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(新・新版) 21世紀は宇宙文明時代
(旧ブログ) 21世紀は宇宙文明時代

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「人間とは、そもそも何なのか」について、「他者ブログ」宛にコメント投稿を昨年行いました(2)2019年02月09日

[カテゴリ: 精神世界>地球社会]
[カテゴリ: 社会問題>支配]

「第1回目の記事」 から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2019/02/01/9031237

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「精神世界の分野」 では、物事にはすべて 「2面性がある」 と盛んに言われています。

「給料が、その典型例」 とも言えます。

従業員の側からすれば、給料が高いほどいいのは明らかです。

一方、経営者の側から見れば、給料 (人件費) は、安い方がいいに決まっています。

両者は、完全に矛盾します。

その結果、対立や、争いが当然生じます。

最悪の場合、相手に対して、恨みや憎しみさえもが生まれてしまいます。

これでは、誰のためにもなりません。

しかし、「給料が存在する限り」 それは、防ぎようがないとも言えます。

ところが、解決策があるとも言えます。

もし仮に、従業員の側が、従業員としての立場で、同時に経営者の考え方もするようになったら、どうなるか?

もし仮に、経営者の側が、経営者としての立場で、同時に従業員の考え方もするようになったら、どうなるか?

大きく、状況が変ってきます。

お互いに、相手側の考え方が分かるようになれば、対立や、争いが生じながら、その一方では、相手側の考え方を理解し合い、共感し合うようになるのは、目に見えています。

対立や、争いをしながら、その一方では、協調し合うようにもなります。

やがて、対立や争いは、自然に消滅するであろうと言えます。

前者の企業よりも、後者の企業のほうが、「はるかに仕事のしやすい企業」 になるのは明らかです。

従業員の側にとっても、経営者の側にとっても、お互いに仕事がしやすくなるのは明らかです。

どちらの側にとっても、やりがいや、生きがいを感じるであろうと、容易に想像がつきます。

「精神世界の分野」 で、物事にはすべて 「2面性がある」 と盛んに強調しているのは、このためでもあります。

端的に言えば、これが、人間としての幸福を得るための、いわば最短距離とも言えます。

換言すれば、多くの人々が、これに気付かず、無意識のうちに 「2面性のうちの1面ばかり見ている」 からこそ、この社会には、不幸が満ちあふれていると言えます。


「給料」 は、あくまでも一例に過ぎません。

例えば、医療費も同じです。

患者の側から見れば、医療費は安いのが良いに決まっています。

一方、病院の側から見れば、医療費 (収入。売り上げ) は、高い方が良いに決まっています。

税金も同じです。

国民の側から見れば、税金は安いのが良いに決まっています。

一方、国や地方自治体の側から見れば、税金 (収入。売り上げ) は、高い方が良いに決まっています。

何も、お金に限りません。

例えば、夫婦はどうあるべきか、子育てはどうあるべきか、などについても、2面性があります。

にもかかわらず、夫も妻も、無意識のうちに1面にとらわれて、結果的に無意味で不毛な争いに陥る事例が、世の中に満ちあふれています。

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非常にユニークな会社があります。

「天才的な会社」 とも言えます。

山田昭男・著 『日本一社員がしあわせな会社のヘンな”きまり”』 (ぱる出版)

著者 (故人) は、電設資材メーカ 「未来工業」 の創業者社長です。

(同社のホームページ)
『未来工業』
http://www.mirai.co.jp/


同書の、表紙カバー裏に、以下の特徴が書いてあります。

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■ 未来工業 成長の理由

<徹底した差別化>
◎ よそと同じものなら作らない
◎ 儲かっていない会社と同じことはしない
◎ 日本一 (初) にこだわる
◎ 考える仕組みづくり

<社員のやる気喚起>
◎ 餅を与えてモチベーションをあげる
◎ 「ここまでしてもらったら この会社のためにがんばろう!」 と社員が思ってくれることを考えつづける

<↓>
日本一社員がしあわせな会社に!
=================


同書の、この部分を見ただけでも、「同社は、すごい会社」 と思わないではいられません。

例えば、「>よそと同じものなら作らない」 、これは、設計者にとって非常に厳しい要求です。

どんなにすごい製品でも、他社と同じ品ならば、「これじゃだめ」 と、ボツにされてしまうわけです。

何とかして、他社と異なる作りにする必要があります。

そのかわり、それが実現できれば、設計者として 「良くやった」 と評価されるわけです。

誇らしい思いがするはずです。

設計者ではなく、製造担当者も、「他社にはない物を自分で作っている」 という思いが生まれます。

悪い気はしません。

(しばしば述べているように、私自身、製造 (設計を含む) の仕事を長年行ってきたので、良く分かるつもりです)。


ただし、同社は、建築関係の法律で、製品規格が厳密に決まっている 「電設資材」 を製造販売している会社とのことです。

そのため、「世の中に存在しない画期的な製品」 を売り出すのは不可能のようです。

厳密な規格の枠内で、なおかつ独自の特徴を、何とか生み出す必要があるわけです。

その結果、同じ規格による製品でありながら、他社にはない、ユニークな特徴を持たせる必要があります。
(そのため、同書によれば、同業他社に比べて、飛躍的に業績を伸ばしているとのことです)。

