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JAL123-スコーク77に関する、大きな「虚論」(2/8)2015年12月11日

[カテゴリ: JAL123便>スコーク77]

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(修正) 「当記事の要点」を全部削除しました。<R5/2023-8-4>

「なくても良い」と判断しました。

同時に、「見出し」としての<当記事の要点><記事本文>も削除しました。
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「 (1/8) の記事」 から続きます。
https://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2015/12/10/7943988

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前回(1/8)に引き続き、池田著書の具体的な問題点の分析を行います。

池田昌昭著『御巣鷹山ファイル2-JAL123便は自衛隊が撃墜した』(文芸社)

同書P.59 『2 被要撃信号「スコーク77」』を引用します。

(引用A)
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 このようななかでJAL123便機長が、午後六時二四分過ぎ、相模湾上空で「ドーン」という衝撃音のあとすぐに「スコーク77」を発した意味が分かるのである。

「スコーク77」は、JAL123便が要撃された意味なのである。

操縦不能の「スコーク77」ではなくて「謎の飛行物体」に要撃されたからなのである。
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(分析A)


「『スコーク77」』は、JAL123便が要撃された意味」は、意味のない発言です。
「『謎の飛行物体」に要撃されたから」も、意味のない発言です。

[要撃(迎撃)とは何か]

少なくとも日本における「要撃(迎撃)」は、日本の領空より、はるか遠くに設定した「防空識別圏」に対し、外側から接近してきた「正体不明の飛行物体」を認識した時、それが何であるかを調べるために、航空自衛隊の戦闘機を発進させ、「正体不明の飛行物体」に接近し、戦闘機パイロットがそれを肉眼で視認し、「正体」を把握するための行動です。
さらに、正体が判明すれば、それに応じて、適切な行動を取ります。

警察に例えるならば、警察官が、挙動不審者を発見した時に、「職務質問」を行うようなものです。
「職務質問」は、正規の警察官が行います。
正体不明の「謎の人物」が行うものではありません。

それと同じです。
少なくとも日本において、「謎の飛行物体」が要撃することは、あり得ません。
航空自衛隊の「正規の戦闘機」が、自分の所属を隠すことなく、正々堂々と、公然と要撃を行います。

要撃した結果、「被要撃機」に対して、状況により、退去を指示したり、所要の飛行場に着陸することを要求したりします。
そのためにも、要撃側が、「自分が何者であるか」を明示する必要があります。
換言すれば、「日本国の航空自衛隊の正規な戦闘機である」と、「被要撃機」に明示し、日本国の名において、相手機に指図します。

もし仮に、「謎の飛行物体が要撃」したら、「被要撃機」側が、正規の要撃と判断出来ず、「正体不明の敵」が「攻撃してきた」と、早とちりする恐れがあります。
それでは、「要撃」側にとって、やぶへびです。


[JAL123便が要撃された、は無意味]


日本航空123便が、自衛隊機から「要撃」を受けることは、あり得ません。
同機は、決して「正体不明の飛行物体」ではないからです。

同機は、日本の領土内である羽田空港から離陸した、「日本航空123便」という、日本の国籍を持つ、日本航空に所属する民間機であり、機種はボーイング747SR-100であり、無線のコールサイン(呼出符号)は「ジャパンエア123」であり、飛行コースはいずれも日本の空域であると、航空自衛隊自身が、はっきりと認識しています。
それを、いちいち「要撃する」ことは、あり得ません。

大型のジェット旅客機から小型の単発軽飛行機まで、すべての民間航空機は、出発する前に「フライト・プラン(飛行計画書)」を、空港事務所を通じて、航空管制機関に必ず提出します。

フライト・プラン(飛行計画書)

図1 管制機関に提出するフライト・プラン(飛行計画書)
(出典:『航空実用辞典』 朝日ソノラマ)

※※ 当記事の各図は 「拡大図付き」 です。マウスの左クリックで、「拡大図、元の図」 に切り替えられます。

※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を 「二つのタブ」 で同時に開き、一方のタブを 「図の表示専用」 にすると、非常に便利です。


