「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(16) ― 2020年12月12日
第15回目の記事から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2020/12/05/9323733
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「前回 (第15回目) の記事」 で、補足図1件 (2点) を追加します。
また、語句の修正が1件あります。
どちらも、ささいな事柄です。
もしよろしければ、お手数ですが、前回記事をご参照頂けると助かります。
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日本航空の 「乗員訓練センター (当時)」 での、「フライト ・ シミュレータ操縦体験」 で使用した機種は、「ボーイング747型」 です。
ただし、操縦計器が、電子化したデジタル方式ではなく、旧来のアナログ方式です。
したがって、機種としては、「ボーイング747-100型、または、-200型」 となります。
ところが、そのどちらであるかは、あいにく説明はありませんでした。
体験終了後、「お土産 《みやげ》 の一つ」 として頂いた、操縦訓練用の 「紙レーター」 では、機種が「200型」 なので、実際に操縦したのは、「ボーイング747-200型」 だと思っています。
参加者の中には、新型の 「ボーイング747-400型」 を操縦したかったとの声もありました。
(電子化したデジタル方式の計器です)。
(400型のシミュレーターも、すでに存在していました)。
誰もが、そう考えるかと思います。
ただし、私の場合は、旧型の方が、かえって良かったと思いました。
それは、旧型のアナログ計器の方が、「飛行機らしくて、しっくりくるから」 です(笑)。
子どもの時から、旧型のアナログ計器式の操縦席写真や、操縦席実物の展示品などを、しばしば見て来ました。
そのため、旧型のアナログ計器式こそが、「飛行機そのもの」 という強い想いがあります。
電子式のデジタル計器は、何となく、テレビゲーム画面のようで、安っぽく感じてしまいます(笑)。
もちろん、性能的には、新しいだけあって、電子式デジタル計器の方が、はるかに優れています。
(ただし、欠点もありますが)。
それは、自分自身が、シミュレーターで操縦していて、良く分かります。
それでもなお、心情的には、旧型のアナログ計器式の方が、味があると思わないではいられません。
これは、まさに 「個人的な想い」 に過ぎませんが。
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これも、私事です。
(必要なければ、読み飛ばして下さい)。
「乗員訓練センター (当時)」 での、「フライト ・ シミュレータ操縦体験」 を実現するまでには、いくつもの 「強大な壁」 を乗り越えるはめになりました(笑)。
そのため、なおさら 「一生に一度しかない、強烈で、貴重な体験」 と思わないではいられません。
(強大な壁1) 2万マイル貯める必要がある。
(強大な壁2) 申込受付を、先方が締め切ったところだった。
(強大な壁3) 抽選に当たる保証がなかった。
(強大な壁4) 休日出勤で、参加できないところだった。
(強大な壁5) 台風並みの猛烈な風雨に襲われた。
「(強大な壁1) 2万マイル貯める必要がある」 について。
日本航空が行っている 「マイレージサービス」 の一環として、当時、この操縦体験 ・ 特別特典があると、航空誌で知りました。
そのため、「用もないのに飛行機に乗りまくり、2万マイル貯める」 必要があります(笑)。
これは、私にとって、非常な難問です。
それ以前から、夏休みや連休で旅行の際には、飛行機をなるべく意識的に利用していました。
(飛行機が好きなので)。
しかし、その程度では、とても2万マイル貯めるのは不可能です。
「用もないのに日航機に乗りまくる」 必要が生じました。
はたして、そこまで、お金を使えるかどうか、不安もありました。
当初は、東京から、北海道行きの便を選んで、少しでもマイルを稼ぎました。
それでも、なかなか貯まりません。
こんなことでは、1万年ぐらい、かかりそうです(笑)。
そこで、沖縄行きの便に乗るようにしました。
日本国内では、これが最長なので、北海道よりは、多くのマイルが貯まりました。
(海外旅行は、とても無理です)。
当初は、せっかく旅行に行くのでと思い、1泊しました。
やがて、宿泊料が無駄と気づき、日帰りに徹しました。
「(強大な壁2) 申込受付を、先方が締め切ったところだった」 について。
何年間か、やっとの思いでマイルを貯め、喜び勇んで申込をしようとしました。
ところが、電話で、先方が、あっさり言いました。
「ちょうど、募集受付が終ったところです」。
一巻の終りです(笑)。
次の募集まで、半年くらいか、一年か (?) 待たなければいけません。
がっかりしました。
ところが、びっくりの展開が、起こりました。
「ちょうど受付が終ったところなので、1週間以内に申し込んで頂ければ、受付可能です」。
助かった。
地獄に仏です(笑)。
その日のうちに準備して、翌日、急いで申込をしました。
まさに、危機一髪、滑り込みセーフです。
「(強大な壁3) 抽選に当たる保証がなかった」 について。
体験日の当日、係の女性が、「抽選の倍率が40倍でした」 と話していました。
(40の数字は、今となっては不明確ですが、かなりの高倍率だったのは良く覚えています)。
以前は、この操縦体験は、希望者がさほど多くはないので、全員が体験できたようです。
ところが、体験した当時は、希望者が多く、抽選です。
そこで、なるべく当選の確率を高めるように、工夫しました。
体験実施日は、毎月、2回の土曜日だけです。
それが、6カ月続きます。
希望する日を、第1から第3希望まで、指定できます。
そこで、希望者が、おそらく少なくなるであろう、最終日から逆順に、第1、第2、第3希望日に指定しました。
狙い違わず 《ねらい たがわず》 、当選しました。
昔から、くじ運はあまり良くないので、当たった時には、飛び上がりたいほど嬉しく思いました(笑)。