なおさら、設計に苦労すると思います。

一方、それを実現すれば、達成感も非常に大きいのは、目に見えています。

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当記事は、言うまでもなく、「同社や同著者 (同社長) を誉め称える」 のが目的ではありません。

また、「企業とは、どうあるべきか」 を述べるのが目的でもありません。

冒頭で述べたように、物事には2面性があり、1面だけにとらわれていたら、幸福は得られないことを述べるのが目的です。

幸福を得るためには、「幅広く2面性に目を向ける必要がある」 と、述べるのが目的です。

そして、ずば抜けた、その好例が、上記の同書なのです。

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同書の目次を拾ってみると、「ぶっ飛ぶ話」 が、いろいろあります(笑)。
(順不同)。

◎ 泥棒に入ったらいけない法律はあるが、入られたらいけないという法律はない

◎ 社員に任せろ。社長はバカと自覚せよ

◎ 全国の営業所は必要と思った社員が勝手に作った

◎ 「ホウレンソウ」は禁止。現場のことは担当社員が一番知っている
(注) 「ホウレンソウ」とは、言うまでもなく報告・連絡・相談のこと。

◎ 残業なんてしないで人生の時間を存分に楽しめばいい

◎ 未来工業が全員正社員である理由「人間をコスト扱いするな」

◎ 人間が人間を評価する限り”成果主義”を採用するつもりはない

◎ 人間は本当に自由にさせてもらうと却って不正をしない

◎ ”鞭”がなくても社員は働く。それを知らないのは”無知”という
(注) 鞭 《むち》。

◎ 定年は70歳、65歳社員の年収は700万、かつ下がらない
(注) 同書の初版発行日:2011年(平成23年)11月24日

◎ 失敗は100回してもいい。ただし同じ失敗を繰り返すのはダメ!

◎ 出張費を浮かすのも自由。お金を浮かす方法を真剣に考えるはず

◎ 「いいモノを安く」? それが日本経済を悪くする元凶だよ

◎ 儲けられないのは社長が己を知らないから

◎ 社長の仕事は戦略を立てること。現場で率先垂範してどうする?

◎ 社員が幸せになるには、それなりの給料がやっぱり必要だ


※ これ以降は、「ぶっ飛ぶ話」ではありません(笑)。

◎ 製品は同じでも職人さんが使いやすい工夫を盛り込む

◎ 職人さんの作業効率から考えた「テレチューブ」

◎ 未来工業はよそと同じものは出さない「スライドボックス」

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上記の各項目、面白い話、貴重な話が満載です。

述べたいのは山々ですが、切りがないのと、当記事の目的ではないので、やむなくあきらめます(笑)。

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同書を見て、著者 (社長) は、2面性を良く分かっていると、思えてなりません。

経営者という分野での2面性です。

当記事の冒頭で、社員、経営者、両者が、お互いに相手の気持ちを分かり合えば、非常に仕事のしやすい会社になると述べました。

お互いに、生きがいを感じるようになると述べました。

同書の著者である社長は、経営者としての立場でものを考えると同時に、社員側の立場にも立って、ものを考えていると言えます。
(さらには、顧客側の立場にも立っているとも言えます)。

例えば、以下にそれが良く現れています。

=================
◎ 社員に任せろ。社長はバカと自覚せよ

◎ 全国の営業所は必要と思った社員が勝手に作った

◎ 「ホウレンソウ」は禁止。現場のことは担当社員が一番知っている

◎ 残業なんてしないで人生の時間を存分に楽しめばいい

◎ 未来工業が全員正社員である理由「人間をコスト扱いするな」

◎ 人間が人間を評価する限り”成果主義”を採用するつもりはない

◎ 人間は本当に自由にさせてもらうと却って不正をしない

◎ ”鞭”がなくても社員は働く。それを知らないのは”無知”という

日本一社員がしあわせな会社に!
=================


社長が、本気になって、社員たちを幸福にしようと、かけずり回ってくれたら、社員たちもそれに応じて、自発的に少しでも良い仕事をしようとするのは当然の成り行きです。

その結果、会社も社員たちも、幸福感を味わうことになります。

大事なのは、単に高給を与えて社員たちの尻を叩き、それを得ようとするのではない点です。

それとは、まったく正反対の方法で、豊かな人間味のある方法で行っている点です。

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上記の目次には掲示しませんでしたが、以下の項目があります。


◎ 「常に考える」--未来工業の独創性を支える”提案制度”

