「大韓航空007便事件」も、JAL123事件同様「大きな裏」がある ― 2015年12月25日
<当記事の要点>
・大韓航空007便が航路逸脱(いつだつ)し、当時のソ連を領空侵犯し、戦闘機に撃墜される事件があった。
・乗員・乗客(日本人も多数)全員が亡くなった。
・日本時間で、昭和58年(1983年)9月1日に起きた。
・東京新聞の「外務省の外交文書公開」記事で、この事件に触れている。
・記事によれば、「米国が早い段階で」事件の詳細を把握していた。
・実際は、米国こそが「事件の真犯人」。
・私見ではあるが、米国が、ソ連軍の軍事情報を至急得るために、007便を利用した。
・米国も「撃墜される」ことまでは予想していなかった可能性がある。
・上記、以外の目的も、持っている可能性がある。
<記事本文>
中高年の人たちならば、「大韓航空007便事件」を憶えていると思います。
ニューヨーク発、アンカレッジ(アラスカ)経由、ソウル行き大韓航空007便が、アンカレッジを離陸後、飛行経路を北側にそれて行き、ロシア(当時は、ソ連)のカムチャツカ半島を領空侵犯し、さらにはサハリンをも領空侵犯し、ソ連戦闘機に撃墜される、悲惨な事件を起こしました。
乗員・乗客(日本人も多数)全員が亡くなりました。
日本時間で、昭和58年(1983年)9月1日でした。
日本航空123便墜落事件が起こる、2年前の出来事です。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
この事件は、当初、何が起きたのか、どのようになったのか良く分らない状態でした。
一時は、ソ連領に着陸し、全員無事との「誤報」も流れました。
ちょうど、日航123便が墜落した時、墜落現場がどこなのか、翌日まで判明せず、「長野県側だ」、いや「群馬県側だ」と、次々と「誤報」が流れたのと、良く似ています。
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本日の「東京新聞・朝刊」に、外務省が公開した「外交文書」に関する記事があります。
同紙に限らず、他紙もいっせいに報じていると思います。
以下、引用します(東京新聞 平成27年(2015年)12月25日・朝刊)。
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「外交文書公開」
外務省は24日、外交文書38冊を一般公開した。
1972年の沖縄返還や非核兵器地帯を協議する国連会議の文書が中心。
ソ連(現ロシア)軍による大韓航空機撃墜をめぐる日米のやりとりなども含まれている。
「大韓航空機撃墜 米から詳細情報」
「83年 『ソ連が誤認』 『2発目命中』」
乗客乗員二百六十九人が犠牲となった一九八三年九月の大韓航空機撃墜事件をめぐり、日本側が米外交当局から「(ソ連軍機が)米偵察機RC135と大韓機を誤認した」などと、撃墜状況について早い段階で詳細な情報を提供されていたことが明らかになった。
(出典: 『東京新聞・朝刊 平成27年(2015年)12月25日』)
米外交当局関係者は同年十一月十四日、日本の外交官に対し、「事件はカムチャツカ方面を偵察していたRC135の軌跡に十五分後に入った大韓機を同一機と誤認した」などと説明。
墜落の状況については「ミサイルの二発目が大韓機の左主翼に命中し、十一分間きりもみ(状態になった)後、墜落した」と克明に伝えている。
冷戦終結後の九三年に国際民間航空機関(ICAO)がまとめた最終報告書では、ソ連軍が大韓機を偵察機と誤認したと結論付けたが、米側は事件直後の段階で原因を特定していたことが分かる。
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(引用、以上)
私は、かつて、市民団体の『大韓航空機事件の真相を究明する会』に、何年か参加していました。
そこで、いろいろな話に出会い、さまざまな資料にも出会いました。
以前、開設していた自分のホームページに、資料の一部を掲示していました。
全部を掲示するはるか前に、そのホームページを閉鎖せざるを得ない、はめになりました。
上記、引用文にある「米側は事件直後の段階で原因を特定していた」は、真相を隠すための「虚論」です。
この事件に関し、素人に過ぎない自分なりに得た結論は、以下のとおりです。
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ソ連は、米国のRC-135偵察機と「誤認させられて」、大韓航空007便を撃墜するはめになった。
(注)RC-135偵察機は、ボーイング707型ジェット旅客機の原型とも言える機体の派生型です。
ボーイング747型ジャンボ機と同じ、4発ですが、ジャンボ機ほど大きくはありません。
世界初の英国製ジェット旅客機「コメット機」に続く、第二世代の旅客機なので、ジャンボ機よりかなり古い時代に設計された機体です。
007便の「航路逸脱(いつだつ)」は、米国が計画し、大韓航空が(換言すれば、韓国政府が)「やらされた」。
ソ連が、RC-135偵察機と誤認するよう、「米国が意図的に仕向けた」。
ソ連が、007便をRC-135偵察機と誤認した結果、同機の飛行コースに沿った「ソ連軍がいっせいに動き出すように」、米国が仕向けた。
上記、ソ連軍の一連の動きに対し、本物のRC-135偵察機はもとより、偵察衛星やその他、米国が所有するあらゆる偵察機能を駆使して、情報収集を行った。
米国による、ソ連軍に対する情報収集は、毎日当り前に行っている。
ソ連側も、それは百も承知。
なぜならば、ソ連も米国に対し、同じことを行っているはず。
米ソに限らず、現代戦は、敵の軍事情報を的確に把握しなければ、いくら優秀な兵器があっても戦争に勝てない。
軍にとって、情報収集は、当り前の行為。
ただし、この時は、状況が異なっていた。
この事件が起る前に、ソ連軍の態勢が、「平時の態勢」から「戦時の態勢」に切り替わっていた。
当時の、レーガン大統領が「本気でソ連と戦争しようとしていた」ため、それをソ連側が察知して、いち早く「ソ連軍が戦時態勢に移行した」。
レーガン大統領は「キリスト教原理主義者」と言われている。
その宗教観に基づき、「ソ連と戦争し、やっつけるのが正しいと本気で考えていた」。
ソ連軍に限らず、軍の態勢が「平時から戦時に変わる」と、「部隊の編成」「使用する暗号」「無線の周波数」………… 等々が、大きく変わり、今まで入手していた情報では役に立たなくなる。
新たに、さまざまな軍事情報を「集め直す必要」が生じる。
それでは、時間がかかり、ソ連との戦争に間に合わなくなる。
そのため、米国は、大韓航空007便を、米国のRC-135偵察機と誤認するように、わざとまぎらわしい飛行を行い、ソ連軍をいっせいに動かし、一気に必要な軍事情報を集めようとした。
大韓航空007便が、ソ連側に捕まり、強制着陸させられても、機体に特別の装備などはないので、「民間機が航路をミスして、ソ連領に迷い込んだだけ」と、いくらでも言い逃れできると、米国側が想定していたものと思う。
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これ以外にも、説があるので、米国の目的は、以上述べた以外に、いろいろあるかもしれません。
「一つの事件に対して、実行側の目的は、一つでなければならない」という決まりがあるわけではないのは、言うまでもありません。
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