以前から、航空雑誌を毎月購読していました。
航空に興味のある著名人たちが、航空会社のフライト ・ シミュレーター操縦を行う、体験記事が、時々載っていました。
それらを、「有名人は、いいなあ」 と、よだれを垂らす想いで、読みふけったものです。
「無名の自分では、とても無理だな」 と、思いました。
自分で操縦体験が実際にできると決定して、「あり得ないはずの、一生の夢が実現した」 と感動しました。
「(強大な壁4) 休日出勤で、参加できないところだった」 について。
体験日の前日、金曜日のことです。
終業近くになって、上司が、後から何気なく近づいてきました。
「明日、休日出勤してくれ」。
あっさり言いました(笑)。
私の所属部門では、休日出勤は珍しくありません。
一巻の終りです。
内心、真っ青になりました。
断るわけにいきません。
必死で、対応策を考えました。
そして、ひらめきました(笑)。
「明日は都合があるので、どうしても休ませて下さい。その代わり、翌日の日曜に休日出勤します」。
このように、答えました。
「ああ、いいよ」。
あっさり、承諾が返ってきました。
なんとか首がつながりました(笑)。
「(強大な壁5) 台風並みの猛烈な風雨に襲われた」 について。
当日は、朝から雨が降っていました。
しかし、強い雨ではありません。
普段通り、傘を持って、出かけました。
羽田空港脇の、地下のモノレール駅を降りて、地上に出ました。
ところが、猛烈な強風が吹いていました。
雨も、土砂降りです。
台風並みの、強烈な風雨でした。
おかげで、「乗員訓練センター」 のビルに到着するまでに、全身びしょ濡れになりました。
まるで、傘がないのと、同じ状態です。
たまったものではありません(笑)。
操縦の終了後、係の女性の話によると、シミュレーター操縦をしている時、外では雷が鳴っていたとのことです。
ところが、実際は、それよりもすさまじい状況でした。
帰宅後に、「テレビや翌日の新聞」 を見ると、この時、羽田空港では、横風が非常に強くて旅客機が着陸出来ず、何機もが 「空中待機をしていた」 と報じていました。
「雷が鳴っていた」 どころの騒ぎでは、なかったことになります(笑)。
そうとは知らずに、シミュレーター操縦を行っていました。
体験を終えて、「乗員訓練センター (当時)」 から、モノレール駅に向かう時には、強風はすっかりおさまっていました。
雨は、ずっと降っていましたが、土砂降りではありませんでした。
この時点では、「空中待機」 も、おそらく解消していたのではないかと思います。
いずれにしても、このように 「強大な、多数の壁」 を乗り越えて、やっと実現できました。
私にとっては、人生最大の、特別貴重な体験と思わないではいられません。
もう二度とないと思います。
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以下は、私事ではありません。
実際問題として、大雨や雷程度なら、飛行機は着陸出来ます。
(先般、ロシアで、雷に遭った機体が、着陸失敗した事故がありましたが)。
(これも、見方を変えれば、滑走路までは正しく到達できたことになります)。
(飛行が、困難 (危険) になるためです)。
機種ごとに、性能上の 「横風制限」 があります。
それに応じて、各航空会社も、自社の規定を設けています。
法的な規定もあると思います。
「空中待機」 をするための場所である、「ホールディング ・ パターン」 が、決まっています。
(図1) 空中待機
(出典: 航空用語研究会 ・ 編 『絵でみる航空用語集』 (産業図書) を引用)
※※ 当記事の各図は 「拡大図付き」 です。マウスの左クリックで、「拡大図、元の図」 に切り替えられます。
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を 「二つのタブ」 で同時に開き、一方のタブを 「図の表示専用」 にすると、非常に便利です。
この 「図1」 では、「特定の地点」 の表し方が、分かりづらいです。
(図2) 空中待機の経路 (ホールディング ・ パターン)
(出典: 園山耕司 ・ 著 『よくわかる航空管制』 (秀和システム) を引用)
この 「図2」 で示す 「無線標識の信号点」 が、「図1」 の 「特定の地点」 に相当します。
言うまでもなく、「図1」 を真上から見たのが、「図2」 に相当します。
この 「無線標識の信号点」 は、地上に設置してある 「航空無線標識」 から、上空に向かって電波を発射しています。
(真上に限らず、空全体に発射しています)。
(そのため、離れたところからでも、この地点を把握できます)。
この地点を、「信号点」 と、この 「図2」 では表現しています。
機上では、この電波を発射している 「信号点」 を、計器で表示しているので、それを見ながら、これを基点として、「図2」 に示す経路を、同一高度でグルグル回りながら、空中待機を行います。
旅客機に乗って、それを経験した人も少なくないはずです。
後続機は、それよりも上の高度に、それぞれ重なってきます (図1) 。
管制官から、1機ごとに、「空中待機を中止して、本来の進入 (飛行) を再開せよ」 との指示があるまで、空中待機を行います。
前述のように、羽田空港では、多数の機体が 「空中待機をしていた」 わけです。
言うまでもなく、「空中待機の理由」 は、悪天候に限らず、いろいろあります。
例えば、機体が多数集中して、「着陸の順番待ち」 にも、空中待機することになります。
空中では停止できないので、この 「ホールディング ・ パターン」 上で、グルグル回って、時間稼ぎをするしか、方法がありません。
そのため、場合によっては、燃料を消費しすぎて、このままでは不足してしまうこともあります。
(特に、長距離の国際線の場合)。
どの選択肢を、いつ選ぶかのタイミングも含めて、パイロットは 「空中待機」 しながら、判断に苦労することになります。
パイロットにとって、それも仕事の一つです。
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<以下、長文のため、第17回目に続きます>
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