調査報告書」は、誰でも自由にダウンロードできるので、必要に応じて、ご自身で、ご参照願います。
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「FG: 調査報告書」 全体を通して、「取りあえずの、結論」 をまず述べます。
(取りあえずの結論1) 「運輸安全委員会」 は、「事件の真相」 を意識的に隠しています。
(取りあえずの結論2) 「事件の真相」 とは、走行中の新幹線 (ここでは、のぞみ34号) を脱線・転覆させるテロ攻撃事件 (未遂) を指します。
(取りあえずの結論3) 「最大の問題点」 は、台車枠を意図的に過剰切削した件です。
(取りあえずの結論4) 「最大に次ぐ、2番目の問題点」 は、新大阪駅で、床下点検を意識的に行わなかった件です。
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「取りあえずの結論3」 に関して、以下細かく述べます。
■ 台車枠を意図的に過剰切削。
「F: 調査報告書 (本編)」 の一部 (12ページ) を引用します。
(H: 引用)
※ 「原文にはない改行」 を加えています。
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2.4.2.2 側ばり下板の板厚の状況
側ばりの板厚は、設計上、公称厚さ8mmの鋼板を用い、曲げ加工後7mm以上と規定されている。
本件亀裂の破面において側ばり下板の板厚を測定したところ、最も薄い箇所で4.7mmであった。(付図3のZ部)
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(H: 引用、以上)
「H: 引用」 を見ると、以下のことが分ります(1)~(4)。
(1) この 「台車枠 (側ばり)」 は、「公称厚さ8ミリ」 の鋼板を加工して製造する。
(2) 設計上、「加工後の板厚が、7ミリ以上」 と規定している。
(3) 換言すれば、設計上、「加工後の板厚が、7ミリより少なくてはいけない」 と規定していることになる。
(4) にもかかわらず、板厚の一番薄い部分が、4.7ミリしかなかった。
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(参考)
上記の、「公称厚さ8ミリ」 とは、鋼材メーカーが 「この鋼板は、板厚が8ミリです」 と明示して製造販売していることを指します。
ところが、実際には、8ミリに対して、多少の製造誤差が生じます。
これは、正当な許容誤差です。
鋼材メーカー側が、この許容誤差 (最大値) を明示しているはずです。
購入側は、この許容誤差も認識した上で、この鋼板を素材として用いて設計・製造を行います。
そのため、「H: 引用」 では、「公称厚さ」 という表現をしています。
また、許容誤差まで考慮せず、板厚は8ミリとして扱っています。
「購入側」は、ここでは、「台車」 を設計・製造した 「川崎重工業 (下請け企業を含む)」 です。
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「H: 引用」 を見ると、加工上の製作誤差など、さまざまな理由で、板厚が、結果的に8ミリより少なくなっても、7ミリは絶対に必要だと、分ります。
そのため、溶接作業で位置合わせのために、台車枠を切削する必要があっても、その切削量は 「1ミリ以内でなければならない」 と規定していることになります。
(8 - 7 = 1ミリ)。
ところが、この 「のぞみ34号」 では、過剰な切削により、一番薄いところが 「4.7ミリしか」 なかったわけです。
これに対して、「FG: 調査報告書」 では、過剰切削は、事実上 「作業者のミスに過ぎない」 と言明しています。
しかし、これは 「ミスでは」 ありません。
意図的な、過剰切削です。
溶接作業者の、「うっかりミス」 ではありません。
これは、事実上、断言できます。
なぜならば、うっかりミスにしては、あまりにも切削量が多すぎるからです。
ここまで大量に切削するまでに、それ以前の、どこかの段階で、「うわっ! しまった! 削りすぎた」 と、必ず気が付きます。
気が付かずに、ここまで大量に切削し続けることは、事実上あり得ません。
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人間は、誰でも 「うっかりミス」 をしてしまいます。
そのため、溶接作業者が 「うっかりミス」 をしても、不思議ではないと、思わないではいられません。
しかし、これは、「うっかりミス」 では、ありません。
いわゆる 「文化系や事務系の人々」 には、ピンと来ないかもしれません。
しかし、技術者ならば、特に機械加工の経験者ならば、誰でも容易に分ると思います。
「A: 既存の連載記事」 で、すでに述べていますが、私は、鉄道や溶接の専門家 (機械の専門家) ではありません。
一方、元・電子技術者として、かつて長年 「物作り」 の仕事をしてきました。
その一環として、初歩的な機械加工 (正しくは、主に初歩的な板金加工) も経験してきました。
おかげで、「うっかりミス」 による削りすぎも、図らずも、少なからずありました(苦笑)。
そのため、どの程度なら 「うっかりミス」 と言えるのか、逆に、どの程度ならば 「うっかりミスとは言えない」 のか、それなりに見分けが付きます。
(機械の専門家ではないので、必ず、見分けが付くと断言まではできませんが)。
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この件、次回に持ち越します。
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(注)
当記事の文章は、今後、多少 「書き換える可能性」 があるかもしれません。
また、連載の回により、多少 「話の順序が前後する可能性」 があるかもしれません。
ご了承願います。
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<長文のため、第4回目に続きます>
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