「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(11) ― 2017年07月22日
第10回目の記事から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/07/15/8621121
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日本航空の「乗員訓練センター」が、かつて、「東京・羽田空港」のすぐ近く(西側)にありました。
(現在は、空港内の「新整備場区域」に林立しているビル内にあるものと思います)。
当時の場所を示したのが、「図1」です。
(図1) かつての「日本航空・乗員訓練センター」案内地図
(出典: 日本航空が作成した地図を引用、追記)
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を「二つのタブ」で同時に開き、一方のタブを「図の表示専用」にすると、非常に便利です。
「図1」は、日本航空「特製」の地図です(笑)。
これを入手した経緯(引用した経緯)は、次回以降に、述べます。
「図1」の通り、京急空港線の「穴守稲荷」駅、および、「モノレール 京急羽田」駅から、歩いてすぐの場所です。
(「モノレール 京急羽田」駅名は、どうも記憶が、はっきりしません)。
現在の駅名は、言うまでもなく「天空橋」です。
(東京モノレールと、京急線が、接続しています)。
かつて、この「乗員訓練センター」が存在していた場所に、当時と同様の大きなビルが建っています。
(図2) 現在のビル
※ 「図2」以降、今回の記事で、すべての図は、私が自分で撮影した写真です。そのため「出典の明示」は行いません。
このビル内に、「日本航空のフライト・シミュレータ」が、保存・展示してあります。
(図3) 日本航空のフライト・シミュレータ展示品
(図4) フライト・シミュレータ展示品の説明板
(図5) フライト・シミュレータ展示品(背面)
「図5」の通り、全面ガラスで、内部を自由に見ることが出来ます。
(図6) フライト・シミュレータ操縦席
※ ガラスを通して撮影しているので、反射があり、少し不鮮明な画像になっています。
(図7) フライト・シミュレータ機長席の計器類
言うまでもなく、すべての電源が切れているので、計器も正常時(動作時)の状態ではありません。
換言すれば、計器の電源が切れ、さらに、計器への信号入力も途絶えると、このような状態になります。
また、シミュレータが「引退」してから、かなりの年数が経っているので、だいぶ「劣化している」のが分かります。
次の「図8」を見ると、ある意味では「野ざらし状態」とも言えます。
なおさら、劣化して行きます。
(図8) フライト・シミュレータ展示品の設置状況
「図8」の通り、ビル1階の「吹き抜け」に設置しています。
天井部分がありますが、その後方は、面積は少しですが、「穴が空いて」います。
手前側は、「(図2) 現在のビル」のように、完全に、さえぎるものがありません。
「吹きさらし」とも言えます。
(図9) フライト・シミュレータ「ボイス・レコーダ操作部」
※ ガラスの反射があり、かなり画質が悪いです。
「図9」は、操縦室内の、会話や音響を自動的に録音する、「CVR(コクピット・ボイス・レコーダ)の操作部」です。
「CVR(の本体部)」は、いわゆる「ブラック・ボックス」の一つです。
「エリア・マイク」が、操縦室内の音を、とらえます。
(図10) 「ボイス・レコーダ操作部」の取り付け位置
「図10」で、緑色の円内に、「エリア・マイク」があります。
この位置が、「図9」に示す、 「ボイス・レコーダ操作部」です。
図の一番前方が、操縦室の「正面窓ガラス部分」です。
「図10」の通り、操縦室の天井部分に、「頭上パネル」が広がっています。
写真の手前を越えて、シミュレータ装置の手前一杯まで、延びています。
(図11) 「天空橋」駅舎
「図11」で、中央後方にある、丸屋根のモダンな建物が、東京モノレールと、京急線の「天空橋」駅です。
手前道路の、右方向が、シミュレータ展示品があるビルに向かう方向です。
左方向が、羽田空港です。
(図12) 羽田空港「国際線ターミナル・ビル」への道路
「図12」で、この道路をずっと進むと、二股 《ふたまた》 に分かれます。
左方向へ行けば、やがて「国際線ターミナル・ビル」に到達します。
図で、左側フェンスの奥に飛行機が3機ほど、とまっています。
B滑走路の左側にある、「かつての整備場区域」に面している、スポット(駐機場)が、ここに並んでいます。
VIPたちが利用している「小型のビジネス・ジェット機」の駐機場も、ここにあります。
(図13) 道路標識の拡大部
「図13」は、「(図12)羽田空港『国際線ターミナル・ビル』への道路」で、小さく写っている、道路標識を拡大して、別に写した写真です。
後方の建物は、「国際線ターミナル・ビル」と、その左側にある「ホテル」です。
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今回の記事は、次回にも、持ち越しで続きます。
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<以下、長文のため、第12回目に続きます>
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「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(12) ― 2017年07月27日
第11回目の記事から続きます。
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前回(第11回目)の記事で紹介した、日本航空の「旧乗員訓練センター」にあったシミュレータは、「FFS」と言います。
「FFS」とは、「フル・フライト・シミュレータ」のことです。
「フル」とは何か?