※上図の書式はかなり古く、現在は電子化されています。
 123便の当時は、これとおおよそ同じような書式です。


この「フライト・プラン」に基づいて、運輸省(現在は、国土交通省)の管制部門が航空管制を行います。
同時に、航空自衛隊の防空レーダー部隊にも、この「フライト・プラン」が、航空管制システムを通じて伝わります。

したがって、自衛隊側も、この機体が離陸する前から、「日本航空123便」だと把握しています。
要撃することは、あり得ません。

池田著者は、別の部分で、「123便が、スコーク7700を送信したから、自衛隊が要撃した」と主張しています。
しかし、「ICAO(国際民間航空機関)条約・附属書」の内容を完全に取り違えた、暴論です。
これについては、次回、詳述します。


[要撃(インターセプト)と攻撃(アタック)を混同]


(「引用A」の最後の行)
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操縦不能の「スコーク77」ではなくて「謎の飛行物体」に要撃されたからなのである。
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これを見ると、著者は、「要撃(インターセプト)」と「攻撃(アタック)」を混同しているとしか思えません。

著者の言う、「謎の飛行物体」が、衝突しそうなほど123便に極端に接近、あるいは、何か具体的な損傷を与えたとすれば、それは、「要撃」ではありません。
「攻撃に近い」、または「攻撃そのもの」の行動を取ったと言えます。

「要撃(インターセプト)」は、前述のように、警察に例えれば、不審者に対する職務質問に相当します。
つまり、「被要撃機」が、一体何者であるかを、見極める行為です。
軍隊として行う、一種の「警察行動」です。
被要撃機が「敵対行動」を取ったら、その時、初めて、反撃のための「軍事攻撃」を行うのです。
いきなり、「軍事攻撃」を行うのではありません。

一方、「攻撃(アタック)」は、要撃を行うのではありません。
いきなり、敵を倒すための「攻撃」を行います。
したがって、攻撃する相手に対し、「被要撃機」と認識しているのではありません。
「敵機」そのものと認識しています。
警察に例えれば、単なる「職務質問」ではなく、相手を「明らかな容疑者として逮捕」する行為です。

したがって、123便が「謎の飛行物体」から「何らかの『攻撃』を受けた」と、著者が考えているならば、「攻撃された」と表現するべきです。
それを「要撃された」と表現するから、話がめちゃくちゃになるのです。

著者は、「要撃」と「攻撃」を混同しているのは明らかです。

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前回(1/8)、ファイルサイズ容量を超えたので、掲示しきれなかった図を、念のため、以下に掲示します。

ATCトランスポンダ本体部

図2 ATCトランスポンダ本体部

(出典: 『実用航空無線技術』 情報通信振興会)

※上図では、装置の内部を見せるために、向かって右側の「ふた」を外しています。
 通常では、内部は見えません。


航空管制レーダ画面(シミュレーション)

図3 管制レーダー画面(シミュレーション)
(出典: 『実用航空無線技術』 情報通信振興会)

※上図は、正規の管制レーダー画面ではなく、「シミュレータ」です。
 おそらく、管制官の訓練用シミュレータだと思います。

※便名、飛行高度などを、文字で表示しているので、どれがどの機体か容易に判別出来ます。
 便名、飛行高度などの「文字データ」は、航空機上のATCトランスポンダから得た信号に基づき、地上の管制用コンピュータが処理して、画面に表示します。

※左上、オレンジ色の不連続線は、地形(海岸線)を表示しています。

※現在の管制レーダーは「デジタル式」ですが、123便当時のレーダーは「アナログ式」です。
 そのため、機体自身を表す映像は、デジタル処理をした上図と異なり、一次レーダが受信した、「点状」の映像をそのまま表示しています。

※アナログ時代は、ブラウン管ディスプレイを用いているため、画面が良く見えるように、管制室内は照明を極端に落としていました。
 現在は、デジタル式のため、パソコンと同じように、明るい部屋でも画面が確実に見えるので、管制室の照明も、通常の事務室と同様、明るく照明しています。

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<長文のため、8分割しています>

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