言うまでもなく、提案制度のある会社は珍しくありません。

同社がすごいのは、提案すれば必ず500円もらえる制度です。

どんな内容であっても、参加賞として、必ず500円支給されます。

一見ささいなことですが、社員の側から見れば、すごいことです。

どんな、ささいな提案でも、どんなつまらない提案でも、必ず参加賞がもらえるのです。


あくまでも一般論ですが、提案制度といえば、それ相応の内容のある提案をしないといけないと、誰もが考えます。

つまらない提案をしたり、ピント外れの提案だと、皆に笑われる、会社から悪い評価を受ける、等々、どうしても、そう思うようになります。

その結果、特に熱意のある社員、特に優秀な社員以外は、「自分には、とても提案なんて無理だ。やめておこう」 と思わないではいられません。

結局、大多数の社員からは、提案制度が浮き上がり、少数の決まった社員たちのものになって行きます。

あるいは、社員全体が、提案制度に対して見向きもしなくなります。

なぜならば、社員皆が、元々の自分の仕事で忙しいわけです。

それに上乗せされる、「自分にとって、どうでもよい提案制度」 など、いちいち構ってはいられなくなるのは、自然の成り行きです。


ところが、どんなつまらない提案でも、どれほどピントが外れた提案でも、とにかく行えば、会社が500円分だけは、間違いなく評価してくれるとなれば、話が異なります。

どんな社員でも、小遣い銭稼ぎに、少しは提案してみるか、と思うようになります。

どうでもよい提案を行ったにも関わらず、500円の参加賞をもらったのを周囲の同僚が見て、「いいなあ。自分もちょっとやってみるか」 そう思っても不思議はありません。

そうやって、自然に提案の輪が広がって行きます。

同時に、優れた提案に対しては、1等が3万円です。

さらに、年間で、別途、優秀提案賞3万円、多数提案賞200件以上で15万円もらえます。

同書によると、年間に232件提案した社員がいるとのことです。

しかも、報奨金は、翌月に現金で支給します。

奥さんに (あるいは夫に) 内緒のへそくりとしては、最高です(笑)。
(同書が、これを言明しています(笑))。

なおさら、社員皆、張り切って提案するのは目に見えています。


提案とは何か?

自分あるいは会社全体での、仕事の改善、問題点の改善、逆に優れたことをより向上させる、等々です。

これは、換言すれば、社員としてではなく、経営者としての視点を持って、自分や会社全体の仕事をあれこれ検討することに相当します。

社員が、知らず知らずのうちに、経営者の立場でものを考えることになるのです。

そういう意味では、会社にとって 「とてもおいしい話」 です。

しかも、改善や、逆に長所をより向上させることを、会社に代わって、社員がやってくれるのです。

会社にとっては、良い意味で手抜きができます(笑)。

したがって、たとえ5万や10万円の報奨金を与えても、会社にとって損はしません。

損をするどころか、有形・無形の大きな利益となります。

社員にとっても、会社にとっても、お互いに得をします。

社員・会社、共に発展への大きな原動力となります。

その出発点が、一律500円の参加賞です。

前述の通り、提案制度を持つ会社は珍しくありません。

しかし、このような一律参加賞を設けている会社は、非常に少ないはずです。

あるいは皆無かもしれません。

これ一つを見ても、同社長は、「ただ者」 ではありません。

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私事ですが、一番最初に勤めた会社が、やはり提案制度を導入しました。

しかし、そのうち、消えてなくなると思いました。

案の定、半年も経たずに、消滅しました。

提案制度は、経営者側に、社員の発言に誠実に耳を傾ける、強い意志が必要です。

それがないと、決して長続きしません。

やがて、自滅します。

ところが、この会社は、典型的ともいえるワンマン会社です。

「社員の発言に誠実に耳を傾ける」 など、期待する方がどうかしています(笑)。

提案制度が成り立つはずが、ありません。

ただし、ワンマンですが、社員をどなりつけるような凶暴性はありません(笑)。

いたって紳士的です。

しかし、ワンマンとして、自分の考えを押し通すことに変りありません。

小さな会社ですが、かつては業界の先端を行っていたとも言えます (私が入社するよりだいぶ前)。

しかし、そのせっかくの能力を、ワンマン社長が、そうと知らずに、すりつぶして行きました。

やがて、業界の後追いをするしかできない会社になってしまいました。

非常に、悲しいことです。

上記の著者である社長とは、正反対と思わないではいられません。

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(注) 上記の同書は、同社の社長自身が執筆したものです。

したがって、同社長や同社の 「短所、問題点」 など、都合の悪い部分には触れていないはずです。

しかし、前述の通り、当記事は、会社はどうあるべきかについて述べるのが目的ではありません。

したがって、同書に書いてある、ないに関わらず、「短所、問題点」 などには言及しません。

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以下、参考までに掲げておきます。

(他者ブログ記事A)
『日本一ホワイトな会社「未来工業」会社見学レポート!ふつうじゃない経営の秘密を聞いてきた』
2017-11-29
<なべはるの人事徒然>
https://nabeharu.hatenablog.com/entry/2017/11/29/180000

(他者ブログ記事B)
『あの「未来工業」は”究極のホワイト企業”なのか? そして入社するには?』
2014.9.30
<クーリエジャポン>
https://courrier.jp/info/28041/

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以上述べたことが、「第1回目の記事」 と、どのように関連するのか?

それは、「第3回目の記事」 以降で述べます。

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以下、長文のため、第3回目に続きます。

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