「完全なシミュレータ」という意味です。
「何が完全」なのか?
パイロットの操縦にともなって、機体が実機同様に「動き回る」のです。
もちろん実機ではないので、あくまでも「擬似的」な動きです。
操縦している人間の側から見て、例えば、上昇している、下降している、といった「感じを与えるような動き」をします。
つまり、上昇中だからといって、人間の乗っている「機体部分」が、単純に上昇する動きをするとは、限りません。
シミュレータ装置を、外側から見た限りでは、上昇とは思えない動きをしている場合もあり得ます。
あくまでも、装置の中にいる人間から見て、「あたかも上昇しているかのような、感覚を与えるように」、動くのです。
人間が乗っている「機体部分」を動かすのが、油圧装置です。
単純に一言で表現すれば、前後、左右、上下の6方向に動くので、「6軸モーション装置」と言います。
日本航空「旧乗員訓練センター」にあったシミュレータとは、まったく異なりますが、「FFSの操縦体験記事(他者サイト)」を、以下に掲げます。
この記事中に、「油圧装置の動き」に関する説明があります。
『ジャルパックが販売する「JTAフライトシミュレーター操縦体験」でパイロット気分を堪能』
(日本トランスオーシャン航空が訓練に使っている“ホンモノ”を体験できる)
(2016/1/29 00:00)
<トラベル Watch>
http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/tabirepo/740626.html
「JTA(日本トランスオーシャン航空)」の、沖縄にあるシミュレータの操縦体験記事です。
同社で、毎年か、不定期か、良く分かりませんが、3月ごろに、一般人向けに、シミュレータ操縦体験を実施しています。
ただし、値段が高いので、私には、とても手が出ません(笑)。
(さらに、車の運転免許証など、顔写真付の身分証明書が必要です)。
予算や、時間があるならば、一度ぐらいは、ぜひお勧めします。
「すごい体験」が出来ると、思います。
(図1) フル・フライト・シミュレータの構成図
(出典: 航空用語研究会・編『絵でみる 航空用語集』(産業図書)を引用、追記)
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を「二つのタブ」で同時に開き、一方のタブを「図の表示専用」にすると、非常に便利です。
前述の「JTAフライトシミュレーター操縦体験」の記事では、シミュレータ装置を、大体は「下から見上げた画像」を掲げています。
この「図1」では、逆に、上から「見下ろした図」になっています。
図で、「右端中央部」に、以下の説明があります。
(引用)
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ビジュアル表示ユニット(風防に機外の光景が映し出される)
-----------------------------------------------------------------------------
(引用、以上)
この文中で、「風防」とは、シミュレータではなく実機で、操縦室の周囲を取り囲んでいる、機外を見るための「窓全体」を指します。
「風防ガラス」という表現もあります。
「図1」で、右側にある「フライト・コンパートメント」に、人間が出入りするための通路が、「引込式昇降橋」です。
「空調ユニット」は、人間が乗っている「フライト・コンパートメント」の冷暖房用です。
(酸欠にならないように、換気も行っているはずと思います)。
『B767フルフライトシミュレーター 体験ツアー』(動画)
2008/04/08 に公開
<CanTourCM>
https://www.youtube.com/watch?v=G68dyvWjSj4
画質が、かなり悪いですが、それなりに「迫力がある(おもしろい)」ので、一応、掲げておきました。
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今回の記事も、やはり、次回に、持ち越しで続きます。
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「FS」ならば、「飛行機の操縦」が素人でも自由に出来ます(13) ― 2017年07月29日
第12回目の記事から続きます。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/07/27/8628737
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記事の修正について、念のため、お知らせします。
前回(第12回目)の記事で、1件修正しました。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/07/27/8628737
ただし、「修正した旨の明示」は行っていません。
修正した場所は、「図1」の説明部分です。
記事全体で、約半分の位置あたりです。
(引用)
-----------------------------------------------------------------------------
この文中で、「風防」とは、シミュレータではなく実機で、操縦室の周囲を取り囲んでいる、機外を見るための「窓全体」を指します。
「風防ガラス」という表現もあります。
-----------------------------------------------------------------------------
(引用、以上)
この引用文で、1行目と、2行目との間に、「もう1行」ありました。
その1行を、丸ごと削除しました。
本来ならば、従来通り、罫線で前後を囲んだ「修正内容の明示」を行います。
ところが、この時は、この「第12回目の記事」を更新した(ブログ・サーバーにアップロードした)時刻から、約10分後に、この修正を行いました。
そのため、「ほとんど時間が経っていないので、『修正内容の明示』を行う必要はない」と判断しました。
そこで、上記のように、「1行目と、2行目の間にあった、もう一行を削除しただけ」で、OKとしました。
しかし、後になって考えると、このわずかな時間帯に、どなたかがアクセスし、修正前の記事をご覧になっていたかもしれません。
もしそうなると、修正後の記事が、その方々に伝わらなくなります。
そこで、念のため、当記事で、この「第12回目の記事」で、修正のため1行削除したことを、お知らせしておきます。
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ここから、当記事(第13回目)の本題です。
前々回の「第11回目」で、日本航空の「旧乗員訓練センター」シミュレータ展示品を紹介しました。
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2017/07/22/8625526
その続きです。
(図1) 日本航空「フライト・シミュレータ」展示品(副操縦士席)
※ 機長席側の、湾曲した透明アクリル板(?)を通して撮影したので、かなり光線の反射が生じています。
※※ 図を参照しながら、本文をご覧になる場合、当記事を「二つのタブ」で同時に開き、一方のタブを「図の表示専用」にすると、非常に便利です。
「図1」で、「副操縦士席」の背面は、何もありません。
展示品背後の透明ガラス板を通して、タイル床の向こう側に、ビル1階の吹き抜けにある「緑」が見えています。
ところが、このシミュレータは、ボーイング747型機なので、実際には、副操縦士席の背後に、「航空機関士席」があります。
(図2) ボーイング747型、実機の操縦席写真
(出典: 『ザ・コクピット 2003年1月1日発行』(イカロス出版)を引用、追記)
(小さくて見えませんが、写真右下の解説文(キャプション): 右席後方に巨大なFEパネルがある747クラシックのコクピット。 ◎ Photo/Ase Konan)。
※ 上記、写真の解説文で、「FEパネル」とは、「航空機関士席の計器盤」のことです。
(「FE」とは、航空機関士(フライト・エンジニア)です)。
※ 同じく、解説文で、「クラシック」とは、昔からある「アナログ計器」形式の航空機のことです。
(いわゆる「ハイテク機」が、かつてはCRTディスプレイ、現代は液晶ディスプレイによる「電子式計器」を用いた、コンピュータ制御の新しい航空機です)。
(「CRTディスプレイ」とは、「ブラウン管」を用いたディスプレイです)。
「図2」の中央奥の部分で、「遮光カーテン?」と表示したものがあります。
今まで、何度となく、さまざまな飛行機の「操縦室写真」を、航空雑誌などで見てきました。
しかし、このような、「カーテンらしき物」を見たのは、この写真が初めてです。
この場所に、カーテンがあるならば、おそらく、光をさえぎる「遮光 《しゃこう》 カーテンしかない」と思います。
「機長席・副操縦士席」と、「航空機関士席」とを分けるための、「遮光 《しゃこう》 カーテン」だと思います。
夜間に飛行する場合、自動車と同じように、操縦室内の照明は、最小限に落とします。
一方、航空機関士は、燃料の計算など、テーブル上で、いわば「事務仕事」も、いろいろ行います。
その際、明かりをつける必要が、あるのかもしれません。
もしそうであれば、照明を最小に落としている「機長席・副操縦士席」の妨げにならないように、「遮光 《しゃこう》 カーテン」を引くものと思います。
「図2」の一番手前、左部分で、「予備席」と、表示したものがあります。
本当は、「オブザーバー・シート」と表示したかったのですが、スペースがないので、やむなく文字数の少ない日本語表現にしました。
これは、文字通り、「予備のための席」です(笑)。
本来の運航乗員は、機長、副操縦士、航空機関士の3名です。
その他に、何らかの理由で、「搭乗者が増えた場合」、この席に座ります。
例えば、以下のような場合です。
◎ パイロットや航空機関士の資格審査のために、試験官が同乗する。
◎ 機体の動作状態を飛行しながら検査するため、整備士が同乗する。
◎ 航空管制官が、旅客機操縦の実態を知るために、同乗する。
(管制官による、飛行の検査ではなく、パイロット側の実情も考慮した、より良い管制を行うために、管制官自身のための研修です。主に、新人研修だと思います)。
◎ パイロットなどの訓練生が、同乗する。
ボーイング747型機の場合は、機体が大きく、操縦室も余裕があるので、前後に並んで、2席の「オブザーバー・シート」があります。
座席が「折りたたみ式」になっている場合は、「ジャンプ・シート」と言います。
客室乗務員の座席では、多くが、このタイプです。
(図3) 航空機関士の操作風景(一例)
(出典: 『ザ・コクピット 2003年1月1日発行』(イカロス出版)を引用)
(小さくて見づらいですが、写真下の解説文(キャプション): 離陸時フライトエンジニアはシートを前方に移動、正面パネル中央のエンジン計器を見ながらスラストレバーの微調整を行う。 ◎ Photo/Ase Konan)。
航空機関士は、その時の操作内容に応じて、座席位置を、大きく移動させます。
「図3」のように、離陸や着陸時は、エンジン出力を制御する「スラスト・レバー」の操作を補助します。
機長、あるいは、副操縦士が、「スラスト・レバー」を操作するのが当然ですが、上記解説文にあるように、補助的に微調整などを行います。
ボーイング747型機の場合は、そのため、「スラスト・レバー」の握りを、4本ある各レバー1本に付き、1個ではなく、2個ずつ設けてあります。
機長、あるいは、副操縦士が、「スラスト・レバー」を握ると同時に、航空機関士が、もう一方の握りを握って、二人一緒に操作します。
ただし、主導権があるのは、あくまでも、機長、あるいは、副操縦士です。
航空機関士が、勝手に主導権を発揮してしまったら、「えらいこと」になります(笑)。
「微調整」の典型例は、4発あるエンジン出力を、すべて同一に合せる操作です。
「スラスト・レバー」は、通常、4本を同時に操作します。
(言うまでもなく、片手で、レバー1本ごとに、指を1本ずつ乗せます)。
そのため、各エンジン出力が、微妙に「ずれを生じ」ます。
そのずれを、機長、あるいは、副操縦士が、機体を操縦しながら補正するのは、やっかいなので、航空機関士が、後を引き継ぐわけです。
離陸や着陸以外の時は、右側にある、航空機関士席の計器盤に向かいます。
その時は、前進させていた座席を後ろに戻し、さらに右側に向きを変えます。
このように、運航乗員の中で、航空機関士は、動きの大きい動作をします。
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今回の記事も、やはり、次回に、持ち越しで続きます。
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